ぼくがDAM★ともでお気に入りのアーティストにしているSMAP。2016年12月31日をもってSMAPが解散してから4年以上が経ちましたが、改めて彼らのエンターテイナーとしての影響力の大きさとかプロフェッショナルさとか、発表した多くの作品の質の良さとか、折に触れて感じています。
今年の初め、KARASTAでユーザーさんが歌っているのを聴いて、思い出した1曲が「この瞬間(とき)、きっと夢じゃない」という曲でした。
この作品は2008年8月13日に43枚目のシングルとして発売されました。当時のTBS系の北京オリンピックのテーマソングにも採用されました。作詞・作曲はHi-Fi CAMP、編曲は長岡成貢さんです。Hi-Fi CAMPはメンバー4人が宮城県仙台市に在住するバンドで、2008年6月4日にシングル「キズナ」でメジャーデビューしました。メンバーの脱退を契機に、2013年6月4日に解散しています。長岡さんはSMAPの「雪が降ってきた」「たいせつ」など多くの作品を提供されているほか、CHEMISTRYの「almost in love」、KinKi Kidsの「シンデレラクリスマス」も編曲されています。またご出身である三重県の伊勢をテーマとした活動もされており、伊勢神宮での奉納演奏として、第六十二回式年遷宮「白石献上歌」や巫女舞「祈りのとき」の作曲もされています。
さて、「この瞬間、きっと夢じゃない」を初めて聴いたとき、こういう方々が作られたとは知らず、作詞も作曲もラッパーの方が作ったのかなと思うくらいに歌詞がものすごく多くて、リズムも早い作品という印象でした。歌のパートが、1コーラス目Aメロ稲垣さんソロ→Bメロ香取さんソロ→草彅さんソロ→サビ全員→2コーラス目Aメロ中居さんソロ→Bメロ稲垣さんソロ→木村さんソロ→サビ全員→Cメロ草彅さんソロ→香取さんソロ→中居さんソロ→稲垣さんソロ→木村さんソロ→ラスサビ全員、という構成になっています。
SMAPの歌唱力については下手という評価が多いのかもしれませんが、ぼくは下手とは思っていません。この曲を歌うのはすごく難しいと思いますし。それじゃ上手かというと、いわゆるボーカリストの歌唱力の圧倒さで歌い上げるものではありませんけど、ぼくは楽曲の世界観はしっかりと作っていると思います。SMAPが5人で歌った声の調和感のパワーとか魅力こそ、彼らが多くの人々に愛されたところなのではないかと思います。歌の中で歌唱力の上手下手は1つの要素にすぎず、そういう次元を乗り越えて、歌を伝えることがもっと大切なんだろうと思います。この5人の中でも稲垣さんの歌はこの曲に限らず、芯があってしっかりと伝えているものがあったんだなあと最近感じています。ぼくも、こんなに上手く歌えるんだみたいな歌よりは、作品の世界を伝えられる歌を歌いたいと思います。