DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

人魚のように

ぼくは歌謡曲の世界が好きなので、今の若手や中堅の演歌・歌謡曲の歌手の方の曲をよく歌っています。松原健之さんは「悲しみのニューヨーク」、竹島宏さんは「プラハの橋」、山内惠介さんは「唇スカーレット」、中澤卓也さんは「約束」、新浜レオンさんは「ダメ ダメ…」といったところです。一方、なかなか歌いたくても歌えないのが、川上大輔さんの曲でした。

川上大輔さんの歌声は、女性が歌っているのかと勘違いするほどのハイトーンボイス。プラチナボイスと言われたそうです。ビジュアルもジャニーズ系な感じで、堂本光一さんに雰囲気が似ていると思いました。2013年2月6日に発売されたシングル「ベサメムーチョ」でデビューして、2020年1月29日に発売された最新シングル「永遠に覚めない夢」まで、10枚のシングルを発表しています。2020年4月20日に所属事務所を退社して、現在は個人事務所を立ち上げて歌手活動を継続されています。

川上さんの曲を聴いていると、当たり前なんですけど川上さんの声質とかキャラクターを生かした作品を作る方針だったのかなと思えて、逆にいうといわゆる演歌ファン層が口ずさめるには難しすぎるわけで、なかなか大ヒットに繋がらない要因はあるのかなと思いました。

ぼくみたいにDAM★ともやカラオケでいろいろな曲を歌う者にとっても、難度が高すぎるというか、チャレンジしずらいところがありました。川上さんのハイトーンボイスを聴いて、あの原曲キーでは歌えませんし、そこで歌うことを諦めてしまうんですね。でも最近聴いた曲で、そんな高い壁を乗り越えても歌いたいと思った曲が、「人魚のように」という曲でした。

この作品は2017年4月12日に川上さんの7枚目のシングルとして発売されました。作詞は仁井谷俊也さん、作曲は徳久広司さん、編曲は矢田部正さんです。アップテンポな作品が多い川上さんにとっては初のバラードだったそうです。ドラマチックな展開を連想させるイントロからのアレンジがこの作品の底流にあるような気がしました。作品の構成はサビ→Aメロ→Bメロ→サビ→Cメロ→Aメロ→Bメロ→サビ→Cメロ→サビ→Cメロと、同じような歌詞が何度も登場します。こういう一見単純そうな感じの作品って意外と歌うのが難しくて、スローなテンポでも声を伸ばしていればいいわけではないと思っています。歌詞を読むようにして歌ってみて、演奏と歌の間合いをうまく保っていくことで、歌のイメージを想像してもらいやすくなるのかなと思います。

ぼくも「人魚のように」をまずは原曲キーで歌ってみました。高音すぎて曲の半分以上裏声でしたけど、採点は96点台!地声で歌えるところまでキーを下げて、なんと♭5!で歌ってみても採点は96点台が出ました。気を良くしてDAM★ともに投稿してみました。川上さんみたいな男の色気というか儚げさが歌に出せたらいいのですが。


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プラハの橋

10月になって、久しぶりに都内のビッグエコーのお店に行って歌ってきました。8月まではオンラインのカラオケ大会に提出する動画がJOYSOUNDうたスキ動画ということもあって、まねきねこに行ってましたし、9月はワンカラに行ってましたが、JOYSOUNDの部屋しか利用できなかったので、DAM★ともで楽しむのも久しぶりでした。

DAM★ともの再スタートの1曲目に何を歌おうかなと思って歌った曲が、竹島宏さんの「プラハの橋」という曲でした。

この作品は2021年8月25日に竹島さんの27枚目のシングルとして発売されました。作詞は山田ひろしさん、作曲は幸耕平さん、編曲は坂本昌之さんです。山田さんはゴスペラーズやV6の作品を多く提供されているほか、ぼくが知っている曲ではスターダスト・レビューの「木蘭の涙」とか徳永英明さんの「永遠の果てに」だったので、演歌・歌謡曲系歌手への提供は珍しいと思いました。幸さんはこれまでも竹島さんへの作品を多く提供されていますが、ぼくが知っている曲では大月みやこさんの「乱れ花」とか田川寿美さんの「女人高野」がありますが、演歌・歌謡曲系歌手の作品ではよく名前を目にする方です。坂本さんは徳永英明さん、鬼束ちひろさんのコンサートでバンドマスターを務めていますが、ぼくも歌っている曲では林部智史さんの「あいたい」、中澤卓也さんの「約束」、中森明菜さんの「落花流水」などで、カラオケの画面でよく目にする方です。

竹島さんは2002年にシングルいいもんだ いいもんだ」でデビューされて今年20年目の記念の年ということで、1月にアルバム「Stories」、5月にシングル「向かい風 純情」を発表し、8月の竹島さんの43才の誕生日に「プラハの橋」を発表されました。竹島さんが「この作品は20周年のお祝いに幸先生からプレゼントされました」という話をご自身の番組「竹島宏の歌MAX」でも話されていましたが、別のインタビューを読んだところ、それは「そろそろ竹島も大人の歌手になってもらいたい」と幸さんから言われたそうです。「プラハの橋」はチェコの首都プラハを舞台に、男女の別れの情景を哀愁感で綴った悲恋の世界で、ドラマチックな内容となっています。

竹島さんの話を「歌MAX」で聴いていると、あの穏やかそうな表情の割に、ご自身の意見を言われる方のようで、「プラハの橋」を聴いてすごくいい曲だと思ったので、「向かい風純情」もリリースして順調にセールスを伸ばしていたのに、バースデーにリリースして欲しいと言われたそうです。また、作詞の山田さんには、当初の歌詞では男女の悲恋があまりに美しすぎるので、主人公の男性の心の叫びを入れて欲しいと言われて、歌詞の最後に盛り込まれました。

歌詞の内容は許されない恋をした男女が、日本からチェコプラハにやってきて、カレル橋の上までやってきた。でも男性は女性に日本への帰りの切符を渡す。なぜと女性は涙を流してカレル橋を途中で引き返して男性の元を去っていく。男性はプラハ駅から最終列車が出発した音を聞いて、カレル橋で泣き崩れる、というストーリーなんです。

ぼくもプラハは1度行ったことがありますが、実際のプラハの冬の午後は非常に寒いです。クリスマスのイルミネーションで町は飾られていて、クリスマスマーケットも賑わっていて、カレル橋は観光客で一杯で、とても静かな情景ではありません。でも、成田空港から飛行機でオーストリアのウィーン空港に降り立ち、ウィーン中央駅から鉄道でプラハ中央駅に来て、カレル橋まで歩いてきた男女の気持ちみたいなものは、きっと歌詞のとおりだろうなと思うところがありました。そういう想像をしていきながら、歌の世界をイメージしていたので、曲へのイメージも入りやすかったです。そして、再スタートの1曲目で歌ってみた「プラハの橋」は96点台の採点だったので、もうちょっと伸ばしていこうと思います。


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夏のハイドレンジア

ぼくはカラオケでジャニーズの曲を割と歌っていますけど、その中で最近お気に入りな曲がSexy Zoneの「夏のハイドレンジア」という曲です。

この作品は2021年8月4日に彼らの21枚目のシングルとして発売されました。メンバーの中島健人さんが主演を務めるフジテレビ系のドラマ「彼女はキレイだった」の主題歌に起用されることもあり、秦基博さんが作詞と作曲を手掛けました。編曲はトオミヨウさんという方で、石崎ひゅーいさんの作品を多くプロデュースされている方です。

ぼくがSexy  Zoneの曲を聴くようになったきっかけは、1年前にヴィジュアル系ロックバンドのアリス九號が「Sexy Zone」と「RUN」をカバーした動画を見たことでした。


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アリス九號の沙我さんが中島健人さんのファンということでカバーを出すきっかけになったそうですが、仕事でSexy Zoneと共演したこともあり、アイドルを真面目にやっている姿勢に敬意を持っていたようです。カバーを発表した頃、アリス九號のヒロトさんも自らパーソナリティを務めるVoicyの番組の中で「カバーは敬意がないとできない。本家(Sexy Zone)よりいいですねと言われるのはちっとも嬉しくない」と語られていました。

ぼくはアリス九號の歌と演奏を聴いて、「Sexy Zone」や「RUN」も彼らのバンドの色を持った作品に変わるんだという新鮮な切り口を感じましたし、また改めてSexy Zoneの歌やパフォーマンスをしっかりと聴いてみて、彼らは真面目にアイドルと向き合っている姿勢を感じましたし、それだけに松島聡くんやマリウス葉くんが一時的に活動を休んでしまうほど、精神的にタフでなければできないのがアイドル業なんだなとつくづく感じました。

さて、「夏のハイドレンジア」をぼくが知ったのは、「かのきれ」のドラマを見たからではなくて、実は中山優馬くんの曲を次々と聴いているうちに、Sexy  Zoneの曲もランダムで耳に入ってきて、何曲か聴いていたところで、イントロからすぐに「ハイドレンジア こぼれる 涙さえも綺麗だ」と聴いた瞬間、「この曲いい曲じゃん」と思ってしまいました。

秦基博さんはこの作品について、「雨の中、季節を越えて懸命に咲く花のような「君」と、それを見つめる「僕」の思いを歌にしました。そして、それがSexy Zoneの皆さんの歌声の重なりによって、真っ直ぐで、等身大のラブソングになっていると思います。」とコメントされています。

この作品は派手に歌って踊る曲とは異なり、今の年齢の彼らを投影していて歌っている感じがしました。ヒロインを見つめる僕の思いが、恋から愛へと変化していく気持ちが丁寧に表現されているラブソングだと思いました。サビの掴みもいいんですけど、ぼくが好きなのはその後のAメロのところで、1番では「差し出せる傘もない僕に 何が出来るというのだろう」というのが、2番では「差し出せる傘もない僕と 一緒に濡れてくれる人だ」と思いが微妙に変わっていく気持ちが出ていていいなと思いました。

この曲を自分でいくつかのパターンで歌ってみましたが、元気に歌ったり、綺麗に歌うだけでは、聴く方にはこの作品がうまく伝えられなかったみたいで、一方で主人公のどこか歯痒くてもどかしい思いを、ぎこちなさそうに静かに歌ってみたら、共感してもらえたようでした。

音楽を聴くぼくたちは、流れてくる曲に何を求めているのかなって思うんです。嬉しい気持ちも悲しい気持ちも、歌を聴くことで自分の心の中の気持ちのある部分を代弁してくれていると思うのかもしれません。それで心がふっと安らぐ気持ちになるのかもしれないし、一緒に泣きたくなるのかもしれません。それで立場を逆にして、自分が歌うとき、「夏のハイドレンジア」もそうですけど、聴く人に歌詞のストーリーとか情景が目の前に映るような歌を歌えたらいいなと思います。聴く人によって、その映っている情景はきっとそれぞれ違うと思いますけど、自分の歌声を通して、何か心の中にある気持ちを感じてもらえたら、嬉しいです。


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ららばい

昨日、YouTubeを見ていたら、たまたま出会ったのが、「作詩家久仁京介の世界」というチャンネルでした。紹介されていた動画は、【演歌男子Shinさんコラボ】久仁京介✖️Shin✖️山田ゆうすけ特別動画。演歌男子Shinさんについては、2018年8月にぼくのブログでも紹介させて頂いたことがあって、その当時のチャンネル登録者は12,000人を超えていました。現在はチャンネル登録者が63,000人を超えており、この3年で多くの方にShinさんの歌声が届けられたことに本当に嬉しく思います。そんなこともあって、30分以上の動画でしたが、じっくりと聴いてみました。

久仁京介さんは作詩家として50年を超えるキャリアをお持ちの方で、一般社団法人日本作詩家協会の副会長を務められています。数々のヒット曲の中でぼくが印象深いのは、日吉ミミさんの「男と女のお話」や新沼謙治さんの「津軽恋女」ですけど、竹島宏さんを歌手デビューでスカウトした方でもあります。こんな大ベテランの方がYouTubeで配信をされていることにも驚きましたが、その目的は演歌だけではなく、40代から60代までの世代をターゲットに、歌謡曲系からポップス系までの作品を作るプロジェクトをやっていこうということで、CD化されていない意味での未公表作品を発表していこうというもので、そのチャレンジ精神と意欲的な活動がいいなと思いました。

今回はShinさんに、未公表作品の1つである「ららばい」という曲を、久仁さんがShinさんに歌唱依頼したという特別企画だったそうです。作詞は久仁さん、作曲は山田ゆうすけさん、編曲は高木博音さんです。山田さんは久仁さんと一緒に今回の創作プロジェクトを行っていらっしゃいます。高木さんはキーボード奏者や作曲家もされていて、三浦祐太朗さんのバックミュージシャンも務められています。

この「ららばい」という作品は、彩(あや)さんという歌手の方が歌われています。


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出だしの「ららばい ららばい 三杯目の水割り」から引きつけるものがありました。夜の雰囲気を漂わせる感じです。久仁さんが、YouTubeで配信する作品は「イントロは短い方がいい。次の動画にめくられてしまうから」と言われ、山田さんも「つかみはOKというサビが欲しかった」と言われ、Shinさんも「最初の歌詞は大事」と言われました。最初の一節で歌の世界に入ってもらえるのかが決まるんですね。久仁さんの「めくる」という言葉は本のページを捲るのと同じで、関心を持たれるように捲らせない努力が必要なんだなと思います。

Shinさんは高音で強めの歌声が魅力の歌い手さんですけど、彩さんが歌った「ららばい」を自分が歌うに当たって、歌詞の主人公の思いを深く掘り下げたり、メロディーの歌い方を地声かファルセットのどちらを使うかとか、言葉の1つ1つへのこだわりを強く持たれていました。言葉は小説でも俳句でも歌詞でも、読解することによって、歌へのアプローチもまた変わっていくのだと思います。山田さんがShinさんの歌い方について、「ファンの方には綺麗に歌っているように聞こえるかもしれないけど、言葉を投げて処理しているところがありますよね」と評価されていました。Shinさんも主人公の気持ちになって、投げやりな感情を歌に出そうとしていると話されていました。

久仁さんはShinさんに「遊び心で歌ってみなさい」とアドバイスされたそうです。「同じ歌を同じようにみんなが歌うのはつまらない。彩さんみたいにShinさんがもし歌ってしまったら、逆にShinさんの魅力が失われてしまう。それをShinさんは自分の歌の大正解を出してきた。荒削りをしっかりと出しながらも、繊細さもしっかりと出している。」とShinさんの歌を絶賛し、「カバーという言葉は取って頂いて結構」と、オリジナルで歌ってよいと認められました。

また、久仁さんは大きな声では言えないと言いながらも、「最近の演歌歌手の若手は、余りに丁寧に歌いすぎていると思う。もっと弾けてほしいという不満がある」と言われました。これに対してShinさんは「自分も荒く歌って音を外して原曲のイメージを外せない葛藤がある。それと採点ゲームが盛んになったので、音を収めようというのはある」と返されていました。

先日、カラオケ大会で多数優勝されている方の話を聞いたのですが、自分は「大会脳」になってしまっていると言われたのが印象的でした。大会で失点を少なくするために、勝つための歌を追求すると、抑揚や語尾処理がかっちり決まった表現になる。フィギュアスケートでいえばルーティンなんだと思います。でも、魅力ある歌にするにはルーティンだけでは足りないわけで、フリーの演技で独創的なものを見せないといけない。それが久仁先生のいわれる「遊び心」なのだろうと思います。

Shinさんの「ららばい」は、声質がよく活かされていると思います。残念ながらCD化はされていませんので、カラオケで歌うことはできません。


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レアなジャニーズ曲たち

ぼくは仕事の行き帰りに音楽を聴いていることが多いです。自分が練習している曲を聴くこともあれば、自分が歌った音源を聴くこともありますけど、朝の眠気覚ましと、少しテンション上げたいなあと思う時に聴いているのは、ジャニーズの曲です。

ジャニーズといっても、超有名な曲よりも、あまり知られてなさそうで、いいなと思う曲を聴いてます。何曲か紹介していきます。

中山優馬さんの「水の帰る場所」という曲は以前にこのブログでも紹介しましたけど、他の曲も聴いてみたら、ビートのノリが良くてかっこいい曲が多くて、その中でも気に入っている曲が「so Crazy」という曲です。


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この作品は、2014年4月14日に発売された中山さんの2枚目のシングル「High Five」の通常盤CDの3曲目に収録されています。作詞・作曲・編曲をされた岩田秀聡さんは、サースティロードというバンドのボーカルをされている他、タッキー&翼、AAAへの楽曲提供もされています。岩田さんのブログでも「so Crazy」について「かっこいい。ちょっとセクシーな歌詞&曲調なんですが、優馬くんの優しくて強い声が響いてます」とコメントされてますが、そのとおりでした。Travis JapanというジャニーズJr.内のグループがこの曲をカバーして歌っていて、皆さん上手く歌いこなしていると思うんですけど、中山さんの歌い方の方が引き締まっているというか、語尾とか韻読みの切れ味がいいなと思いました。でもトラジャの中でも1人、中山さんの歌に近いなと思ったのは、松田くんのパートのところでした。歌ってほんの1秒伸ばしただけでも、聴いた人が受けとめる感覚って微妙に違ってくるんだなって感じました。

KAT-TUNの曲はほとんど聴いたことがなかったんですけど、唯一歌ったのが「楔-Musabi-」という曲でした。ご本人歌唱ではありませんが、こういう雰囲気です。


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この作品は、2013年11月27日に発売された彼らのミニアルバム「楔-Musabi-」のタイトル曲として収録されました。作詞のRUCCAさんは溝口貴紀名義でも作詞家として活動されています。作曲のKOUDAI IWATSUBOさんはジャニーズのアーティストに多くの楽曲を提供されています。編曲はDREDSTORE COWBOYという方なのですが調べられませんでした。イントロから雰囲気があって、いったん歌に入ったら休む間もなく最後まで歌い続ける曲なんですけど、アレンジがかっこいいなと思いました。

Sexy Zoneは1年前ぐらいにアリス九號の「Sexy  Zone」のカバーを聴いてから、初めて聴くようになりましたけど、最近いいなと思ったのが「名脇役」という曲でした。

 


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この作品は、2018年2月14日に発売された彼らのアルバム「XYZ=repainting」に収録されました。作詞・作曲・編曲をされた竹縄航太さんはHOWL BE QUIETというピアノ・ロック・バンドでボーカルをされている方だそうです。歌詞が青春っぽくって、好きな女の子に告白してしまうと、もうそばにいられなくなる気がするから、自分は恋人じゃなくて友達のままでいいっていうのが「名脇役」の意味かなと思いますが、歌詞には「名脇役」という言葉はないんですよね。

いずれの曲もYouTubeをランダムに聴いていたら、急にぼくの耳に聴こえてきて、「この曲なんだろう」って思って、動画の画面を見てその曲との初めての出会いがあった感じです。この聴いていて、いいなと思うところを早く自分の声で歌ってみたいです。

 

 

 

波乗りジョニー

ぼくはカラオケ大会に時折参加していますが、主催者の方って大体歌が上手いと思います。歌唱力があって上手いという方もいれば、個性的な表現力が魅力的な方もいらっしゃいます。

8月の終わり頃、めったにご自分の歌を披露されない方が投稿されていて、歌われていたのが桑田佳祐さんの「波乗りジョニー」という曲でした。

この作品は2001年7月4日に桑田佳祐ソロ名義の6枚目のシングルとして発売されました。作詞・作曲・編曲は桑田さん、管編曲は山本拓夫さん、弦編曲は島健さんです。一般的に編曲家であるアレンジャーは、すべての楽器の譜面を書きますが、弦セクションの譜面を書けない方もいて、その部分のアレンジを行うことを「弦編曲」といいます。楽器としてはファーストバイオリン、セカンドバイオリン、ビオラ、チェロです。「弦編曲」は見たことがありますが、「管編曲」は見たことがありませんが、木管楽器金管楽器のアレンジだと思います。

山本さんはサックスもフルートもクラリネットも演奏するマルチリードプレーヤーであり、Mr.Childrenの「シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜」は山本さんがサックスを演奏されています。曲を覚えるときに、どこでどんな楽器が演奏されているのかに着目していると、作品への好奇心が湧きますし、歌への理解も深まると思います。

島さんはジャズ・ピアニストとしての活動のほか、アレンジャーとして多くのアーティストの作品を提供し、サザンオールスターズの「TSUNAMI」や浜崎あゆみさんの「Voyage」は日本レコード大賞を受賞しています。

桑田さんはサザンとしての長い音楽活動の中で、時にソロ活動をされる年もあり、2001年はそういう年でした。「波乗りジョニー」はソロ作品として初のミリオンセラーとなり、続いて発売した「白い恋人達」もミリオンセラーとなり、第16回日本ゴールドディスク大賞の「ソング・オブ・ザ・イヤー」に2曲とも選ばれました。

この作品のMVが見ていて楽しくて、後半はファンクラブから選ばれたエキストラの皆さんが桑田さんのステージを盛り上げていて、こういうのっていいよなあと感じました。

さて、カラオケ大会の主催者の方が歌われていた「波乗りジョニー」も、ご本人は「罰ゲームみたいなもの」と謙遜されてましたが、この作品への愛が感じられましたし、この曲の楽しさを改めて感じさせてくれる魅力を感じました。だからだと思いますけど、そのカラオケ大会によく参加している皆さんたちが、次々に「波乗りジョニー」を歌って投稿し始めました。

歌の魅力って何だろうって考えたりしますけど、その方の歌を聴いて貰って「上手いですね」とか褒めてもらえるのも1つだと思いますし、「私もこの歌覚えようと思います」もその方の歌への敬意が感じられますし、それが高じて「ぼくも歌ってみました」となると、歌った方も嬉しいと思います。それがプロの歌手であっても、自分が歌う作品を多くの方に歌ってもらうことがヒットへと繋がるわけです。自分もそういう魅力が欲しいなと思いました。

それで、ぼくも「波乗りジョニー」を歌ってみました。日頃は歌わない曲ですけど、桑田さんの音楽は聴いてきましたので、そのエッセンスをベースにして歌ってみたら、少しはこなれてきたかなと思いました。しかし、日頃は歌わない曲を歌ってみると、随所に欠点が見えてきてきました。いろいろな曲を歌ってみると、気づかないことに気づけると思います。


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歌の手帖とカラオケファン

カラオケの月刊誌というのがありまして、歌の手帖社が発行している「月刊歌の手帖」と株式会社ミューズが発行している「月刊カラオケファン」があります。どちらの雑誌も、自分の歌を録音したものを送ると、作詞家や作曲家の先生が審査して段位が決まる「Kリーグ」「KFチャンピオンシップ」というものがあります。歌の仲間の人たちが「雑誌に掲載されました」とTwitterでツイートしていたので、書店に行って、買うつもりはなくて読み始めました。

アイドル向けの雑誌があるように、カラオケの月刊誌に登場するのは演歌・歌謡曲の歌手の皆さんで、お目当ての歌手のファンの方は記事を読んで喜んでいるだろうなと想像してしまいます。同じ記事を読んでいても、読者の方それぞれ読み方が違うと思うんです。ぼくの場合は、「歌手の方はどういう気持ちでこういう雑誌の取材に応えているのだろうか」という視点で読んでいます。インタビュー記事も質問が上手で、新曲の取材は勿論ありますけど、今の現状における歌手としての気持ちみたいなところを引き出してくれているので、その点は読み応えがあります。

そうやって読み進めていくうちに、次第に「やっぱり買おうかな」という気持ちが芽生えてきましたが、それは記事の中に、ぼくに刺さる言葉があったというか、気になることがいくつもあったからだと思います。「歌の手帖」の中澤卓也さんの記事で、レコーディングに参加した野口五郎さんが中澤さんに「全体的には、悲しさを悲しいってわかるように唄わない方がいいんじゃない?全面に出さず、哀愁感に…」アドバイスした言葉が紹介されてまして、それって中澤さんの歌い方を瞬時に分析して、歌の癖を見抜いたんだなあって。ぼくもカラオケ大会で審査員の先生が、ぼくが思ってもいないことを指摘されることがありますから、一面的に歌を捉えちゃ足りないんだなあって思うんです。「こういう歌い方じゃないとって決めてますよね」って言われたこともありますし。それと、中澤さんは師匠の田尾将実先生からも「ちゃんと唄わなきゃ感がすごい!」とよく言われるとの一節を見て、また「ぼくが言われてるのかな」って感じてしまいます。「ちゃんと」っていうのは、音程やリズムを正しく歌うのはあるとして、その言葉とメロディーを融合させた歌声って、別に答えは1つじゃないんですけど、教科書的な回答の歌声を選んでしまってるのかなと思うことがあります。これも「いろいろな音を試してみたらいいと思うんですよ」と言われたことがあってか、ぼくには刺さります。

もう1つ、Kリーグの記事の中で歌手の長保有紀さんがコメントされた中で、「プロになりたいなら、カラオケは止めた方がいい。音が完成してるから、自分の歌の悪い所が分かりにくい。先生のピアノでなら、良くなかったらバンって止まって「やり直し!」ってなるでしょう」というのがありました。プロを目指すなら先生に付くべきだというお話なんですが、プロの歌手の方は生演奏で歌うわけで、その現場では歌手も演奏者も一体になって生音を作っています。ぼく自身はカラオケの音源にもそれを作った方がいて、一つ一つの音に意味はあると思うので、一元的に機械的な音とまでは考えてはいませんけど、カラオケとは別に、音を作る現場でも歌う機会を作りたいと思って、生バンドの演奏で歌う大会にも出たことがありますので、長保さんのコメントも刺さりました。

「カラオケファン」も海沼実さんの記事で、舞台歌唱の際に注意すべき点として身ぶり手ぶりを挙げられていたのが、今のぼくにとっては気になることでした。最近、オンラインのカラオケ大会で動画を提出する機会があります。ただ歌っているだけではダメなのかなと考えて、歌詞を表現する一つとして手を動かしたり体を動かしたりするわけですが、その振付は歌にあっていたのかなとか些かオーバーアクションだったかなとか、提出した動画を振り返って反省することがあります。「何となく手を動かしているだけの場合やプロ歌手の立ち居振る舞いをコピーしたような動きも、聴き手に違和感や悪印象をもたらす危険があることを覚えておきましょう」とあるのを読んで、グサっと刺さりました。

こうして立ち読みしながら心が刺されまくりでは身も持たないので、「歌の手帖」と「カラオケファン」を買って帰り、家でじっくりと読むことにしました。両方の雑誌には、竹島宏さんの新曲「プラハの橋」の詳しい解説もあり、覚えようと思ったのも買った動機でした。こんな調子で読んで考えてたら、1ヶ月かかりそうです。