DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

土曜の夜は羽田に来るの

ぼくが参加しようと思っているオンラインカラオケ大会の主催者から出されたテーマの1つが、「おしゃれでかっこいい曲」でした。主催者の方がシティ・ポップを例に出されたこともあって、ぼくもおしゃれでかっこいい曲やアーティストを次々と思い浮かべていきましたが、その中でも脳裏に思い浮かんだのはハイ・ファイ・セットでした。

ハイ・ファイ・セット山本潤子さん、山本俊彦さん、大川茂さんの3人からなるコーラスグループで、1974年に結成され1994年に解散されました。1977年に「フィーリング」が大ヒットして、同年のNHK紅白歌合戦に初出場しました。このステージでも山本潤子さんは華麗なドレス、山本俊彦さんと大川さんもスーツ姿で歌唱しましたが、当時のフォークやニューミュージックの歌手が普段着のような服装で歌っていた中では、異彩を放っていました。彼らも自らのファッションには気を配る発言をしていて、まさに「おしゃれでかっこいい」音楽をポリシーにしていました。

ぼく自身はハイ・ファイ・セットを子供の頃にテレビやラジオで見たり聞いたりしていましたが、その後大人になってから、中古のCDショップでハイ・ファイ・セットのアルバムを見つけて、買って聴き始めて、音楽的なかっこよさを認識しました、そのアルバムで好きな曲が「土曜の夜は羽田に来るの」という曲でした。

この作品は彼らの4枚目のシングルとして1975年11月5日に発売された「スカイレストラン」のカップリング曲として収録されました。作詞は荒井由実(現在の松任谷由実)さん、作曲は村井邦彦さん、編曲は松任谷正隆さんです。ハイ・ファイ・セット荒井由実さんが作った「卒業写真」でデビューしたこともあり、同じ曲をお互いに歌うことが多い親和的な関係でした。どちらも都会の洗練された感覚をテーマにしているのは共通してますけど、似て非なるところがあって、ハイ・ファイ・セットはコーラスを生かしてスケールの大きさを歌の世界に感じました。

「土曜の夜は羽田に来るの」は、主人公の女性が、空へ旅立ったまま帰らない男性のことを思って、土曜の夜は羽田空港に行って思いを馳せるという歌なんですけど、言葉の少ない歌詞からも羽田空港の展望台から見る景色が、ぼくには感じられました。ぼくも飛行機に乗る用事がなくても、空港の展望台とかラウンジから飛行機の離発着を見たことがあって、別に彼女を思うことはありませんけど、出発とか旅立ちとかを感じさせてくれる好きな場所です。今の羽田空港の展望台は、飛行機が好きな子供たちや家族の姿が多いですけど、きっとこの群衆の中にも、歌詞に出てくる女性とか、あるいは逆の立場の男性とかきっといるんだろうなって思ってます。

それで、ぼくは「土曜の夜は羽田に来るの」をDAM★ともでもよく歌っていたので、今度のオンラインカラオケ大会でもこの曲を歌おうと思って、練習をしています。女性がリードボーカルを務めるコーラスの作品を、男がソロでどうやって歌おうかなって考えてますけど、山本さんの透明感のある声のイメージは崩さない感じで、いつもDAM★ともでは原曲キー+4で歌いますけど、もう1個上げて原曲キー+5で歌おうと思っています。

この曲は今から46年前の作品ですけど、色褪せない、今にはないかっこよさやおしゃれ感が備わっていると思います。最近の社会情勢もあると思いますけど、最近の曲って、心の内面をえぐりすぎというか、絆とか、傷ついた心を癒すとか、優しくありたいとか、音楽のテーマとしてはやや偏ってる気がしています。こういう時代の音楽を聴いてもらって、また新たな音楽を作っていくヒントにしてもらいたいなと思います。


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真夜中のドア

カラオケ大会の選曲は出場者が歌いたい曲を決める場合が多いですが、中には主催者が課題曲や課題テーマを決めて、出場者を募集する場合もあります。

一昨日募集の告知があったオンラインのカラオケ大会は課題テーマが2つ設定されて、その1つが「おしゃれでかっこいい曲」というものでした。「シティポップスでもジャズでもアップテンポでもおしゃれでかっこいいと思う曲なら」と言われた主催者の方が「ぼくのイメージは」と挙げた曲が、松原みきさんの「真夜中のドア〜Stay With Me」という曲でした。

1979年11月5日に松原さんは「真夜中のドア」でシングルデビューをしました。作詞は三浦徳子さん、作曲は林哲司さんです。三浦さんは八神純子さんの「みずいろの雨」や岩崎宏美さんの「万華鏡」がヒットし、その後は松田聖子さんや田原俊彦さんの作品などアイドルへの作品提供が多い印象があります。林さんは竹内まりやさんの「September」がヒットし、その後は杉山清貴さんの作品を多く手がけた印象があります。

松原さんはお母さんがジャズ歌手だったこともあり、小さい頃からジャズやピアノに親しみ、高校ではロックバンドのボーカルを務め、歌手デビューを目指して単身状況した頃は、米軍キャンプでの演奏や、六本木のジャズスポットで飛び入り演奏して、世良譲さんに絶賛されたこともあったそうです。

松原さんは当時でいうとニューミュージック系の歌手という立ち位置だったと思いますが、1980年の新人賞レースにも参加されていたと思います。田原俊彦さん、松田聖子さんなどハイレベルな賞争いの中でも、時折新人賞を受賞されていた記憶があります。

シティポップスというと、1970年代から1980年代にかけて流行した音楽で、フォークの薄暗いイメージとは一線を画した、都会の洗練されたかっこよさを追求するニューミュージックという感じでした。その源流を作ったのは大滝詠一さんや松本隆さんのはっぴいえんど山下達郎さん、松任谷由実さん、竹内まりやさん、南佳孝さんあたりだと思います。

松原さんの歌を聴いた時、竹内まりやさんの流れなのかなと思いました。当時オリコンでは28位ということで、大ヒットまではいきませんでしたが、「真夜中のドア」はその後のシティポップスの類型を作ったのかなと思います。

ぼくは松原さんの他の曲では「あいつのブラウンシューズ」とか「ニートな午後3時」の印象が強くて、エッジの効いたかっこいい歌を歌う人だなと思っていましたが、1990年以降は歌手活動を休止し、作曲活動に専念されていましたが、2004年に44才の若さで亡くなられてしまいました。

そして、「真夜中のドア」の曲名をここ数年耳にすることが多くて、それがリアルに松原さんの歌を聴いていない若い世代からなのでなんでかなあと思っていました。ここ数年間、日本のシティポップスが海外で注目されていて、その動きの中で、インドネシアの歌手でYouTuberもされているレイニッチ(Rainych)さんが「真夜中のドア」をカバーで歌ったのがきっかけで、Spotifyグローバルバイラルチャートで1位を獲得し、2021年3月には「真夜中のドア」の復刻版が発売されるに至りました。

今よりもむしろ多種多様な音楽が賑わっていた1970年代から1990年代。この時代の音楽をまた聴いて再評価する動きがあるのはとても嬉しいことで、それをきっかけに今の音楽がもっと多様性を広げてくれたらもっといいなと思います。

 


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歌の価値

プロ野球北海道日本ハムファイターズの監督に就任した新庄剛志さん。新庄さんはTwitterプロ野球についてもツイートを発信されていますが、ぼくの心に刺さるものが多いなあと感じています。

例えば、10月29日の新庄さんのツイートは、「プロ野球の存在意義は そこの街に住む人達の暮らしが少しだけ彩られたり、 単調な生活を少しだけ豊かにする事に他なりません その裏側に誰を笑顔にするのかを常に心に秘めて 新庄剛志らしく突き進んで生きます!」とありました。

ぼくはこのツイートを読んで、プロ野球って、野球が上手いってことだけじゃなくて、エンターテイメントも大事だと言いたいんだと思いました。野球を見て笑顔になれることが目指すものなんですよね。

このツイートの意味って、歌にも通じてると思いました。プロの歌手も歌が上手いってことだけじゃなくて、そのベースにはエンターテイメントが必要なんだと思います。歌を聴いて、その人の心に彩りを与えたり、心に余裕が生まれたり、笑顔になったり、泣いてくれたり、感じてくれたりしたら、嬉しいなって思います。

11月13日にぼくは久しぶりに、リアルのカラオケ大会に行ってきました。音源審査を通った139組は皆さん歌の上手い方ばかりでした。その中で更に歌の上手い方を選ぶので、熾烈な争いがあります。この大会は1人1コーラスなので約2分、まるで流れ作業のように次々と出場者が歌っていきます。そして、その1人が歌っている間に審査員の先生が寸評を書いていく感じです。

ぼくも最初は客席で出場者の方を聴いていますが、次第に疲れてきて、歌を聴くモチベーションが低下してきます。ぼくは1コーラスの大会ってあまり好きではありません。作品って最初から最後までを通じてのものですから、1番だけ歌ってもその作品の良さがわからないことってあります。その1コーラスを流れ作業のように聴かされていると、歌の大会なのに、歌が大事にされているのかなと疑問が湧いてきます。

とはいえ、その2分間で自分のパフォーマンスを示すことも一方では大事だと思います。そこでまた、新庄さんの言葉の中に、「努力は一生。本番は一回。チャンスは一瞬」という名言がありました。プロ野球選手はいつスタメンに呼ばれてもいいように、日頃から努力を怠らないということですが、この言葉も、やっぱり歌に通じると思いました。

例えば、一昨日の大会のように、いくら歌の上手い人が次々と歌う状況で聴く側が飽きているような状況の中でも、キラリと魅力のある歌を披露しようと思ったら、聴く人の頭を切り替えるような、心にスッと入っていく歌を歌わないといけないと思います。それは出場者が上手さを見せつけたりするものではなくて、歌を通じて、聴く人の心の底から湧き上がる感情を起こさせないといけないと思います。だからその歌に音程やリズムでの違和感を感じさせてはダメで、歌は一体としての歌になっていないと、聴く人には受けとめられないと思います。

こんな偉そうなことをかいているぼくは、同じ曲を10回歌っても、同じような音程やリズムでは微妙に歌えてなくて、安定感を保てていないのが悩ましいところですが、一昨日の大会では、ぼくよりすごく歌が上手いという人たちでも、一瞬のフレーズでおやっという違和感を感じた人たちは入賞を逃していました。ここも決して、入賞したからすべてがいい歌だとは思いませんけど、歌のコントロールの難しさを感じました。それと同時に、歌の価値や魅力を生み出すものは、いかに作品としての魅力とか美しさを出せるかということで、そのためには基礎的な努力が必要なんだと思います。

Maria

カラオケで歌う曲の選曲って、その人の個性や考えが出ていると思います。例えば、ぼくの場合、いま多くの人が歌っている曲はあまり選ばないです。DAM★ともでも、多くの人が同じ曲を投稿している中で、ぼくの投稿を聴いてもらえる気がしないこともあります。

どちらかというと、あまり知られてなさそうな曲とか、今は歌っている人が少なそうな曲で、いい曲だなとか、歌ってみようかなとか思ったら、歌い始める感じです。そういう曲の1曲が青柳翔さんの「Maria」という曲です。

青柳さんは劇団EXILEに所属する俳優の方で、2006年の「EXILE VOCAL BATTLE AUDITION」のオーディションに参加したのが芸能界に入るきっかけでした。オーディションは途中で落選したものの、俳優としての素質を見いだされ、2009年に舞台「あたっくNo.1」で俳優デビューしました。

2015年に放送されたドラマ「HIGH&LOW」はEXILEのHIROさんがLDH所属の多くのタレントに対して、俳優としても歌手としても頑張る彼らに光を当てたい思いで始めたプロジェクトで、2016年6月15日に「HIGH&LOW ORIGINAL BEST ALBUM」を発売しました。この時、HIROさんが青柳さんに「歌ってみないか」と声をかけ、このアルバムに収録された1曲が「Maria」で、青柳さんの歌手デビュー曲となりました。

この作品の作詞・作曲を手掛けたEXILEのATSUSHIさんは、青柳さんが演じた九十九という両親のいない孤独な男のテーマ曲ということで、「人間の母性の拠り所として「Maria」という言葉を使い、やり場のない気持ちや、悲しみ、刹那を「Maria」への叫びとして制作してみました。彼の役どころである刹那を秘めた男の悲しみと、青柳自身の持っている人間性や素晴らしさが、うまく混ざり合って、みなさんに伝われば良いなと思っています」とコメントされていました。

そして、ATSUSHIさんは、青柳さんが歌が上手なことは2006年のオーディションから知っていたし、カラオケを歌ってくれたりして、素敵な声を持っているなと感じていたので、まだ歌手になる夢を持っているのなら、いつかどこかで協力したいなと思っていて、自分の作った曲を青柳さんに歌ってもらったこともあったそうです。

「Maria」は6分近いバラードの曲で、同じようなメロディーが何度も繰り返されるので、ぼくのイメージとしては、気持ちの揺れ動きとか葛藤さを、都会の夜の街を歩きながら、夜空を見上げて、何かを願うような主人公の気持ちが出せたらいいなと思いながら、練習しています。

青柳さんのプロフィールを書いていて、ぼくも思ったのは、どこにチャンスがあって道が開けるのかわからないんだなってことです。ぼくも今までどちらかというと敬遠していたカラオケ大会にいくつか出てみたら、予想以上に高い評価を頂いて、入賞を頂きました。いろいろな方に聴いてもらうことはチャンスを生むことを実感したと同時に、今まで自分に歯止めをかけていた気持ちも悪かったとか否定はできないです。それと、ATSUSHIさんが言われている、演じていることと本人の人間性がうまく混ざりあうことって、何で自分は多くの中からこの曲を選んで歌いたいのかなってことと繋がっていると思いました。自分が共感した気持ちがあって、それを外に吐き出したい気持ちがあるわけで、そういう心情を恥ずかしがらずに勇気を出して、人前で歌えたらいいなと思います。


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ステージ衣装

ぼくがカラオケ大会に出る時に、何を着て歌ったらいいのかは、選曲を決める以上に悩ましいことです。カラオケ大会の中には、出場者の方のほとんどが派手なステージ衣装を着ている大会もあるそうですが、ぼくが出たことがある大会では、普段着っぽい私服か、男性はカジュアルなスーツかブレザー、女性はシンプルなドレスという感じです。

ぼくはファッションには無頓着なタイプで、かっこいい私服って持ってません。ステージに立つこともあって、仕事のスーツ姿で、シャツだけYシャツをカジュアルに変えて、最初の頃は出ていました。スーツで出場される方は他にもいらっしゃったので、違和感はそれほどなかったんですが、仕事の服装を休日も着るのはちょっとなあという気持ちがあったので、カラオケ大会用の服を買おうと思いました。

カラオケ大会用の服といっても、ギラギラしたような目立つだけのファッションは嫌だったので、どちらかというと地味でも、シックなカッコ良さがある方がいいなと思いました。でも、服に出せる予算はそれほどない。そういう中で見つけたのが、GUで当時売っていたテーパードトラウザーのジャケットとパンツでした。

ジャケットとパンツを両方買っても1万円かかりませんでしたし、ビジネスシーンでも使えるコーディネートがいいなと思いました。ぼくが歌う曲もそんなに派手な曲はなかったので、歌との違和感もないだろうと思いました。

あとはカジュアルなシャツを何枚か買って、ローテーションで使い回してみました。結果としては予想どおり、カラオケ大会で着ても違和感がなくてよかったことと、出る前に悩まなくなってよかったという効果がありました。

こうして3年ぐらい経ったいま、カラオケ大会に出る服がこの1着しかなかったので、さすがに2着目を買いたいと思いました。

それで、もし買うなら、こういう服が欲しいと沸沸と思っていました。

 


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上の動画で竹島宏さんが着ているロングジャケットみたいな上着がかっこいいなあと思いました。竹島さんだけではなく、若手の演歌歌手の方々は着用されていることが多いです。

こういう服となると、さすがにステージ衣装の専門店に行かないとなさそうでした。ネットでも買えそうでしたけど、洋服って現場で見たり試着したりしないと買えないタイプなので、ホームページを見て良さそうだなと思ったステージ衣装の専門店に行って来ました。

店員さんに「演歌歌手の方が来ているロングジャケットみたいな服ってありました」と聞いたら、「氷川きよしさんみたいな感じですか」と言われたので、「ちょっとイメージ違いますけど」と言って、中澤卓也さんがロングジャケットを着て歌っている動画を店員さんに見て頂いたら、すぐに似たイメージのブルー系のエドワードジャケットと、白のちょっと光沢のあるシャツと、黒の細身のパンツを合わせて持ってきてくれました。凄い。試着してみたら、イメージにぴったりで、自分でも驚いてしまいました。これは買わねばとすぐに買いました。

店員さんと話していて、全般的にステージ衣装は基本的に細身なものが映えるそうで、ぼくが選んでもらった服もいつもよりはきつめのサイズでした。パンツは黒の細身を選んでおくと、上がどういう色になってもそれほど合わないことはないので、いろいろなシーンで重宝するとのことでした。ポケットチーフも、エドワードジャケットは必ず胸元に添えなくてもいいのかなということでした。

店員さんに「ライブとか出られるんですか」と聞かれたので、「カラオケ大会なんです」とぼくが答えたら、「できるようになってよかったですね」と言ってくれたのが何気に嬉しかったです。

ちなみにこのお店はプロの歌手の方もご利用されているとのことでした。このお店はパンツの裾上げはやっていなかったので、近くのリフォーム直しのお店に行って頼んできました。ここでも店員さんに「こちら社交ダンスの衣装ですか」と聞かれたので、「カラオケ大会のステージ衣装で買ったんです」と答えたら、ここでも「できるようになってよかったですね」と同じことを言われたので驚きました。

新しい服を買うと気分も変わるというか、いい気持ちになります。気持ちも新たにして、ぼくが描いているイメージで、ステージで歌いたいと思います。

 

さくら紅葉

今年の10月は、まだ夏みたいに暑い日があったと思ったら、12月みたいに寒い日もあって、初秋の雰囲気は終わってしまった感じです。そろそろ紅葉のシーズンが来たところで、ぼくも紅葉の曲をDAM★ともで歌ってたと思い出したのが、シキドロップの「さくら紅葉」という曲でした。

「さくらもみじって何?」とぼくも最初思ったのですが、漢字にすると「桜紅葉」で、文字通り「秋に桜が紅葉すること」をいいます。桜って紅葉するんです。でも春の桜のように、桜紅葉は目立たなくて、あまり人には意識されてなさそうです。俳句では「桜紅葉」は秋の季語になっています。

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新宿御苑の桜紅葉の風景です。鮮やかな朱色ではないため、地味かもしれませんが、穏やかな秋には合ってるかもしれません。

さて、「さくら紅葉」という作品は、シキドロップという、ボーカルの宇野悠人さんとピアノの平牧仁さんによるユニットが、2018年10月31日にシングルとして発売されました。2019年3月21日に発売された1stミニアルバム「シキハメグル」にも収録されています。

ぼくがシキドロップを知ったきっかけは、カラオケ大会でご一緒した方が「いい歌声の人がいて好きなんです」と言われて、初めて聴いてみました。「シキハメグル」のとおり、季節と人の関わりや思いを作っているなあと感じて、歌声と歌詞とメロディーのバランスがいいなと思いました。当時、DAM★ともでは、「ホタル花火」と「さくら紅葉」の2曲が歌えたので、ぼくも歌ってみようと始めたのが2年前ぐらいのことでした。

「さくら紅葉」は作詞と作曲を平牧さんが作られていて、歌詞をみたとき、ちょっと意味が捉えられなかったんです。無くした夢を悼むさくら紅葉があるのはわかるけど、SNSの身勝手な本音はどう結びつくのかとか、汽笛が鳴ったら旅に出て、「サヨナラ」の先を探しにいくのは何でとか。意味がわからないけど、自分がこの作品に魅力を感じたのはどうしてなのかなとか。その答えを探るために、何回も歌ってみました。

後にシキドロップのインタビューを読みましたが、「シキハメグル」に収録した曲のテーマは「さよなら」で、上から下に落ちるものをテーマにしたそうです。「月日が経つと、その人との楽しい思い出を急に思い出したり、逆に怒りが込み上げたり、いろいろあるじゃないですか。それって四季の移ろいと一緒で、感情も移ろっていくということで」と平牧さんが話されていて、宇野さんは「自分の人生に当てはめて、四季を感じ取って欲しい。好きに聴いてください」と話されたのが印象的でした。

宇野さんは、歌詞を深く読み取ろうとはしないで、感じたままに歌うようにしているそうです。平牧さんは、感情的なものは自分が歌詞やメロディーに込めているので、宇野さんがそういうスタンスで歌ってくれる方が、作品が重たくなりすぎずいいという趣旨の話もされていました。

そういったインタビューの中身は気にせず、ぼくも「さくら紅葉」を歌っていく中で、人生の一コマの中で、過去を思い出す主人公の心の揺れ動きを感じ取れたというか、しっくりと歌詞の中身がいくようになってきたなあと、最近ようやく思えるようになりました。「サヨナラ」の先を探しにいく主人公の気持ちもうなずけたわけで。

人の心はそれほど冷静でいられるわけもなく、様々な感情の起伏の間で生きているわけです。歌を練習していると、とかく方法とか技術に目を向けがちなんですけど、そもそもは感性のままに歌えた方が、言葉と音楽がうまく絡みあえそうな感じがします。でも、自然に歌ってる感じに見えるには、やっぱり日頃の練習がないと、その域には辿りつかないような気もします。


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最近、カラオケアプリのKARASTAを聴いているときに、KinKi Kids堂本剛さんの「街」という曲を歌っているユーザーさんの歌を聴きました。その方の歌唱力が高いということもありましたが、歌詞が明瞭であるだけではなく、言葉が息遣いをしているように生きていて、メロディーと一体化していたのが印象的でした。

そして、そう感じさせるのは、「街」という作品が訴える力を持っているのだろうと思いました。この作品は2002年6月10日に堂本剛としてのソロデビューシングルとして発売されました。2002年4月から6月にTBS系で放送された剛さんの主演ドラマ「夢のカリフォルニア」の主題歌に起用されましたが、反響が大きかったということで、ソロデビューとなりました。作詞・作曲は剛さん、編曲は新川博さんです。新川さんは松任谷由実さんのステージの音楽監督を務めたり、編曲家としてもKinKi Kidsの「青の時代」、小林麻美さんの「雨音はショパンの調べ」、酒井法子さんの「碧いうさぎ」など印象的なヒット曲を提供されています。

さて、剛さんのソロデビューを巡ってはジャニーズ事務所内でも異論があったようです。メリーさんは「こんな暗い曲作って」とか「男っぽい曲だ」と相当批判的だったそうです。一方、ジャニーさんは剛さんにミュージカル出演を打診しましたが、剛さんがそれを断ったので、「YOUは音楽をやりなよ」という話になって、ソロデビューが実現したそうです。

剛さんはアイドルとしてデビューしてから過換気症候群パニック障害と戦ってきたことを告白して、「音楽がなかったら自分は死んでいた」と振り返っています。そういう剛さんの心情が、「街」の歌詞にも現れていると思いました。「自分を守り生きていく時代だ だからこそ僕らが 愛を刻もう 傷ついたりもするんだけど 痛みだけは見失ないたくない」というサビの歌詞は、おそらく都会の生活の中で、自分の心をすり減らすこともある中で、その痛みを忘れずに、前向きに戦って生きていこうという、剛さん自身の誓いみたいなものかなとも思いました。

こういう思いって、生きているぼくたちも共感できるというか、その歌詞を噛みしめられる感じがするなと思いました。

ぼくはKinKi Kidsの作品は多く歌っていましたけど、剛さんの作品って、エンドリケリーも含めて歌ったことがありませんでした。聴くための歌なのかなと思っていました。

昨日から「街」を初めてDAM★ともで歌ってみて、改めて名曲なんだなと思いました。曲の時間は6分余りと長い曲です。

最近は歌の上手い人ってそこら中にいるんですよね。だから上手いだけでは何の差もつかないわけです。そこに自分がプラスアルファを加えていかないといけなくて、それは人それぞれ違うと思います。ぼくは最近、歌詞の読みを伝えようと思ってまして、言葉に輪郭とか立体感を出せるような歌い方を目指そうかなと思っています。歌の押し引きというか、フレーズごとに音の強弱をつけるのは多少覚えてきましたけど、最近教えて貰ったのが息の押し引きという言葉で、ぼくの場合はあまり声が強くなりすぎないように、多少抑えていくということかなと思っています。

訴える力を持つ歌は歌唱技術だけでは作れなくて、どこか心に響くものや印象に残るものが生まれないと、その魅力が発揮できません。そのベースとして、自分と相性が合う曲を選ぶことは重要なのかなと思います。

「街」はぼくとは相性が良さそうなので、もっと練習していこうと思います。


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ぼくも初めて歌ってみました。

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