DAM★ともで公開曲を出していたユーザーさんや、カラオケ大会によく出場されている方が、その後メジャーデビューをするパターンは結構あります。カラオケ世界大会でチャンピオンになった海蔵亮太(かいぞう りょうた)さんは、6月27日に「愛のカタチ」でメジャーデビューしましたし、初代DAM★ともマスコットを務めた岡本幸太さんも1月10日に「雪の日の再会」でメジャーデビューしました。2016年2月24日に「あいたい」でメジャーデビューした林部智史さんも、THEカラオケ★バトルへの出演がきっかけのようです。林部さんの新曲を最近Youtubeで見て、味わいのあるいい曲だなあと思ったのが「恋衣(こいごろも)」という曲でした。
この作品は6月20日に林部さんの4枚目のシングルとして発売されました。オリコンの週間シングルチャートでは初登場10位を記録しました。作詞は阿木燿子さん、作曲は来生たかおさん、編曲は安部潤さんです。安部さんのお名前は、Kinki Kidsの「Anniversary」のc/wにある同曲の20th.memorial versionや、CHEMISTRYの「TWO」という曲(カラオケでは歌うのは超難しい曲です)でお見かけしたことがありますが、FIELD OF VIEWのキーボードをされていた印象が強いです。
林部さんはぼくの中では、DAM★ともの企画であった川畑要さんと一緒に歌を歌える企画で優勝した方というイメージなので、メジャーデビューされてからの路線が「泣き歌の貴公子」という異名があるほどのいわゆる歌謡曲路線を走っているのがちょっと意外ではあります。「恋衣」の冒頭の「ふと目を窓にやれば 花水木の葉が揺れてる」を聴いただけで、来生さんのメロディーの世界だなあと感じました。同時に、来生さんはこの作品をどういう感じでセルフカバーするのかなあという興味が湧いてきました。結構提供した歌手への対抗心がありありで一味違ったセルフカバーに仕立てるのは、「夢の途中」でも「シルエット・ロマンス」でも実証済みなところです。林部さんと阿木さん・来生さんにあまり親和性は感じていないんですけど、歌えば歌うほど味わいが出てくる「スルメ曲」だと思いました。10年後に林部さんが「恋衣」を歌ったときに、もっといい歌になっている気がします。
歌手として生き残るのは大変なことで、林部さんも演歌・歌謡曲系の番組でお見かけすることがあります。本当はCHEMISTRYみたいな曲を歌いたいんだろうなあとは思いつつ、歌手としてのキャラクターを確立する必要もあるんだろうなって。
こういう疑問は若手から中堅の演歌歌手の人たちにもあって、もともとはポップスをカラオケ大会で歌っていた人たちが、歌手デビューに当たって演歌に一時的に衣替えしているのと同じなんですよね。好きな歌も歌ったほうがもっと売れるんじゃない?と思うのは素人考えなんでしょうけど。