DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

第7回音ノ市カラオケコンサート③

Bクラスベテランの部は70組がエントリー。Aクラススペシャルの部のように事前の音源審査を受けなくてもよくて、審査員の歌唱審査も受けられるので、Aクラスの参加者と同レベルの歌唱力がある方も多く出場されています。

こういう大会だとAクラスは上級で、Bクラスは中級で、Cクラスは初級みたいな見方をしがちで、確かにその見方の面もありますけど、ぼくが5回聴いた経験からみると、どのクラスにも上級の歌唱をされる方はいらっしゃいます。ぼくがクラスの差を感じるのは、この大会に対する向き合い方の強さとか熱意なのかなと思います。

大会のスケジュールに従って動くので、参加の方の歌を聴くのはホールの客席以外でという場合もあります。ロビーのテレビで聴く場合もありますけど、ここで惹きつける歌唱をした方は割と上位で入賞している気がします。今日もぼくがロビーのテレビで見て引き寄せられる歌唱をしていると思った方はBクラスの1位でしたし、楽屋の声出し部屋で聴いた楽曲の雰囲気に合っていた歌唱と思った方はBクラスの2位でした。

Bクラスの方の歌唱も、選んだ楽曲やアーティストへの思いが強いということもわかりますし、基本は歌が上手い方ばかり参加されています。Aクラスとの差があるとすれば、細かいところのフレーズの処理とか、自分なりの歌のアピールとか、トータルとしての自分の歌唱を俯瞰するとか、あるにはありますけど、思いっきり楽しく歌う方が今回は少ないように感じました。

Bクラスの歌唱も終盤に来たところで、Aクラスに出場するぼくは楽屋の声出し部屋へ。部屋にいた数人の方がガチで声出しをしていて圧倒されました。でも、前回のぼくは声出しをやりすぎて本番で失敗したので、歌いたい気持ちを抑えて、楽屋の電波状況が悪かったので、いったんホールの外に行って、動画を聴きながら、ここで初めて思いっきり本番モードで声を出してみました。

今回ぼくが選んだ楽曲は、小川たけるさんの「陽炎〜KAGEROW〜」という、ロックテイストな演歌でした。女性の主人公が心に渦巻く感情を表現する作品で、小川さんも振付での表現を上手く使われていました。鏡貼りの練習室で、大きな振りはできないけど、歌の世界を表現する上で入れたら面白いかなと思う振付を確認しました。

舞台袖に来て歌の順番を待ちました。ぼくは綺麗事じゃなくて、カラオケ大会で勝とうと思って歌おうとは思いません。そんな下心があって臨んだ歌唱の時は入賞できませんでしたから。ぼくの場合は選んだ曲が世の中では知られていないことが多いので、初めてこの楽曲を聴く客席の方にどうやって伝えて知ってもらえるか、それを自分の実力でどこまで表現できるか、そこを一生懸命やろうと思いました。

そしてぼくの歌う時が始まりました。ステージ中央まで行って、審査員の先生方に挨拶してから、ステージの正面を向いて、右手で軽く振りを入れて第一声へ。抑え気味に歌う声もうまくマイクに乗って響いていたので、出だしも順調。ぼくはあまり感情を入れすぎないようにいつもは歌うことが多いのですけど、今回は歌詞の内容を踏まえて、ややオーバーアクションかなと思うくらいに2コーラスの約4分、日頃の練習よりも思いっきり歌えました。

歌い終わって、歌仲間の方から「素晴らしかったですよ、本当に」と言われました。あまりやらない歌い方なので、結果がどう出るかわからなかったので、少し安心しました。その後も音ノ市優勝者の矢島さんからは「ちょっと、優勝じゃない!新たな一面を見せましたよね」と絶賛されました。心の優勝が頂けただけでも嬉しかったです。このあたりでもしかしたら入賞できるかもしれないと思いました。

Aクラスは約40組が出場。他の大会での優勝、入賞経験者が名を連ねている激戦の舞台です。カラオケ大会って、それぞれの大会の審査員の中にテーマがある感じで、そのテーマに寄り添えたかどうかで、入賞するかが決まるように思います。

いろいろなジャンルの楽曲が披露される中で、歌唱力に参加者の差がほぼないハイレベルとなると、些細なミスとか違和感で僅差が生まれますし、いわゆる上手いだけの歌よりどれだけ上に行けるかというところが、最近の大会では着眼点になっていると思います。

審査員の先生の総評でも、音程と発声がどの音でもきちんとできているかを細かくチェックした、歌にどれだけ気持ちの表現を乗せられたか、ここで差がはっきりと出た話をしていました。

審査結果が発表され、ぼくは第6位ということでtvk賞を頂くことができました。前々回、前回と表彰のステージに上がれなかった悔しさから、今日再び表彰のステージに上がれたことが何よりも心の底から嬉しくて、笑顔で賞状と副賞を受け取ることができました。

帰りの電車の中で、審査員の方々のコメントを読みました。前回指摘を受けた発声はとても明瞭に伝わった。楽曲の世界観をしっかりと理解して、想いが伝わってきて、とても良かった。とても素晴らしい歌唱で感動した。思いもよらぬ高い評価で戸惑いました。歌の世界は「とても」という言葉がもらえると、今日の歌は良かったんだなというのを自覚できるのです。