ぼくがカラオケを通じて出会った、歌が好きな人たちは、大なり小なり、夢とか目標を持って、歌に取り組んでいるような気がします。「カラオケ大会で優勝したい、入賞したい」「もっと歌が上手くなりたい」「歌でテレビに出演してみたい」「オリジナルの曲を歌ってみたい」「ライブで多くの人を集客したい」「自分のCDを出して、多くの方に聴いてもらいたい」「メジャー・デビューして、ビッグな歌手になりたい」と、いろいろな夢や目標が人それぞれあると思いますが、Twitterで日々のツイートを読んで思うのは、常に歌のことを考えて、ストイックな努力をしている方々がものすごく多いということです。
プロの歌手の方も、音楽活動をしているインディーズのアーティストの方も、ストイックな努力をしている点ではアマチュアの方と同じです。ただし、職業として活動されているので、努力をしていくポイントがアマチュアの方よりは練れていますし、厳しさも経験されていると思いますので、困難を乗り越えていく術を身につけているように思います。
ぼくが出会った歌手の小川たけるさんが、8月21日に「夢の破片」という新曲のシングルを発売されました。作詞と作曲は小川さんご自身が作られ、編曲は中山聡さんが作られました。CDの商品説明には、こんなことが書いてありました。
「夢の破片」 は人並み以上に努力をし、それなりの地位や名声を手に入れた主人公。しかし人生折り返しを向かえ、それでもまだ自分はやれる!こんなもんじゃないと若者のような野心をむき出しにチャレンジ魂で "人生のやり残しをもう一度 やってやろう"と自分を鼓舞する気持ちを歌にしました。
なるほど、歌の主人公は、中高年の男性のようでした。「夢の破片」の歌詞を読んでみると、「都会の隙間に 隠れて夢を見てる 独り言届かない 哀れな男の心」とか、「どこへもゆけぬまま 想いは募るだけ それでも立ち上がり 闇の中を進む」とか、まるで自分のことを言い当てられたような気がしました。
夢があって、頑張っているけど、なかなか届かなくて、やるせない時を過ごしている人って、世の中に生きている人の多くはそうなんじゃないかなって、自分もその1人として思います。
ぼくの場合は夢というのではなく、井の中の蛙のように、自分が身の回りでは歌が上手いと思っていたら、歌が上手い人は世の中に数多くいることを知って、中途半端な天狗の鼻をへし折られてから、本当にうまい歌というか、いい歌と思ってもらえる歌を歌えるようになろうという、朧げな目標を持ちながら、歌を勉強している感じです。ワンチャン、そういう自分が誰かの目に留まって、歌い手として大きくなれればいいなと妄想を描いたこともありましたけど、歌の道にもプロセスはあると思っていて、遅くても1つ1つ、自分が成長した証を肌で実感してから、次のステップに進んでいきたいと思うようになりました。小さなことからコツコツと、みたいな感じです。そうやって、途方もない夢は少しずつ現実へと変わっていくものだということを感じています。夢は見果てぬものではなくて、自分の手で勝ち取っていくものだと思います。世代を問わず、世の中で頑張っている人たちが、ほんの少しの小さな夢であっても、それを地道に達成していくことで、世の中に蔓延っている不安や不満を解消して、本当の夢や希望が見えてくるんじゃないかなと思います。