ぼくが最近よく聴くようになって、歌ってみるようになった1曲が、華MEN組(かめんぐみ)の「華やかに抱きしめて」という楽曲です。
華MEN組は、日本のエンターテイメント界の歴史に輝く歌謡曲を次世代にも継承したいということで結成されたアイドル歌謡の男性6人組グループです。オーディションで選ばれた20代から30代の男性6人は、いずれも挫折を経験したことがあるという、彼らのメジャー・デビューの記事を読んで、記事で見た彼らの写真を見て、ぼくは彼らに関心を持つようになりました。
最近デビューするアイドルグループは、美男美女であったり、スタイルもかっこよかったり、歌やダンスの才能も素晴らしいというプロモーションが多くて、実際そのとおりなんですけど、彼らの歌や一生懸命踊るダンスを見ても、響いてくるものがぼくには今ひとつありませんでした。対して、華MEN組の6人は、際立ってイケメンだとか、すごくかっこいいということではないけれども、歌にしてもダンスにしても、練習を重ねてきた裏打ちされた実力はしっかりと感じられるものがありました。
人生って不思議なもので、若くして成功を収めて頂点に立ったとしても、ほんの些細なことでつまづいて、その後低迷してしまうこともあれば、若い頃は上手くいかないことが多くて、心が折れそうになることがあったとしても、あるきっかけを手がかりに持っていた才能の魅力を開花させることもあったりします。
彼らは2024年5月22日にキングレコードからデビューミニアルバム「華やかに抱きしめて」を発売して、メジャー・デビューを果たしました。タイトル曲である「華やかに抱きしめて」は、作詞を松井五郎さん、作曲を都志見隆さん、編曲を安部潤さんが手がけられました。この楽曲を初めて聴いたとき、華MEN組のメンバーは涙する方もいたとのことです。掴んだ切符の道がスタートすることに感極まったという気持ちはわかるところがあります。
楽曲自体は、かつてのジャニーズの王道をいくようなアイドル・ポップスとしての歌謡曲として仕上げていて、これからグループをスタートさせていく彼らへのはなむけのような意味合いも込められているような気がします。
人間って失敗をする生き物だと思います。失敗しながらもそれを克服して乗り越えて人間は次代へと進んできています。時折、失敗したらもうチャンスはないみたいな世界はあると思いますけど、失敗や挫折を重ねた人生は、人生の苦味も痛みも感じることができるから、人間としては成長する気がします。失敗や挫折した人にも、必ず望む未来とか希望は掴めるのだということを、歌で発信するグループって、ぼくはこういうグループもいいなって率直に思いました。
新しいものが歌いたくなるぼくは、まだカラオケが配信されていない時でしたが、それでも歌ってみたかったので、YouTubeの動画に合わせて歌ってみた録音をTwitterにアップしてみました。そうしたら、華MEN組のオフィシャルアカウントの方がいいねをしてくれただけじゃなくて、華MEN組のメンバーの方々が次々にいいねを付けてくれたのでびっくりしました。そして、このグループはコミュニケーションがいいグループなんだってこともわかりました。
ぼくはもともとジャニーズの曲が好きなので、「華やかに抱きしめて」も好きな曲ですけど、グループの曲を1人で歌うのって、すごく大変なんです。今回でいえば、6人分を1人で歌うようなものです。6人の声が織りなすバランスやグルーブを1人で歌うと、それはぼくの声の色しかないから、どうしても平板になってしまう。でもそこはソロの歌手がこの曲を歌うと決めたら、どういう感じで歌えばいいのかなって考え方を変えてみて、今後も取り組みたいと考えている1曲です。