DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

発声と歌ごころ

ボイストレーニングはほとんど受けたことがなかったぼくですが、1月4日に初回体験レッスンを受けたボイストレーナーの方から、レッスンを継続してみてはと勧められました。お稽古事に通ったことがないぼくに、レッスンの継続ができるのか、色々なルールが守れるのか、考えてみました。せっかくの機会なので、月1回ということで次回のレッスンを予約しました。

予約した2月13日、ぼくの心の中は不安だらけでした。顎の筋肉を柔らかくするために、舌を口の中で回転させる運動を始めて、時計回りは少しできるようになりましたが、逆回りだと舌が途中で回転方向と逆になってしまいます。他にもいくつかの事を試してきましたけど、この1ヶ月で何をやれたのかなという思いが募っていました。

とはいえ、レッスンを受けることは楽しみでした。ボイストレーナーの先生と前回の振り返りをしてから、発声練習をしてみたら、「前回より良くなってますよ」と先生から一言。ぼくが「どこが良くなったのか、自分ではよくわからないんです」と答えると、先生は「なるほど」と答えてから、発声の練習のアプローチとして、いくつかのグッズを渡して頂きました。これなら、自宅やカラオケでも練習ができていいなと思いました。

その中で、先生から「何か曲を歌ってくれませんか」とリクエスト。「発声がわかるようなゆっくりした曲」とのことで、ぼくは自分のカラオケリストを頭の中でチェックしながら、「そういう曲あったかな」と右往左往していると、先生から、「福山雅治さんの「桜坂」はどうですか」とのサゼッション。

元々ぼくは先生に、「声域が低いので、カラオケでも福山雅治さんを歌っています」という話をしたからかもしれません。カラオケの画面を出してもらって、マイクなしで、「桜坂」を1コーラス歌いました。でもぼくは最近は福山さんの曲は全く歌っていなくて、「桜坂」はたぶん10年以上は歌っていなかったので、実は不安でした。歌い終わったら、先生から「めちゃめちゃいいですね。ものすごく歌っているし、いつも歌っている人ですよね」と一言。「ものすごくなのかはわかりませんが」と返したものの、内心「バレた(笑)」と思いました。

先生から「もう1曲歌ってくれませんか」とリクエスト。今度は最近歌っている曲から、川崎鷹也さんの「ぬくもり」という曲を1コーラス歌いました。歌い終わって、先生から「わかりました。歌詞があると歌が活き活きとするタイプなんですね。それと、歌ごころがありますよね。フレーズの処理とか上手くできてますよね」と感想が。そして、「発声練習だと、すごく機械的に聞こえるので、発声練習も曲だと思ってやってもらえませんか」とのご指導。

ぼくって心が正直に出てしまうタイプなんだろうな。慣れない発声練習に気持ちが入らないのが丸見えでした。

改めて認識しましたけど、ボイストレーニングをやったから、歌唱力や歌唱技術や表現力が身につくわけではないのだと思います。ある楽曲をどのように歌っていくか、ディレクションみたいなことは、ぼくが自分で考えて実践していけば、ある程度は身についていくのだと思います。

ぼくはあと1音でも高音が出せるようになりたいと思っています。その1音が出せれば、原曲キーで歌える曲がすごく増えると思うんです。高音自体は出るようになりましたけど、もっと深みや厚みのある声を高音でも出したいんです。沸々と考えていた自分への疑問が、レッスンでの話を聞きながら、1つづつ解明されていっている気がしています。歌を歌うのは口からなんですけど、声が生まれるのは体の中からであり、歌も体全体で表現するものなんだということが今更わかった感じです。

レッスンの帰り道は、行きとは逆に、心が自然と穏やかになりました。このまま進めていけば、自分の新たな成長の芽がきっと生まれるとほんの少し望みが持てました。

メンズでえ〜んか!

2月5日、ぼくは神奈川県の横浜市市民文化会館関内ホールの小ホールで開催された「メンズでえ〜んか!」というイベントを見に行ってきました。第一部がカラオケ発表会を11:00から、第二部がメンズでえ〜んか!を15:00から、という構成でした。このイベントは、若手イケメン歌手の沢田正人さん、岡本幸太さん、小川たけるさん、高山レイヤさんの4人による歌あり、バラエティーありの内容とのことでした。

ぼくは日頃のカラオケでもこの4人の歌手の方の曲を歌っているので、このイベントには興味がありました。沢田正人さんが「傷つくダイヤモンド」、岡本幸太さんが「あなたに哀愁」、小川たけるさんが「陽炎〜KAGEROW〜」、高山レイヤさんが「誰にでも秘密がある」です。「あなたに哀愁」はカラオケ大会でも2回歌わせて頂きました。

カラオケ大会は優勝や入賞を競うものですけど、カラオケ発表会は文字どおり自分の歌を発表するもので賞などはありません。カラオケ発表会に出たことはありませんでしたが、歌える場所があるなら歌って見たいと思い、カラオケ発表会も申し込みました。

2月5日、当日は雪の予報が出ていましたが、行きはまだ曇り空に薄日がさしている程度で、無事に関内ホールに着きました。小ホールもスッキリとしたいい感じでした。歌手の皆さんは楽屋口から入るのかなと思いきや、沢田正人さんと岡本幸太さんは普通に入口から入って来られて、ぼくにも周りの方にも挨拶されて、楽屋に行かれました。挨拶ができる方はいいと思います。

ぼくがこの日歌うのは、小川たけるさんの「陽炎〜KAGEROW〜」。今後出るカラオケ大会でもこの曲を歌うので、せっかくのこういう機会に試しておきたいと思いました。楽屋に来ると、舞台裏では豪華な衣装を身につけたご婦人方ばかりでした。ぼくは自宅から着てきた地味なスーツ姿。自分の番になって、ステージに立って歌いました。前方の席でペンライトを振ってくださる方がいてくれて、歌っていても励みになると感じました。

歌い終わったら、ぼくの目の前に小川たけるさん本人が来てくださって、ぼくもかなり動揺しましたが嬉しかったです。実物の小川さんは顔もイケメンですけど、気配りもイケメンでした。お褒めのお言葉やお話もして頂きまして、一緒に写真も撮って頂きました。

カラオケ発表会の後は歌謡ショーということで、ゲスト歌手の方が歌われました。プロの歌手の方は基本的に上手さが違います。自分の持ち味を活かされていると思います。歌は歌手によってスタイルが違うから面白いと思うし、そこは流行の軸とは別物だと思います。

第二部のメンズでえ〜んか!は、4人が1曲づつオリジナルを歌ってスタート、次のコーナーではイントロを聴いて歌える人が歌うということで4人が2曲づつ歌唱、最後のコーナーは岡本さん、高山さん、小川さん、沢田さんが3曲づつ歌って、客席も終始盛り上がって終了しました。4人ともイケメン演歌歌手と一般的には括られますけど、ど演歌ではなく歌謡曲寄りです。沢田さんと岡本さんが昭和の男性アイドルに近い歌謡曲ベース、小川さんは地元の松江をベースにしつつ、演歌に近い歌謡曲ベース、高山さんはフォークをベースにした歌謡曲ベースかな、という印象でした。

ステージ終了後のロビーでは4人の歌手の方も表に立って、CDやチェキなど物販をされていました。歌手を一生懸命に推してくれるファンの方がいて、そういうファンの方からの応援を歌手の方はしっかり受け止めて、こういう優しい世界は生まれるんだなあと感じました。

ぼくはステージにプレゼントを持っていくことはしませんけど、カラオケで彼らの歌を歌って応援します。

 

フルーツパーラーでの出会い

2月2日金曜日の夜、ぼくは観音山フルーツパーラー表参道店で行われた、安定感企画さん主催のライブ「フルーツパフェと音楽と。冬の回」を見に行ってきました。

このライブは、Twitterでも相互フォローしているホソヤさんが出演されるということでした。生歌や生演奏を聴いて見たいフォロワーさんは数多くいまして、でもなかなか日程の調整がつかなくて、ライブの告知を見ては「今回も無理か…」なことがほとんどです。でも今回は開場19:50、開演20:00ということで、仕事が終わってから間に合う!ということで、早々にチケットを申し込みました。

金曜日の夜の表参道は多くの人たちで盛り上がっていました。地下鉄明治神宮前駅の7番出口を出て右方向に数分歩いて、キュープラザ原宿の3Fにフルーツパーラーはありました。受付でチケット代金を支払っていると、リハーサルをしているホソヤさんの歌とギターが聞こえてきました。

フルーツパーラーですからお店の雰囲気も明るくておしゃれな感じです。ライブハウスは大体地下の部屋でドリンクでビールを飲むくらいなので、フルーツパフェを食べながら歌や演奏を聴けるというのがとても新鮮に感じました。飲み物は喉が渇くと思ったのでコロナビールを注文して、パフェはフルーツパフェを注文しました。

ぼくは高級なお店の食べ物とか飲み物とか、値段が高いだけで味は今一つという経験もあるので、食べる前はあまり期待していませんけど、フルーツパフェが運ばれてくると、映え感もすごくありましたし、このあとの演者さんたちの歌や演奏を聴きながら、チビチビとパフェのフルーツやヨーグルトやクリームの感触をしっかりと確かめながら味わうことができました。パフェって作る人の作っていく順番と、食べる人の食べる順番は真逆で、でも食べる人の順番を考えたフルーツの配置といった構成が緻密だなと感心してしまいました。フルーツパフェは2,480円でしたが大満足でした。

さて、ライブは安定感企画の池村さんが、ホソヤさんの計らいで、ホソヤさん作曲の楽曲を1曲歌われました。音響効果があまりない場所で歌うのって、マイクもあんまり効いてないみたいだし大変なんだなとか思っていたら、実はこの時からアンプが落ちていたらしいです。会場の人たちには十分聞こえるので大丈夫でしたが、配信を見ている人たちは大丈夫なのかなと心配しましたが、別回線で配信しているのでしっかり聞こえていたようで良かったです。

ホソヤさんは池村さんの歌唱を皮切りに、ご自身の歌唱で3曲、我竜麻里子さんの歌唱で3曲、ascaさんの歌唱で2曲、バイオリン奏者の琴羽しらすさんとのコラボで3曲、ぶっ続けでギター演奏をされました。ギターの音色もいいなと思ったのと、楽器的に即応性が高いのでギターを弾けない僕には羨ましく感じました。

ホソヤさんの歌唱は1曲目が最近作られたという「慈しみ、深く」という楽曲。シトロンチューンというユニットのボーカルをされているtomoyoさんが歌詞を作られて、ぼくはこの歌詞が好きな感じだったので、どういうメロディーなのか興味深かったのですが、意外に明るくて穏やかな作風だったので心地よく聴くことができました。2曲目は「お客さんの世代感に合わせて」ということで、T-BOLANの「離したくはない」。実は会場のお客さんは全員男性だったんです。世代は幅広いのかなと思いましたけど、ちょっと意外でした。この曲はぼくの先輩の方がカラオケで歌われていたので覚えました。ぼくが好きなT-BOLANの曲は「Bye For Now」です。3曲目はホソヤさんの名刺代わりのような「月とタナトス」。独特のシャウト感が期待どおりのいい感じでした。

ぼくがライブ活動をしているアーティストさんの歌を聴きたいと思うのは、自分に足りないものを吸収したいという探究心なんです。直にお客さんと対面して、自分の歌を目の前に届ける姿勢とか訴求力とかコミュニケーションとか、学べるものがありました。カラオケの歌い手はどうしても自分ができているかを気にしすぎているのかなと自分も含めて思います。自分の欲求のために歌うんじゃなくて、訪れた場所で初めて出会った見知らぬ誰かに向けて歌ってこそ、歌を通じて新たな共感がそこに生まれていくのかなと思います。

ライブが終わって、ホソヤさんにご挨拶することができました。ぼくが行くことは事前にご連絡していましたが、そのことを意識して歌ってくれたみたいな話をしてもらえたのがすごく嬉しかったです。とっても楽しめた金曜日の夜でした。

 

ニューイヤー歌会

昨日1月27日は、夜に登戸のスナック藤で行われた「ニューイヤー歌会」に参加してきました。歌仲間が集まって、カラオケを楽しむという集まりですが、2022年6月に集まったメンバーの相性が良かったらしく、年に数回、不定期で開催していて、ぼくも呼んで頂いています。

最近の歌会では、ソロ曲を2〜3巡したら、複数でのコラボをやっていくパターンで歌っていきます。事前にコラボ相手と歌う曲を決めて打ち合わせることもありますけど、今回は特になかったので、コラボがあれば自然体でと思っていました。

今回はスナック藤の昼に来られていた村田文子さんが、歌会に途中まで参加してくださるとのことでした。カラオケ大会でも優勝経験のある有名な方の前なので、気分が大会の時みたいになってきました。トップバッターで1曲目に歌ったのが、岡本幸太さんの「あなたに哀愁」でした。この曲はサビの所で振付もあるので、皆さんで盛り上がれたので、会場を暖められたかなと思いました。

この日は参加者の1人が誕生日ということで、ぼくの2曲目は、誕生日の本人がよく歌っている川崎鷹也さんの曲から「カレンダー」を歌いました。2巡目が終わった所で、誕生日の方にはサプライズで、全員でハッピーバースデーを合唱し、ホールケーキも2個登場して、ろうそくの火をご本人に消してもらった後、記念写真を何枚か撮りました。こういうイベントをやってくれる人たちって、優しくて心が暖かいなって思います。ぼく自身はそういうことを言い出すタイプではないので、なおさらそう思いました。

ぼくの3曲目は、歌会の主催をしてくれているボーカリストの方が好きなアーティストだったかなと思って、氷室京介さんの「ダイヤモンド・ダスト」を歌いました。この1週間はカラオケに行けてなくて、声もカスカスな感じで、歌会に行く前の声出しも今一つだったので、お店に来る前は不安な気持ちでしたが、歌会の熱気とか雰囲気が良かったのか、お店の音響もいいこともありますけど、この日はいい感じで歌えることができました。

4曲目は久保田早紀さんの「異邦人」を歌いました。ぼくが好きなアーティストの林部智史さんが歌っていたのが良かったので、歌ってみようと思いました。

5曲目以降はコラボになりました。女性からのリクエストで「カナダからの手紙」をデュエットしました。ぼくの場合声が大きいので、女性の方の声が目立つように声を小さく調整しました。その次にボーカリストの方からのリクエストでKinKi Kidsの「愛のかたまり」のピアノバージョンをコラボしました。ぶっつけ本番なので、相手の方の声の伸ばし方とか、リズムの取り方を聞いて、なるべく2人の声が融合していく接点を逃さないように気をつけて行ったら、いい感じのコラボになれたのでホッとしました。次に、浜田省吾さんの曲を一緒に歌って欲しい方のリクエストで、急遽動画を見て、「悲しみは雪のように」を歌いました。細かいところでメロディーが凝っている箇所がありましたけど、難しい箇所は相手の方にお任せして、何とか乗り切りました。最後に、新浜レオンさんの「捕まえて、今夜。」を一緒に歌って振付も一緒にというリクエストで、スタンドマイクが用意されました。バックダンサーの男性も参加という形で、全員で窓拭きダンスをしながら歌いました。ぼくの動きが一番キレキレだったらしく、それはたぶんレオンさんの歌を毎週見ているからかなと思いました。

自分のことばかり書きましたけど、他の方の歌とか歌っている姿とか見ていると、それは自分にはないことばかりなので、学ぶことが多いんです。今日は振り返りでカラオケに行って、他の方が歌っていた曲を試したりしました。いろいろな歌い方を実践してみることで、自分に合う歌い方が見つかると思います。

 

I'm a mess

最近気になっている言葉が、「魂の歌唱」という言葉です。例えば、前回のブログで書いた、宮本浩次さんの「冬の花」を聴いた方は、宮本さんの歌唱を「魂を揺さぶる歌唱」と言われたりします。

ぼくは、同じ歌唱を聴いたとしても、魂を揺さぶられるかどうかは、聴く方の感性によって異なると思っています。宮本さんの「冬の花」を聴いて、宮本さんらしいパフォーマンスで素晴らしいとは思いましたけど、魂も揺れたとは思いましたけど、感動するまでのテンションには達しませんでした。

歌を聴いて、自然と涙が滲んでくるのが、ぼくなりの感動ラインなのかなと思っています。そういう動画の1つが、1971年の日本レコード大賞で最優秀歌唱賞を受賞した森進一さんの「おふくろさん」の歌唱でした。


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森進一さんはご自身を「流行歌手」であると称されています。演歌を歌っているだけではないという自負が、その後の「襟裳岬」での吉田拓郎さんとのタッグや、「冬のリヴィエラ」での大瀧詠一さんとのタッグに繋がっているのだと思います。森進一さんの初期の歌唱方法はシャウトしている感じが強くて、ある意味ロックでありソウルである持ち味を発揮されているように感じます。

森進一さんの3人のうち、長男の貴寛さんはロックバンド・ONE OK ROCKのボーカルTakaとして、三男の寛樹さんはロックバンド・MY FIRST STORYのボーカルHiroとして活躍されています。母親も歌手として活躍した森昌子さんですから、歌うまのDNAは当然あると思っていますが、Hiroさんが歌った「襟裳岬」を聴くと、第一声から上手さとは別の特性を感じました。


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「魂の歌唱」という言葉が気になっているぼくは、森進一さんの歌魂を、Hiroさんは受け継いでいるのか気になって、そもそもMY FIRST STORYの曲も聴いたことがなかったので、今日は初めてHiroさんのボーカルの楽曲を何曲か聴いてみて、いいなと思ったのが「I'm a mess」という楽曲でした。この楽曲は2021年7月14日に発売された8枚目のシングル「告白」に収録されています。作詞はHiroさん、作曲はMY FIRST  STORYのギタリストであるshoさんです。歌詞を読んで、コロナ禍の当時の思いを歌っている内容が共感できました。タイトルにもなっている「I'm a mess」は、自身が混乱している状態や、困った状況にあることを表すフレーズです。混乱の原因はコロナ禍にあったわけですが、当時の現象だけではなく、マイナスの感情に陥る状況と向き合い、出口を見つけようとしている人間の生き様を歌っていると感じました。こういう内省の表現もまた魂の伝え方だと思いました。

今日初めて聴いた「I'm a mess」をDAM★ともで試してみました。リズムが小刻みで、言葉も詰められているので、どこから手をつけていこうか戸惑いました。何度も聴いていくうちに、ぼくは1990年代の小室哲哉さんのサウンドというか、TMネットワークの楽曲の系譜みたいなものをシンパシーとして感じました。そして、歌詞とメロディーの融合点みたいなところを考えながら1時間ぐらい考えて歌い続けていたら、1コーラスのみ79点で始まったぼくの歌も、88点にはたどり着くことができました。自分で自分に教えて成長させていくのって、割と好きなアクションです。

ぼく自身はロックをメインでは歌いませんけど、ジャンルを問わずにいろいろな楽曲を試すことで、歌い方の新たな発見にもなりますし、口も喉も滑らかになると思います。自分の引き出しが増えることはいいんじゃないかな。


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冬の花

今年の冬、ぼくの目に留まる冬の花は、ツワブキ(石蕗)の花です。ツワブキはキク科ツワブキ属の常緑多年草で、初冬に黄色い花を咲かせます。海岸近くの岩場に生えますが、観賞用として庭園に植えられることも多いです。小さくても凛として咲いている姿が、ぼくはツワブキを見ていて清々しく感じて、こうやって写真に収めたりしています。ツワブキ花言葉は、「謙遜」「困難に負けない」だそうです。

さて、歌の方でも、今月出会った曲が、宮本浩次さんの「冬の花」という曲でした。ぼくがそれまで連想した「冬の花」といえば、鮎川いずみさんが歌われたこの作品でした。


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鮎川いずみさんの「冬の花」は、1982年に放送された人気時代劇「必殺仕事人III」の主題歌として、ドラマに出演していた鮎川さんが歌われました。レコードは20万枚のヒットとなり、日本有線大賞を受賞されました。

さて、宮本浩次さんの「冬の花」は、2019年2月12日に、エレファントカシマシの宮本さんのソロとしての配信限定シングルとして発売されました。作詞・作曲は宮本さん、編曲とプロデュースには小林武史さんが参加されました。今月開催しているオンラインカラオケ大会でこの「冬の花」が課題曲となったのですが、審査委員長の先生からのコメントが、ぼくにとってはハードルの高い内容でした。1つは、ノンビブラートでの歌唱を目指すこと。もう1つは、魂を揺さぶる歌唱にチャレンジすることでした。ぼくは宮本さんの「冬の花」を知らなかったので、さっそく聴いてみました。


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カラオケ大会に出る人にありがちな、豊かな声量で正しく丁寧に歌うということよりも、ほとんど出会わない、魂を揺さぶられる歌唱に出会いたいというのが審査の先生の願いなのだと思いました。ぼくも多分にもれず、ビブラートを多用するタイプなので、ノンビブラートと言われても、それができるのかなと思いました。

以前、歌番組で野口五郎さんが「五木(ひろし)さんや森(進一)さんはほとんどビブラートを使わないので、ぼくは見習わないといけない」と話されていたのを思い出しましたが、ぼくの中で魂を揺さぶられる歌唱というと、森進一さんです。

とにかく試してみようと、昨日初めてDAM★ともで、「冬の花」を歌ってみました。宮本さんはご自身の感性で、髪をクシャクシャにしたりしながら、心の内省を表現されていると思いますので、これは素人が真似できることではありません。宮本流ではなく自分が思う「冬の花」を考えたときに、イメージしたのはツワブキの花でした。寒風に吹かれても、凛として咲く姿を保っている姿に準えて、沸々とした魂を静かに感じさせていけばいいのかなと考えました。作品のテイストは歌謡曲とのことだったので、難曲ではありましたけど、全く入りにくいことはありませんでした。ビブラートを出さないように試みても、1コーラスで10回未満がやっとなので、審査の先生が言われる基準は満たしていないんですけど、歌い方としてビブラートを使わなくても、口の開け方とか声の発し方でコントロールできることはすごく学べたところが大きかったです。ぼくはビブラートが綺麗とは言われることがありますけど、一方でビブラートを使いすぎて、歌の印象が消されてしまうという指摘を受けたこともあったので、効果的にビブラートを使う方法というのを探していましたから、真逆にあたるノンビブラートを試すというのはよかったなと思いました。魂を揺さぶられる歌唱というのもどだい無理なんですけど、最近亡くなられた八代亜紀さんがご自身の歌唱について、あまり感情はこめないで、聞いていただく方が感情を持つスペースを空けておくといった話をされたのを思い出しました。歌い手が魂を揺さぶりすぎても、聴き手はそこに入る余地がないし、逆に引いてしまうのではないかという考え方なのだと思います。ぼくも押し付けるような歌い方をしたいとは考えていないので、ぼくの歌唱そのものは聴く方にお任せした方がいいのかなと思っています。魂の歌唱なんてそもそもできませんし、目指すものというよりは、自分が思うナチュラルな立ち位置から発した歌のハートの灯火が、聴いている人にも伝播していく空間づくりなんだろうなとイメージしています。

2024年の計

あけましておめでとうございます。2024年もマイペースで一歩ずつ歌を楽しめる1年にしたいと思います。

2023年を振り返ると、カラオケ大会に参加して、入賞をしたこともあった一方で、当日の声の不調でうまく歌えなかったことも複数回あり、自分の歌としては成長しているものの、発声に無理をしていることがあるのかなと疑問がありました。

年末から、自分の歌とか声とか、他人からどう思われているのか、自分が思っていることとのギャップはどこにあるのか、知りたいと思っていました。Twitterを見ていたら、相互にフォローしているボイストレーナーの方が初回体験レッスンを募集していたので、申し込んでみました。

ぼくは歌について、先生のレッスンを受けたことがありません。今までに受けたことがあるのは、カラオケサークルの中での20分ボイトレ体験と、ミュージカルのボイストレーナーの体験レッスン45分だけです。体験レッスンであっても、先生から頂いた言葉は貴重でしたし、その後のぼくの歌にも活かせていますけど、先生の考え方に従って歌うのは本心ではないですし、自分の歌を決めていくのはぼく自身ですから、独学でいいのかなと思っています。

1月4日の夜、ぼくはボイストレーナーの方のサロンに伺いました。Twitterで拝見していたとおりの爽やかで優しい方でした。「先生のツイートは毎日拝見しています」というと、「ぼくもみてますよ」と言われました。ツイートは漠とした内容しか書いていないとのことでしたが、ぼくには日々貴重な情報なんです。

レッスンの内容は書けませんが、ぼく自身が知らないぼくのことをいくつも教えて頂けました。

ぼくは声域が限られていて、地声では高いファやソが苦しくて、ラは出ないので、低い音域で歌っています。これに対して先生からは「話し声を聞いていて、高い音は出ると思います」とのご指摘。実はミュージカルの先生にも同じことを言われました。次は「喉仏の位置が元々高いのかな」とのご指摘。これも以前に言われました。

ぼくは高いファやソを出すときに「顎が出てしまう」ことを話すと「本来はないことなんです」とのご指摘。

総じていうと、ぼくはどの音を出す時でも、無理して声を出しているようでした。決して声が出せないということではなくて、声の出し方が非効率という感じです。思いあたるふしはいくつもあったので、いくつかのご指摘を聞いて、納得が行くことが多々ありました。

レッスンの終わりに次回以降の案内を受けました。前回の先生の時も同じご指摘は受けましたが、「直すのは厳しいかも」と言われて終わりました。歌が今よりも歌いやすくなるなら試してみようとは思うものの、レッスンに通えるのか、仕事や生活との両立ができるのか、考えています。

帰り道は心がスッキリとした感じになりました。レッスンにそれほど期待をしていませんでしたが、受けてみてよかったと思いました。自分の歌を一歩進化させたいというのが、この年末年始の思いでした。そういえば、「一年の計は元旦にあり」ということわざがあったなあって思い出しました。これがぼくにとっての「2024年の計」なのかもしれません。