DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

冬の花

今年の冬、ぼくの目に留まる冬の花は、ツワブキ(石蕗)の花です。ツワブキはキク科ツワブキ属の常緑多年草で、初冬に黄色い花を咲かせます。海岸近くの岩場に生えますが、観賞用として庭園に植えられることも多いです。小さくても凛として咲いている姿が、ぼくはツワブキを見ていて清々しく感じて、こうやって写真に収めたりしています。ツワブキ花言葉は、「謙遜」「困難に負けない」だそうです。

さて、歌の方でも、今月出会った曲が、宮本浩次さんの「冬の花」という曲でした。ぼくがそれまで連想した「冬の花」といえば、鮎川いずみさんが歌われたこの作品でした。


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鮎川いずみさんの「冬の花」は、1982年に放送された人気時代劇「必殺仕事人III」の主題歌として、ドラマに出演していた鮎川さんが歌われました。レコードは20万枚のヒットとなり、日本有線大賞を受賞されました。

さて、宮本浩次さんの「冬の花」は、2019年2月12日に、エレファントカシマシの宮本さんのソロとしての配信限定シングルとして発売されました。作詞・作曲は宮本さん、編曲とプロデュースには小林武史さんが参加されました。今月開催しているオンラインカラオケ大会でこの「冬の花」が課題曲となったのですが、審査委員長の先生からのコメントが、ぼくにとってはハードルの高い内容でした。1つは、ノンビブラートでの歌唱を目指すこと。もう1つは、魂を揺さぶる歌唱にチャレンジすることでした。ぼくは宮本さんの「冬の花」を知らなかったので、さっそく聴いてみました。


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カラオケ大会に出る人にありがちな、豊かな声量で正しく丁寧に歌うということよりも、ほとんど出会わない、魂を揺さぶられる歌唱に出会いたいというのが審査の先生の願いなのだと思いました。ぼくも多分にもれず、ビブラートを多用するタイプなので、ノンビブラートと言われても、それができるのかなと思いました。

以前、歌番組で野口五郎さんが「五木(ひろし)さんや森(進一)さんはほとんどビブラートを使わないので、ぼくは見習わないといけない」と話されていたのを思い出しましたが、ぼくの中で魂を揺さぶられる歌唱というと、森進一さんです。

とにかく試してみようと、昨日初めてDAM★ともで、「冬の花」を歌ってみました。宮本さんはご自身の感性で、髪をクシャクシャにしたりしながら、心の内省を表現されていると思いますので、これは素人が真似できることではありません。宮本流ではなく自分が思う「冬の花」を考えたときに、イメージしたのはツワブキの花でした。寒風に吹かれても、凛として咲く姿を保っている姿に準えて、沸々とした魂を静かに感じさせていけばいいのかなと考えました。作品のテイストは歌謡曲とのことだったので、難曲ではありましたけど、全く入りにくいことはありませんでした。ビブラートを出さないように試みても、1コーラスで10回未満がやっとなので、審査の先生が言われる基準は満たしていないんですけど、歌い方としてビブラートを使わなくても、口の開け方とか声の発し方でコントロールできることはすごく学べたところが大きかったです。ぼくはビブラートが綺麗とは言われることがありますけど、一方でビブラートを使いすぎて、歌の印象が消されてしまうという指摘を受けたこともあったので、効果的にビブラートを使う方法というのを探していましたから、真逆にあたるノンビブラートを試すというのはよかったなと思いました。魂を揺さぶられる歌唱というのもどだい無理なんですけど、最近亡くなられた八代亜紀さんがご自身の歌唱について、あまり感情はこめないで、聞いていただく方が感情を持つスペースを空けておくといった話をされたのを思い出しました。歌い手が魂を揺さぶりすぎても、聴き手はそこに入る余地がないし、逆に引いてしまうのではないかという考え方なのだと思います。ぼくも押し付けるような歌い方をしたいとは考えていないので、ぼくの歌唱そのものは聴く方にお任せした方がいいのかなと思っています。魂の歌唱なんてそもそもできませんし、目指すものというよりは、自分が思うナチュラルな立ち位置から発した歌のハートの灯火が、聴いている人にも伝播していく空間づくりなんだろうなとイメージしています。