DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

影を逃がれて

「歌」と一括りに言っても、歌われる曲には様々なジャンルがあります。今回はその中で、ミュージカルについて書いてみようと思います。

ぼくはミュージカルの曲を歌ったことはありませんが、カラオケ大会に行くと、ミュージカルの曲を歌われている方がいらっしゃいます。ぼくが拝見した方は全員女性の方で、男性のミュージカルには出会ったことはまだありません。ミュージカルを練習している方の歌を聴いていると、ミュージカル向けの発声練習をやってきているのかなと感じます。ただ、難しいなと思うのは、ミュージカルのストーリーを少しは知っていないと、ぼくはミュージカルの曲の歌詞が頭に入ってきません。客席の方が全く知らない曲でも、心を動かすような歌にするには、歌唱技術とは違う歌の訴求力みたいなものが必要なんだろうと思います。

ぼくがミュージカルを見たことがあるのは1回だけです。それもニューヨークでしたが、ブロードウェイが近いホテルだったので、同行の人たちとミュージカルを見に行くことになりました。「スターライトエクスプレス」というミュージカルでしたが、英語ですから言葉はわかりませんでした。でも、ローラースケートを付けた役者さんたちがステージを縦横無尽に動き回り、ロックンロール・ミュージカルをベースにファンタジーな世界が描かれていました。ぼくが観劇した日の主役の俳優さんは代役と書かれていましたけど、透明感あふれる声で「STARLIGHT EXPRESS…」と歌われていた姿は今でも鮮明に記憶に残っていますし、アメリカの演者の層の厚さを感じました。

それ以外にはほとんどミュージカルに興味がなかったぼくが、最近ミュージカル向けのボイトレ教室の動画を見るようになってから、おもむろにミュージカルの関心が芽生えてきまして、最近知った曲が「影を逃がれて」という曲でした。

この作品は、「モーツァルト!」というミュージカルの1曲で、第1幕の最後と第2幕の最後に歌われます。元々はオーストリアのウィーン発のミュージカルなので、「影を逃がれて」の原題も、第1幕では「Wie Wird man seinen Schatten los?」、第2幕では「Finale」となっています。題名のとおり、ヴォルフガング・アマデウスモーツァルトWolfgang Amadeus Mozart)の生涯を描いた内容となっていますが、晩年のモーツァルトは音楽家としても恵まれた状況ではなかったようです。高給な仕事に恵まれず金銭的にも苦労して、起死回生で次々と曲を発表しても、コンサートは不入りが続いたそうで、そのあたりの苦悩を描いたのが「影を逃がれて」なのではないかと感じました。

日本人による「モーツァルト!」の公演は2002年の初演から断続的に上演される人気の演目です。主役のヴォルフガングを演じてきたのは、中川晃教さん、井上芳雄さん、山崎育三郎さん、古川雄大さんという、日本のミュージカルを牽引している役者さんたちです。彼らは演じて歌うにあたっての悩みはあるようで、山崎さんは前任の中川さんが演じたヴォルフガングと比べられ、自分がどう演じたらいいのか悩んだそうですし、古川さんは自分に歌えるのか悩みながら練習を重ねたそうです。

彼らの「影を逃がれて」を聴いて、ぼくは初めてミュージカルの曲に心を動かされましたし、自分もこの曲を歌ってみたいと思いました。残念ながらDAM★ともにはなくて、JOYSOUNDうたスキ動画であれば歌うことができます。


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独学とボイトレ

カラオケ大会に出ていると、先生に習ってボイストレーニングを受けている参加者の方が多いです。ボイストレーニング和製英語(voice +training)ですが「声楽家・俳優など、発声が重要なポイントになる職業の人が行う声のトレーニング方法」のことで、発声練習ともよばれます。略語が「ボイトレ」です。ボイトレを行う人をボイストレーナーといいます。

ぼくは特に先生に歌を習ったことはなくて、ボイトレを受けたことは、歌サークルの会で無料ボイトレ体験を受けた以外は、全くありません。独学というと聞こえはいいですが、ちゃんと勉強していません。人前で歌う機会があると、たまに「ボイトレ習ってますか」と聞かれることがあり、「ボイトレはやってません」と答えると大抵驚かれてしまいます。

習い事をするには通える時間とお金が必要だと思います。ぼくの場合は仕事が忙しくて、決まった時間とかいわゆる営業時間に通える見通しがなかなか立ちません。お金も入会金や月謝とか一定にかかると思いますけど、金銭的な余裕がありません。

でも、時間やお金よりも高い壁になっているのは、自分自身の心の覚悟が定まってないからです。ぼくは性格的に1対1で教えを請うというのが苦手というか、あまり好きではありません。何かアドバイスを受けたとしても、あまり聴く気がないから、その場では話をしっかり聞いていたとしても、数日経つと忘れてしまいます。それと、自分は何をしたいから、先生に習おうと思うのか、目的がはっきりとしていません。「歌が上手くなりたいから」も目的なんですけど、「どこをどんな風に上手くしたいのか」っていうのがもっと具体的に先生に伝えられないと、教える先生もどこから手を付けたらいいのかわからないと思います。

ぼくが1回受けた無料ボイトレ体験では、発声が課題と言われました。先生からは「歌詞読み」をするように、歌い方も違和感なく歌い通すことを20分位練習させて貰って、その後に別の曲を歌ってみたら歌にも変化があったらしく、参加者の方からも「効果ありましたね」と言われました。

ただ、その指導された声は自分の声なのかしっくりいきませんでした。そのかすかな疑問はカラオケ大会で他の参加者の方の歌を聴いている時にも感じることがありました。訓練を受けた声は確かにミスも違和感もありません。でも「上手い」「完璧」という以上に、歌として心に響いてこないんです。

ボイストレーナーの先生はある課題曲を題材にして、発声とか歌い方についてレッスンをしてくれるけど、生徒はレッスンを受けた通りに歌うだけが答えではないと思いますし、レッスンで受けたことを自分のスタイルに昇華していくのが、やるべきことなんじゃないかなと思いますし、そういう心の覚悟も必要かなと思います。

ぼくはもともと歌うことが好きだから、カラオケに月数回行っていたのが、カラオケ大会に出るようになってから変わったことというと、カラオケに行く回数が何倍も増えたことと、1曲の歌い方を細かく確認するようになったことくらいです。

そんな独学でやっていたぼくが最近、「ボイトレに行ってみようかな」と思うようになりました。ある曲を歌っていたら最高音が上手く出なくて、綺麗に出せるように歌いたい。ただそれだけなんですけど、行ったことがきっかけで何か変われるんじゃないかなって気がしました。もう少し考えが固まったら、門を叩いてみようと思います。

陽はまた昇る

ぼくがカラオケでも歌うことが多かった歌手の1人である中澤卓也さん。その中澤さんが2022年9月28日に新曲のシングル「陽はまた昇る」を発売されました。

作詞は中澤卓也さん、作曲は菊池真義さんと幡宮航太さん、編曲は幡宮航太さんと菊池真義さんです。菊池さんはギタリストの方で、幡宮さんはキーボーディストとコンポーザーの方で、多くのアーティストのコンサートに参加されていて、中澤さんのコンサートにも参加されています。カップリング曲の「しあわせの在り処」も作詞が中澤さん、作曲と編曲が菊池さんと幡宮さんで作られました。

中澤さんは2017年に「青いダイヤモンド」でデビューしてから、着実に歌手としても知られるようになりました。ぼくは中澤さんの曲もいいと思ったし、中澤さんの歌い方も好きでしたから、新曲が出るたびにDAM★ともで歌って、ささやかですけど応援させて頂きました。2021年に発売された「約束」は、やっと演歌だけにこだわらない、いい曲ができたと嬉しかったし、ぼくもカラオケ大会で歌わせてもらって、賞も頂くことができました。「約束」は最近のカラオケ大会でも選曲が多い曲の1つになっています。

それだけに、「約束」をきっかけに飛躍できると信じていた2021年、歌ではない自身の女性との交際をめぐる裁判沙汰で、「人生、歌がある」のサブ司会を突如降板し、日本クラウンとの契約も終了したのは、非常に残念でした。噂が出始めた当時の初動対応が違っていたら、こういう事態は防げていたのかもと感じました。

そして、そんなスキャンダルの渦中でも笑顔で支えてくれていたマネージャーの江畑さんも2022年2月にSNSの更新を停止して事務所を退社されていました。その後の中澤さんのブログやSNSでの書き方が余りに違うので、逆に中澤さんの情報発信を江畑さんが支えていたことも改めて実感しました。

中澤さんのTwitterはその後も読んでいましたけど、今後も歌手を続ける意欲があるのかなと疑問に思うこともありました。ぼくもいつしかカラオケの時間の中で中澤さんの曲を歌うことはほとんどなくなっていました。

そういう気持ちの中で初めて聴いた「陽はまた昇る」は、もやもやしていた中澤さんへの思いを払拭できる、とてもいい曲だと思いました。インディーズレーベルでの再出発にたどり着いたのはよくやったと思います。手放しで喜ぶファンの方々の気持ちとは違っていて、お涙頂戴的に売ろうとしてはいないかという疑いの気持ちもまだまだありますし、こういう中でも応援してくれる人たちを裏切るようなことは今後もして欲しくないと思っています。

ぼくもDAM★ともで「陽はまた昇る」を歌ってみました。歌ってみると、聴いたときとは違う、作品へのこだわりみたいな雰囲気が伝わってきました。録音や動画はできない設定なので、歌って応援していこうと思います。


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こちらはぼくのツイートです。少しだけ録音してみました。

 

燦燦

歌仲間の方々と一緒にカラオケで楽しんでいると、「この曲歌えますか」って聞かれますけど、歌える曲の方が少なくて、「その曲は知らないです」とお断りすることが多いです。ぼくもこのブログで300曲ぐらいは書いていると思いますけど、楽曲の数は無限ですから。

先日も歌仲間さんから「三浦大知の「燦燦」歌えますか」と聞かれ、「知らないです」と答えたら、「いい曲なんです。日向くんも歌ってるんですよ」と返されました。

日向くんとは、後藤日向くんという9才の男の子のことなんですけど、川崎駅前で路上ライブもやっています。ある日の休日、ぼくが都内のカラオケで歌の練習をしていたら、日向くんのTwitterで、15時から路上ライブをやるとのツイート。そうだ、「燦燦」も歌うかもしれないと思って、練習を切り上げて日向くんの路上ライブを見に行きました。

川崎駅前って、本当に多くの方が路上ライブをやっていました。日向くんのお父さんが「度胸を付けさせるためにやってます」と話してくれました。3年前には恥ずかしそうに歌っていた彼が、歌唱力も雰囲気も急成長しているのを肌身で感じました。もちろん度胸も一般の9才よりはあると思いました。ぼくは路上で歌えと言われても、歌えるかちょっとわかりません。

日向くんは「燦燦」も歌ってくれました。三浦大知さんや藤井風さんが好きなんだそうです。彼のような子供にも響く歌声って、どんな楽曲なのかなと思って、三浦大知さんの「燦燦」を聴いてみました。三浦大知さんは踊りながら歌うイメージがあったので、踊らずに歌一本で勝負しているのが意外でした。そして、その歌唱力のレベルの群を抜く高さに驚きました。

ぼくもですけど、カラオケ大会に出る人たちは優勝を目指して競いますから、気合や気負いが歌の中に入ってしまう方が多いですし、アピールするあまり、「私の歌を聴いて」みたいな押し付け感もあったりします。三浦さんの歌唱にはそういう邪念が一切感じられません。自然体で歌を奏でる感じで、優しさも強さも無理なく表現しているのは、プロの歌手でも滅多にいないと思いました。

スケールの大きい素晴らしい楽曲ですけど、三浦大知さんはあまりに高すぎる目標。それでも相性はいい方の楽曲かなと思って、「燦燦」を練習することにしました。最初はメロディーの展開が頭に入らなくて、1番と2番以降はキーも違っていることもわからず悪戦苦闘しました。三浦さんの動画を何十回も聴いて、三浦さんが亡きおばあさんのことを思い歌詞を書いたエピソードも知り、歌の輪郭が見えてきたら、点数も急に95点を超えられるようになりました。自分に合うキーも固まってませんし、表現の強弱もコントロールできていませんけど、もし「燦燦」をイメージどおりに歌えたら、自分の歌も急成長できるだろうなと思ってます。

 


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大知さんの色々なバージョンの「燦燦」を聴きましたけど、本当にどの歌も素晴らしくて、皆さんにも見て欲しいと思います。

一方、こちらはぼくの歌です。まだまだですけど、少しでも大知さんに近づきたいです。

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第4回音ノ市カラオケコンサート

9月17日、ぼくは、神奈川県の海老名市民会館大ホールで行われた、第4回音ノ市カラオケコンサートに行って、歌ってきました。

前回2月20日に行われた第3回音ノ市カラオケコンサートに参加したときの印象が良かったので、今回も参加しようと思いました。

この大会はCクラス歌唱の部(審査員の審査なし)、Bクラスベテランの部(審査員の審査あり)、Aクラススペシャルの部(審査員の審査あり、事前音源審査あり)とあり、ぼくは前回と同じく、Aクラスで参加することにしました。

6月上旬に香川県高松市でのカラオケ大会に参加した後、事前音源審査で何を歌おうかと考えたときに、チャレンジしてみようと思った曲が、シキドロップの「名付け合う旅路」という曲でした。まだ世の中にはそれほど知られていない男性ユニットの、知られていない楽曲ですけど、ぼくはボーカルの宇野悠人さんの歌声とか、作詞と作曲をされているピアノの平牧仁さんが作り出す歌の世界が好きになりました。カラオケ大会でこういう楽曲を選んだら、審査員の先生はどういう評価をするのだろうか。半信半疑のまま、歌った音源を提出してみました。

数日後、審査結果が来て、Aクラスでの出場を認められました。審査員の方からのコメントは「このグループも楽曲も初めて知りました。前回よりも落ち着いて説得力があり、高評価です」と、意外にもプラスな評価でした。そして、「上から下へ音を減衰させながらビブラートもかけられると尚綺麗です」と課題もしっかりと頂きました。

ぼくは宇野さんみたいな高音域は声が出ないので、原曲より3つキーを下げて歌っています。大会までの間、人前で歌う機会があるときは「名付け合う旅路」を歌ってみましたが、周りの反応がほとんどありませんでした。無名なグループの無名な曲ということもあるかもしれませんけど、ぼくの歌い方がいけないのかなと思い、悶々と考える日々が続きました。

その途中に飛び込んできた、シキドロップの活動一時休止のお知らせ。充電してそれぞれの活動をされるようでした。でも、このまま消えて欲しくはない作品の数々。彼らがいま活動をしない時期、ぼくは彼らの作品を自分の歌で届けようと強く思いました。

さて、大会当日。朝の眠気を消して、声出しをするために、海老名駅で降りてカラオケ店に直行しましたが、1軒目のまねきねこは予約のお客さんで空室がなくて、2軒目のビッグエコーで部屋に無事入れて、1時間歌えました。ステージで歌う用のスーツ姿で駅前を歩き回ったので、すでに汗ダクダクだったので、汗も取って落ち着きました。

今回は出場者が前回の70名程度から大幅増の115名。Aクラスの歌唱は17:00頃からなので、10:30頃受付してから、自分の歌う順番81番まで約7時間待つことになります。カラオケ大会でこれだけ待つのは初めての経験で、集中力を切らさないように時間の過ごし方を考えました。11:20からは大会が始まって、Cクラスの歌唱やBクラスの歌唱も客席で見ながら、音響の返しとか客席の反応とか見たりしていました。ホールのロビーで、知っている方と久しぶりにお会いして話すことができるのも、リアル大会ならではの楽しみです。軽く食事を済ませてから、ホールの外で声出ししたり、歌う音源の確認をイヤホンで何度も聴いたり、もちろんホールのステージでの歌唱の雰囲気も確認したりしていると、次第に自分の出番が近づいてきました。

男性の楽屋に入って、集中力を欠いた気分を立て直そうと、本番さながらの試し歌いを何回かしました。順番を待っている方々と歌の話をしていたら、選曲とか歌上手いだろうなって思える方々ばかりで、心に不安が募りました。でも人は人、自分は自分。割り切ってステージの舞台袖に向かいました。

ステージでぼくの前に歌われていた人は、情感がこもっていて、もちろん歌も上手い方ばかり。ぼくに今何ができるだろうって自問自答したとき、ぼくしか歌わないシキドロップさんの「名付け合う旅路」の歌の世界観を、ぼくの歌で一生懸命伝えよう。シキドロップさんの代わりに伝えようというのが自分の答えでした。

そしてぼくの番。ステージに向かい、立つ場所を確認して、煌々と照らされるスポットライトに向き合いながら、歌の主人公になったつもりで歌いました。ちょっと感情を入れすぎかなと思いながらもその線で押し通しました。音響の話も聞いていたので、通常よりも声を大きめにして歌いました。

歌い終わって、客席に戻るまでの間に「凄く良かった」とか「感動を貰った」とか「声が良く通っていた」とか、いろいろな方から次々と声をかけてもらえたのが凄く嬉しかったです。でも、審査をする審査員の皆さんにはどう見てもらえたのか。参加している方が本当に上手い方しかいなかったので、皆さんの歌を素晴らしいと思う反面、客席で座っているぼくの気持ちは「入賞は無理なのかな」と不安でしかなかったです。それでも、ステージの後方に並んでいたトロフィーや盾を見て、絶対に何かを貰って帰りたいという気持ちは持っていました。

全員の歌唱が終わって、表彰式になりました。どの賞でもいいから呼んで欲しい!という願いが通じて、最優秀歌唱賞(4位)を頂くことができました。前回と同じ最優秀歌唱賞。でも今回は上手い人が結集したなかで、ぼくが貰ってもいいのか、ステージに向かう気持ちも恐れ多いものがありましたけど、ステージに立って、何かホッとした気持ちになりました。表彰を受けるとき、審査員の先生から「前回よりも良かった!」と言われて、信じていいんだという気持ちになれました。

賞を頂けたのは物凄く嬉しかったです。それよりも、日頃歌ってた時はほぼ反応ももらえてなかった、シキドロップの「名付け合う旅路」という楽曲に、多くの方からお褒めの言葉とか、歌の世界がわかって貰えたことが、自分の歌で伝えられたということがもっと嬉しかったです。

祈り

以前にこのブログで、「初めての作曲」について書いたことがありました。作詞家の先生が作られた歌詞に、曲を付けて応募するというラジオ番組で企画したコンテストをTwitterで見たのがきっかけで、ぼくも曲を作ってみようかなと始めました。楽器は持っておらず、iPadに搭載されているGarageBandのピアノの演奏も付けようと試みましたが、あまりに拙い演奏だったので、アカペラだけをCDに録音してラジオ番組あて郵送しました。

その後、何の音沙汰もなかったので、ぼくのCDはゴミ箱行きだったんだろうなって思っていたら、9月2日に突然作詞家の先生からDMを頂き、9月4日の放送でオンエアするので是非聴いてくださいとのご連絡でした。

そのラジオ番組は、ラジオ関西で毎週日曜日の21:00〜21:30に放送されている「横井秀仁のS axyラジオ」という番組でした。ぼくは東京にいるので、「radiko」というアプリでオンエアを聴くことにしました。「radiko」はインターネットを使って全国のラジオ放送が聴けるというもので、ぼくのように東京にいて関西のラジオを聴く場合はプレミアム会員登録が必要でした。

radiko」で聴く音声も明瞭で、9月4日の21時のオンエアの時間になりました。パーソナリティは作詞家の横井秀仁先生とケーちゃんのお二人。夏の暑さについてお二人の軽妙なお話かあった後、最初のコーナーは、作詞家の作詞についての考察ということで、なかにし礼さんと阿久悠さんを比較する形で取り上げられていました。この日はなかにしさんの話がメインで、石川さゆりさんの「風の盆恋歌」が1コーラスオンエアされました。そして、次のコーナーでいよいよぼくの曲がオンエアされました。ケーちゃんが「私がぜひともかけて欲しいって、横井さんにお願いしたんですよね」と言ってくださり、ぼくはこの一言を聴いただけですごく嬉しかったです。

ぼくが横井先生の歌詞の中から選んだのは「祈り」という歌詞でした。

「今 手を合して 祈りを捧げる 胸の中で 叫び 祈る 窓に届かぬ 光りそれにさえ 祈りを捧げ 奇跡を願いつづける どうぞ あの人を 無事に返して どうぞ この腕の中に 返して 私の願いは あなたの側で 生きる事 私の命は あなたが 生きて いればこそ 神様 もしも あの人が帰らないなら 私を 連れていって あの人の 元へ」

実はこの歌詞もなんですけど、このラジオ番組の最後のコーナー「神戸からのラブソング〜優太と陽菜の18才と17才の頃〜」で朗読された歌詞ということで、10代のラブストーリーがテーマだったらしいんです。

ラジオ番組も聴いたことがなかったぼくは、「祈り」という歌詞をよんで咄嗟に脳裏をよぎったのは、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災と、テレビでも現地でも目の当たりにした神戸の街でした。ぼくがメロディーを作ったときに想定した歌の主人公も20代の恋人同士が死別してしまったというストーリーで作りました。だから、別れの悲しみとか愛する気持ちを描こうとして壮大な感じになってしまいました。ぼくもそういうテーマで、歌詞にこういうメロディーを付けたという感じで、感情も入れて歌いました。オンエアしてくださった後での横井先生の感想が「重厚感あるなあ。絶対10代じゃないわ(笑)」と一言。

横井先生がぼくに伝えてくださったコメントの中で「採用合格というわけではないが、歌唱力等高評価でした」「これからも曲を書き続けて、歌い続けてください」「あなたの歌唱力は素晴らしいというのがスタッフ一同の感想です」という言葉が何より嬉しかったです。今はアカペラだけの曲に、今度はピアノの演奏とか肉付けをして、ライブがあったら歌える一曲にしたいと思います。

 

RAIN

ぼくが最近よく聴いているアーティストのSEKAI NO OWARI。たまたま4月の終わりに「眠り姫」を聴いたのがきっかけで、彼らセカオワの曲を聴くようになりました。その後すぐに発売された「Habit」はMVも面白くて、歌詞も少し毒が入っていて好きですし、曲も歌うのが面白いメロディーで、すっかりセカオワの沼にはまっていきました。

それで彼らの曲を聴くようになって気づいたのは、ファンタジーの世界を描いている作品も多い一方で、主人公の深層心理を描いている作品も多いことでした。YouTubeで彼らの作品を見ているとライブ映像が割とあって、深瀬さんの歌声そのものがファンタジーも深層心理も描ける声質を持ってるんだなと感心しました。存在感のある声って持ちたいなって思います。

ぼくもセカオワの他の曲も歌ってみたいと思って、最近練習しているのが「RAIN」という曲です。この作品は2017年7月5日に彼らのシングルとして発売されました。作詞はFukaseさんとSaoriさん、作曲はNakajinさんとFukaseさんとSaoriさん、編曲はSEKAI NO OWARI小林武史さん、ストリングスアレンジは小林武史さんと四家卯大さんです。映画「メアリと魔女の花」の主題歌に起用されたこともあり、共同して作詞も作曲も編曲も制作されたようです。オリコンでは週間2位となり、2017年の日本レコード大賞優秀作品賞を受賞し、同年に出場したNHK紅白歌合戦でも「RAIN」を歌唱しました。

深瀬さんは「RAIN」の歌詞について、「比喩で使うネガティブな雨のイメージじゃなく、心に長く降っていた雨は本当に悪いことなのかということに焦点を当てて、メアリの中に降っていた雨が作り上げてきたものは何なのかを考えて書いた」とコメントされています。

ぼくがDAM★ともでこの曲を歌っていて、「虹はいずれ消えるけど雨は 草木を育てていくんだ」あたりがそうなのかなと思います。ぼくは雨そのものにネガティブなイメージはなくて、大雨とかゲリラ豪雨とか勿論いやですけど、猛暑の日が続く中でやっと降ってくれた雨は「恵みの雨」だと思いますし、「雨降って地固まる」という諺も割と好きな言葉です。

ぼくは「RAIN」を歌っていて好きなのはBメロのところで、「幸せなような 涙が出そうな この気持ちはなんて言うんだろう」という歌詞で主人公の気持ちになりきれる感じがしています。

先日、人前で「RAIN」を歌ったときに、間違って「本人歌唱」が入ったバージョンをDAMで選んでしまったんです。歌ってたら「どっちが深瀬くんかわからない」と言われて、「やった!」と心の中でガッツポーズをしながら、気持ちよく歌えました。


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