DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

忘れな草をあなたに

ぼくがよく好きで見ている歌番組の1つである、BS朝日で毎週土曜日の19:00から放送している「人生、歌がある」。演歌・歌謡曲系の番組ですけど、出演する歌手のジャンルは演歌・歌謡曲に限っていなくて、楽曲をしっかりと聴かせてくれるところが気に入っています。4月6日の放送では、ぼくがお気に入りにしている林部智史さんも出演されていました。林部さんは最新アルバム「RAINBOW」から「やさしい眺め」という楽曲を歌われていました。紫の色をテーマに、来生えつこさんが作詞、来生たかおさんが作曲された楽曲はアンニュイさも醸し出した大人の雰囲気で、抑揚が少ないので、歌うのが難しそうな曲と感じましたが、歌ってみたいと思いました。こちらもDAM★ともでは歌えませんが。


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そして、林部さんはもう1曲、今年90才を迎える歌手の菅原洋一さんの特集の中で、菅原さんのヒット曲「忘れな草をあなたに」を、菅原さんと一緒に歌うという役目がありました。

菅原洋一さんは国立音楽大学声楽専攻科を卒業後、タンゴを歌いたいということで、タンゴバンドの歌手としてデビューしました。その後、ソロ歌手になり、「知りたくないの」が大ヒットして、紅白歌合戦にも22回連続出場されました。ベースがタンゴということもあり、歌唱は演歌でも歌謡曲でもなく、異色の歌手であると思います。「忘れな草をあなたに」は抒情歌のジャンルに入る楽曲ですが、菅原さんの味わいのある憂いも優しさも備えた歌声が、聴いていて心に響くものがあります。

歌手という商売は自分の喉を酷使する仕事でもあるため、高齢になっていくにつれて、往年の歌唱力は衰えていきます。どうしても若い頃の酷使が激しかった歌手の方は、その衰えが著しいのかなと思う方もいますが、菅原さんの場合は歌唱のパワーの衰えの代わりに、歌の味わいとか深みに人生の年輪を感じさせるものがあると感じました。ぼくも自分が90才になった時も楽しく歌っていたいと思っていますから、変な喉の酷使はしないようにしています。

忘れな草をあなたに」を一緒に歌う林部さんはいつもより緊張した感じでした。大先輩の菅原さんに気を使って歌っているのが、ひしひしと感じられました。コラボの考え方には、歌う人同士が地力をぶつけ合うという考え方もあると思いますが、まずはお互いの歌声を調和させていき、融合させていく姿勢が前提なのかなと思います。僕らが2人で歌うときも、相手の歌とか歌い方に合わせて、ソロとは違うコラボの良さを出したいと思いますし、そういうコラボを聴いている方々にも気持ちよく感じて欲しいと思います。

結局、歌っている時って、その人の人となりが割と表に出てしまうものなので、特にコラボに臨む時は、相手への敬意とか思いやりって大切だなとぼくは思っています。


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