DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

歌の価値

プロ野球北海道日本ハムファイターズの監督に就任した新庄剛志さん。新庄さんはTwitterプロ野球についてもツイートを発信されていますが、ぼくの心に刺さるものが多いなあと感じています。

例えば、10月29日の新庄さんのツイートは、「プロ野球の存在意義は そこの街に住む人達の暮らしが少しだけ彩られたり、 単調な生活を少しだけ豊かにする事に他なりません その裏側に誰を笑顔にするのかを常に心に秘めて 新庄剛志らしく突き進んで生きます!」とありました。

ぼくはこのツイートを読んで、プロ野球って、野球が上手いってことだけじゃなくて、エンターテイメントも大事だと言いたいんだと思いました。野球を見て笑顔になれることが目指すものなんですよね。

このツイートの意味って、歌にも通じてると思いました。プロの歌手も歌が上手いってことだけじゃなくて、そのベースにはエンターテイメントが必要なんだと思います。歌を聴いて、その人の心に彩りを与えたり、心に余裕が生まれたり、笑顔になったり、泣いてくれたり、感じてくれたりしたら、嬉しいなって思います。

11月13日にぼくは久しぶりに、リアルのカラオケ大会に行ってきました。音源審査を通った139組は皆さん歌の上手い方ばかりでした。その中で更に歌の上手い方を選ぶので、熾烈な争いがあります。この大会は1人1コーラスなので約2分、まるで流れ作業のように次々と出場者が歌っていきます。そして、その1人が歌っている間に審査員の先生が寸評を書いていく感じです。

ぼくも最初は客席で出場者の方を聴いていますが、次第に疲れてきて、歌を聴くモチベーションが低下してきます。ぼくは1コーラスの大会ってあまり好きではありません。作品って最初から最後までを通じてのものですから、1番だけ歌ってもその作品の良さがわからないことってあります。その1コーラスを流れ作業のように聴かされていると、歌の大会なのに、歌が大事にされているのかなと疑問が湧いてきます。

とはいえ、その2分間で自分のパフォーマンスを示すことも一方では大事だと思います。そこでまた、新庄さんの言葉の中に、「努力は一生。本番は一回。チャンスは一瞬」という名言がありました。プロ野球選手はいつスタメンに呼ばれてもいいように、日頃から努力を怠らないということですが、この言葉も、やっぱり歌に通じると思いました。

例えば、一昨日の大会のように、いくら歌の上手い人が次々と歌う状況で聴く側が飽きているような状況の中でも、キラリと魅力のある歌を披露しようと思ったら、聴く人の頭を切り替えるような、心にスッと入っていく歌を歌わないといけないと思います。それは出場者が上手さを見せつけたりするものではなくて、歌を通じて、聴く人の心の底から湧き上がる感情を起こさせないといけないと思います。だからその歌に音程やリズムでの違和感を感じさせてはダメで、歌は一体としての歌になっていないと、聴く人には受けとめられないと思います。

こんな偉そうなことをかいているぼくは、同じ曲を10回歌っても、同じような音程やリズムでは微妙に歌えてなくて、安定感を保てていないのが悩ましいところですが、一昨日の大会では、ぼくよりすごく歌が上手いという人たちでも、一瞬のフレーズでおやっという違和感を感じた人たちは入賞を逃していました。ここも決して、入賞したからすべてがいい歌だとは思いませんけど、歌のコントロールの難しさを感じました。それと同時に、歌の価値や魅力を生み出すものは、いかに作品としての魅力とか美しさを出せるかということで、そのためには基礎的な努力が必要なんだと思います。