カラオケで歌いたい曲をどう選んでいるかというのは、人それぞれのアプローチやきっかけがあると思います。新曲を歌いたいという方もいますし、プロの歌手の歌声を聴いて自分も歌ってみたいという方もいます。
ぼくの場合はいろいろな曲を聴いてみて、自分を引き出せそうな曲かどうかを推し量りながら、歌いたい曲を選んでいるように思います。新曲を選ぶときもありますけど、どちらかというとそのアーティストさんの有名な曲よりはちょっと隠れたいい曲を選ぶことが多いです。プロの歌手の歌声を聴いて歌ってみたいというのはありますけど、それ故に難しい曲を選んでしまいがちだとは思います。
ぼくは最近、シドさんの曲をよく聴いています。いま歌える曲が「恋におちて」しかなくて、もっとシドさんの他の曲も歌えるようになって、自分の引き出しを広げたいということからなんですけど、その中でぼくがいいなと思った曲が「御手紙」という曲でした。
この作品は2006年8月16日にシングルとして発売されました。シドがインディーズの時代の作品ですが、オリコンでは最高9位を獲得しました。シドの作品は作詞はボーカルのマオさんが、作曲はベースの明希さん、ギターのShinjiさん、ドラムのゆうやさんが作る体制ですが、この作品も作詞がマオさん、作曲が明希さん(御恵明希名義)です。明希さんは「御手紙」を「最高傑作」と後年になってからも評価しており、この作品への強い思い入れが感じられます。
ぼくはヴィジュアル系ロックバンドの曲を聴くのは好きな方で、日本の歌謡曲のペーソスが感じられる「歌謡ロック」に親近感が湧きますし、和様のモチーフを取り入れたバンドも結構多くて、シドはそういう要素を持っているバンドだなあと思っていました。
「御手紙」のMVを見ていると、江戸時代の遊女を思わせる女性が登場しますけど、歌詞を読んでいると、古語は使っていないのに、平安時代の手紙のやり取りみたいな雰囲気を想像しました。Bメロの歌詞「微力ながら 精一杯 お慕い申し上げてみます 晴れて結び 暁には とめどない 想 明け方」に乗せるサウンドがしっかりとロックになっているのがかっこいいなと思って、AメロとサビをつなぐBメロの展開が秀逸だなと感じました。マオさんの歌い方もBメロで変えにいってますし、歌うときのポイントの1つだと思いました。
サビの歌詞「これは罪な君に捧げる 生まれ落ちた理由です 形の無いもの故の文 上手く 上手く それだけを願う」も、肺活量が相当必要なメロディーで、マオさんの熱気のこもった歌い方を見ていると、声もできる限り全力で張っていくのかなと思いました。
ぼくも初めて歌ってみましたけど、1コーラス目は何とかクリアできても、2コーラス目、ラスサビとまだ息切れしてしまう感じです。こういう息切れを解消するのは何回も歌っていくなかで、自分のブレスのベースを決めていって、流れを掴んでいくしか、ぼくの場合はなくて、こうやって歌も自分の中で昇華されていく感じです。この曲がバッチリ歌えたらかっこいいだろうなと思うので、歌うことは楽しいです。