DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

さくら紅葉

今年の10月は、まだ夏みたいに暑い日があったと思ったら、12月みたいに寒い日もあって、初秋の雰囲気は終わってしまった感じです。そろそろ紅葉のシーズンが来たところで、ぼくも紅葉の曲をDAM★ともで歌ってたと思い出したのが、シキドロップの「さくら紅葉」という曲でした。

「さくらもみじって何?」とぼくも最初思ったのですが、漢字にすると「桜紅葉」で、文字通り「秋に桜が紅葉すること」をいいます。桜って紅葉するんです。でも春の桜のように、桜紅葉は目立たなくて、あまり人には意識されてなさそうです。俳句では「桜紅葉」は秋の季語になっています。

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新宿御苑の桜紅葉の風景です。鮮やかな朱色ではないため、地味かもしれませんが、穏やかな秋には合ってるかもしれません。

さて、「さくら紅葉」という作品は、シキドロップという、ボーカルの宇野悠人さんとピアノの平牧仁さんによるユニットが、2018年10月31日にシングルとして発売されました。2019年3月21日に発売された1stミニアルバム「シキハメグル」にも収録されています。

ぼくがシキドロップを知ったきっかけは、カラオケ大会でご一緒した方が「いい歌声の人がいて好きなんです」と言われて、初めて聴いてみました。「シキハメグル」のとおり、季節と人の関わりや思いを作っているなあと感じて、歌声と歌詞とメロディーのバランスがいいなと思いました。当時、DAM★ともでは、「ホタル花火」と「さくら紅葉」の2曲が歌えたので、ぼくも歌ってみようと始めたのが2年前ぐらいのことでした。

「さくら紅葉」は作詞と作曲を平牧さんが作られていて、歌詞をみたとき、ちょっと意味が捉えられなかったんです。無くした夢を悼むさくら紅葉があるのはわかるけど、SNSの身勝手な本音はどう結びつくのかとか、汽笛が鳴ったら旅に出て、「サヨナラ」の先を探しにいくのは何でとか。意味がわからないけど、自分がこの作品に魅力を感じたのはどうしてなのかなとか。その答えを探るために、何回も歌ってみました。

後にシキドロップのインタビューを読みましたが、「シキハメグル」に収録した曲のテーマは「さよなら」で、上から下に落ちるものをテーマにしたそうです。「月日が経つと、その人との楽しい思い出を急に思い出したり、逆に怒りが込み上げたり、いろいろあるじゃないですか。それって四季の移ろいと一緒で、感情も移ろっていくということで」と平牧さんが話されていて、宇野さんは「自分の人生に当てはめて、四季を感じ取って欲しい。好きに聴いてください」と話されたのが印象的でした。

宇野さんは、歌詞を深く読み取ろうとはしないで、感じたままに歌うようにしているそうです。平牧さんは、感情的なものは自分が歌詞やメロディーに込めているので、宇野さんがそういうスタンスで歌ってくれる方が、作品が重たくなりすぎずいいという趣旨の話もされていました。

そういったインタビューの中身は気にせず、ぼくも「さくら紅葉」を歌っていく中で、人生の一コマの中で、過去を思い出す主人公の心の揺れ動きを感じ取れたというか、しっくりと歌詞の中身がいくようになってきたなあと、最近ようやく思えるようになりました。「サヨナラ」の先を探しにいく主人公の気持ちもうなずけたわけで。

人の心はそれほど冷静でいられるわけもなく、様々な感情の起伏の間で生きているわけです。歌を練習していると、とかく方法とか技術に目を向けがちなんですけど、そもそもは感性のままに歌えた方が、言葉と音楽がうまく絡みあえそうな感じがします。でも、自然に歌ってる感じに見えるには、やっぱり日頃の練習がないと、その域には辿りつかないような気もします。


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