DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

I'm a mess

最近気になっている言葉が、「魂の歌唱」という言葉です。例えば、前回のブログで書いた、宮本浩次さんの「冬の花」を聴いた方は、宮本さんの歌唱を「魂を揺さぶる歌唱」と言われたりします。

ぼくは、同じ歌唱を聴いたとしても、魂を揺さぶられるかどうかは、聴く方の感性によって異なると思っています。宮本さんの「冬の花」を聴いて、宮本さんらしいパフォーマンスで素晴らしいとは思いましたけど、魂も揺れたとは思いましたけど、感動するまでのテンションには達しませんでした。

歌を聴いて、自然と涙が滲んでくるのが、ぼくなりの感動ラインなのかなと思っています。そういう動画の1つが、1971年の日本レコード大賞で最優秀歌唱賞を受賞した森進一さんの「おふくろさん」の歌唱でした。


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森進一さんはご自身を「流行歌手」であると称されています。演歌を歌っているだけではないという自負が、その後の「襟裳岬」での吉田拓郎さんとのタッグや、「冬のリヴィエラ」での大瀧詠一さんとのタッグに繋がっているのだと思います。森進一さんの初期の歌唱方法はシャウトしている感じが強くて、ある意味ロックでありソウルである持ち味を発揮されているように感じます。

森進一さんの3人のうち、長男の貴寛さんはロックバンド・ONE OK ROCKのボーカルTakaとして、三男の寛樹さんはロックバンド・MY FIRST STORYのボーカルHiroとして活躍されています。母親も歌手として活躍した森昌子さんですから、歌うまのDNAは当然あると思っていますが、Hiroさんが歌った「襟裳岬」を聴くと、第一声から上手さとは別の特性を感じました。


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「魂の歌唱」という言葉が気になっているぼくは、森進一さんの歌魂を、Hiroさんは受け継いでいるのか気になって、そもそもMY FIRST STORYの曲も聴いたことがなかったので、今日は初めてHiroさんのボーカルの楽曲を何曲か聴いてみて、いいなと思ったのが「I'm a mess」という楽曲でした。この楽曲は2021年7月14日に発売された8枚目のシングル「告白」に収録されています。作詞はHiroさん、作曲はMY FIRST  STORYのギタリストであるshoさんです。歌詞を読んで、コロナ禍の当時の思いを歌っている内容が共感できました。タイトルにもなっている「I'm a mess」は、自身が混乱している状態や、困った状況にあることを表すフレーズです。混乱の原因はコロナ禍にあったわけですが、当時の現象だけではなく、マイナスの感情に陥る状況と向き合い、出口を見つけようとしている人間の生き様を歌っていると感じました。こういう内省の表現もまた魂の伝え方だと思いました。

今日初めて聴いた「I'm a mess」をDAM★ともで試してみました。リズムが小刻みで、言葉も詰められているので、どこから手をつけていこうか戸惑いました。何度も聴いていくうちに、ぼくは1990年代の小室哲哉さんのサウンドというか、TMネットワークの楽曲の系譜みたいなものをシンパシーとして感じました。そして、歌詞とメロディーの融合点みたいなところを考えながら1時間ぐらい考えて歌い続けていたら、1コーラスのみ79点で始まったぼくの歌も、88点にはたどり着くことができました。自分で自分に教えて成長させていくのって、割と好きなアクションです。

ぼく自身はロックをメインでは歌いませんけど、ジャンルを問わずにいろいろな楽曲を試すことで、歌い方の新たな発見にもなりますし、口も喉も滑らかになると思います。自分の引き出しが増えることはいいんじゃないかな。


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