DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

土曜の夜は羽田に来るの

ぼくが参加しようと思っているオンラインカラオケ大会の主催者から出されたテーマの1つが、「おしゃれでかっこいい曲」でした。主催者の方がシティ・ポップを例に出されたこともあって、ぼくもおしゃれでかっこいい曲やアーティストを次々と思い浮かべていきましたが、その中でも脳裏に思い浮かんだのはハイ・ファイ・セットでした。

ハイ・ファイ・セット山本潤子さん、山本俊彦さん、大川茂さんの3人からなるコーラスグループで、1974年に結成され1994年に解散されました。1977年に「フィーリング」が大ヒットして、同年のNHK紅白歌合戦に初出場しました。このステージでも山本潤子さんは華麗なドレス、山本俊彦さんと大川さんもスーツ姿で歌唱しましたが、当時のフォークやニューミュージックの歌手が普段着のような服装で歌っていた中では、異彩を放っていました。彼らも自らのファッションには気を配る発言をしていて、まさに「おしゃれでかっこいい」音楽をポリシーにしていました。

ぼく自身はハイ・ファイ・セットを子供の頃にテレビやラジオで見たり聞いたりしていましたが、その後大人になってから、中古のCDショップでハイ・ファイ・セットのアルバムを見つけて、買って聴き始めて、音楽的なかっこよさを認識しました、そのアルバムで好きな曲が「土曜の夜は羽田に来るの」という曲でした。

この作品は彼らの4枚目のシングルとして1975年11月5日に発売された「スカイレストラン」のカップリング曲として収録されました。作詞は荒井由実(現在の松任谷由実)さん、作曲は村井邦彦さん、編曲は松任谷正隆さんです。ハイ・ファイ・セット荒井由実さんが作った「卒業写真」でデビューしたこともあり、同じ曲をお互いに歌うことが多い親和的な関係でした。どちらも都会の洗練された感覚をテーマにしているのは共通してますけど、似て非なるところがあって、ハイ・ファイ・セットはコーラスを生かしてスケールの大きさを歌の世界に感じました。

「土曜の夜は羽田に来るの」は、主人公の女性が、空へ旅立ったまま帰らない男性のことを思って、土曜の夜は羽田空港に行って思いを馳せるという歌なんですけど、言葉の少ない歌詞からも羽田空港の展望台から見る景色が、ぼくには感じられました。ぼくも飛行機に乗る用事がなくても、空港の展望台とかラウンジから飛行機の離発着を見たことがあって、別に彼女を思うことはありませんけど、出発とか旅立ちとかを感じさせてくれる好きな場所です。今の羽田空港の展望台は、飛行機が好きな子供たちや家族の姿が多いですけど、きっとこの群衆の中にも、歌詞に出てくる女性とか、あるいは逆の立場の男性とかきっといるんだろうなって思ってます。

それで、ぼくは「土曜の夜は羽田に来るの」をDAM★ともでもよく歌っていたので、今度のオンラインカラオケ大会でもこの曲を歌おうと思って、練習をしています。女性がリードボーカルを務めるコーラスの作品を、男がソロでどうやって歌おうかなって考えてますけど、山本さんの透明感のある声のイメージは崩さない感じで、いつもDAM★ともでは原曲キー+4で歌いますけど、もう1個上げて原曲キー+5で歌おうと思っています。

この曲は今から46年前の作品ですけど、色褪せない、今にはないかっこよさやおしゃれ感が備わっていると思います。最近の社会情勢もあると思いますけど、最近の曲って、心の内面をえぐりすぎというか、絆とか、傷ついた心を癒すとか、優しくありたいとか、音楽のテーマとしてはやや偏ってる気がしています。こういう時代の音楽を聴いてもらって、また新たな音楽を作っていくヒントにしてもらいたいなと思います。


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