さて、Bクラスの最後の方82番の歌唱が終わって、17時を過ぎた頃からAクラスの歌唱が始まりました。Aクラスは83番から123番までで、僕は120番、最後から4番目の歌唱です。ホールで多くの歌唱を聴いていると、頭の中がごちゃごちゃになるので、いったん会場の外へ出ました。僕が歌うのは、MAHIRO(マイロ)さんの「愛の言葉〜True Story〜」。この曲は2024年12月のカラオケキングというオンライン大会の課題曲で、マイロさんが審査委員長を務める回で初めて出会いました。初めて歌う曲でしたが、この時3位を頂きました。そして、マイロさんから「曲に心臓の鼓動が聞こえた」とコメントを頂きました。せっかく出会った曲なので、その後もカラオケでよく練習していました。そして、人前でこの曲を歌ってみようと思い、今回選曲しました。歌うのは2コーラスまでなので「永遠に伝えられない わかってるから」と、思いっきり途中で終わってしまうのですが、歌詞にある、今は会えない恋人を思う主人公の言葉や気持ちを客席に伝えて、余韻を残そうと考えました。ホールの中で思いっきり声を出せる場所を探して、これなら行けそうだなという感触を持ったので、あとは、最初のメロディーと、歌詞を何回も読みました。舞台袖で聞いていても、Aクラスの出場者はレベルが高いんです。いつも言われることですが、歌唱力ではそれほど差がなくて、表現力で差が出るのかなと思います。そして、この大会の特徴ですが、子供には優しい評価をするので、大人はその分頑張らないと行けないのです。不公平と言っているのではありません。子供が発する純粋な表現というのは、価値があるものだということなんだと思います。あっという間に、自分の出番になりました。Aメロは一音、一音を大切に弱めに歌って、ちゃんとマイクも拾いました。BメロはAメロよりも強めに、メロディーに流れを持たせて、言葉を乗せて歌いました。サビは思いっきり感情を爆発させて歌いました。そして、1番の最後の「愛の言葉」は静かに歌いました。ちょっと主人公になりきって演じて、歌を歌うだけでなく、歌詞をセリフだと思って歌っていきました。自分としては思うことができたので満足いく歌唱でした。
全ての歌唱が終わって、先生方の総評がありました。前迫先生は色々なことを話してくれました。オリジナルの歌手に似せているだけだと、そこと比べてしまう。なんでこの曲を選んだのか、突き詰める。衣装や髪型もこの曲と合っているのか、プロはそういうことを気をつけている。AIが音楽の世界にも入ってきたけど、人間が歌うことは変わらないし、今後もっと価値あるものになると。野々村先生も、サビの前までをいかに歌えたかで差がつく。立野先生も、聴く人をいかに惹きつけるかが歌の力である。ただ、感性は人それぞれだから、必ずあなたの歌を認めてくれる人がいると話しました。
審査発表で、僕は歌唱賞を頂きました。今回の出場者の中にハイレベルな方が多くいたので、入賞できれば御の字と思っていたので、ギリギリ目標を達成できました。入賞できなかった回もありましたので、名前を呼ばれてステージに上がって表彰されるのは嬉しいです。音ノ市に出るようになってから初めて、3回連続で入賞となりました。
マイロさんもカラオケキングの時に話していたことが、人間だから歌えることを歌いたいということで、僕も人間として、愛する気持ちを、大切な人を失って悲しい気持ちを、でも前を向いて歩いていくと大切な人に誓う気持ちを、歌で表現したいと思いました。そして、奇しくも、同じ話題が三人三様で審査の先生方からも聞くことになりました。方向性は合っていたと思いました。あとは技量の調整が今回できていれば、もっと上の賞が取れていたかもしれません。次の大会の目標ができました。