DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

リアル大会

6月5日、ぼくは香川県高松市にある高松国分寺ホールで開催されたカラオケ大会に行って、歌ってきました。出ることになったきっかけは、3月下旬、香川県を中心に音楽活動をしている女性2人組デュオのPräparat(ぷれぱらぁと)さんが、Twitterで、このカラオケ大会の開催と、彼女たちが主催しているオンラインのカラオケ大会「ぷれぱCup」の開催を同じ時期に紹介していた頃でした。ぼくはオンライン大会よりは、実際に会場で歌う大会の方が好きなので、PräparatのSatomiさんに「どちらかというと、高松国分寺ホールの大会の方が興味があります」と答えたところ、Satomiさんから「入賞者部門はもうすぐ定員に達するから、お早めに申し込んでください」とのご返答がきました。その翌日に、「定員の20名に達したので、審査員の方に相談して、更に5名まで追加する」との発表がTwitterであったので、すぐに申し込みました。香川県も一時期コロナの感染者が増加しましたが、5月下旬に開催が正式に決まりました。

さて当日。ぼくはJRの端岡駅からぶらぶら歩いて20分、高松国分寺ホールに到着しました。この大会は、Präparatの曲「讃岐国分寺」を歌う「讃岐国分寺部門」、DAMの採点機能で100点満点の採点を競う「採点部門」、どこかの大会での入賞経験者が競う「入賞者部門」があり、ぼくは「入賞者部門」に参加しました。10時からの讃岐国分寺部門の9人が歌い終わって、11時から入賞者部門に入りました。ぼくは10番目でした。直前の2週間は、カラオケでの練習が全くできず、香川県に入った前日の夜と当日の朝にやっと練習することができ、ぼくが歌う曲、宇佐元恭一さんの「雨ニモマケズ」を何回もチェックして、準備は何とか整えました。でも、やっぱり舞台裏に向かうと、緊張感が増してきて、それは舞台袖の前まで来るとピークに来ていました。自分の出番になり、ステージの中央に立ちました。「よろしくお願いします」と挨拶したものの、会場からの拍手はなし。ここで、「しっかりと歌おう」というスイッチが入りました。1フレーズごとに、自分が決めた歌い方とか、会場への視線の向け方とかは考えていた通りにできました。客席はコロナ対策もあって、前の方の席は撤去されていたので、一番前に座っている方でも結構遠くだったんですが、そこまで声がしっかり届くように、ボールを飛ばすような気持ちで声も出すようにしました。歌い終わって「ありがとうございました」と挨拶しましたが、拍手は薄めな感じでした。舞台袖に戻り、スタッフの方から「いかがでしたか」と聞かれて、思わず「良かったです」と答えてしまいましたが、まだ会場の空気感もまだ暖まっていない感じで、1コーラス終わったところで拍手をしようとしていた人が何人か見えて、確かに自分の感触としては良かったですし、緊張していた自分に勝てたなと思いました。この時点では賞が貰えなくても、自分としてはやり切った満足感がありました。こういうところが、リアル大会でなければ体感できない、現場の臨場感や緊張感なのかなとも思いました。

この大会は、「愛のカタチ」を作られた歌手の中村つよしさんが特別審査員を務めたこともあり、入賞者部門でも5人の方が「愛のカタチ」を歌われました。大会では歌われることが多い曲ですが、ぼく自身は歌ったことがない曲です。この曲を歌う方は皆さん上手いんですけど、中村さんのオリジナルと比べてしまうと、メロディーを綺麗に歌いすぎている印象があって、歌詞の言葉の背景がぼくにはどうもピンとこなくて、この日もやはりそうでした。

14時前から採点部門に入りました。素点プラスボーナス点で100点を競いますが、素点で100点を取った方が1人、ボーナス点込みで100点を取った方が2人、ボーナス点込みで99点台の方が2人と今まで見た中で一番ハイレベルでした。そして、歌としても味わいのある歌唱をされる方も多く、95点以上の方も多くいらっしゃいました。

中村つよしさんが大会の総評をコメントされた中で、「縦軸の音程と横軸のリズムをしっかり管理されている」前提で、「完璧の上は何か」と問われ、「それはいい加減」と言われました。風呂の温度に例えられて、「今の時期なら39℃が丁度いいと思っても、冬になれば40℃がいいと思うようになる」と、良い加減であり適当な塩梅を目指していくものだと話されました。そして、「採点ともなれば、また完璧を認めて技を高めていくのかな」と言われ、確かに100点を取られた3人は、ここで何をすれば点を加算できるのかということを徹底して追求していたように思えました。

ぼくは入賞者部門で高松国分寺ホール賞(5位)を頂くことができました。カラオケ大会に参加してから3年になりますが、初めて表彰状と盾を授与されました。今まで入賞したことはありましたが、賞品や賞金はあっても、トロフィーや盾や賞状は頂いたことがありませんでした。壇上で審査員の方から表彰を受けて賞状を受け取ったとき、本当に嬉しかったです。やっとここまで来れたんだなっていう気持ちでジワッときました。

大会が終わって、PräparatのEMIさん、Satomiさんのお2人ともお会いすることができ、色々なお話をできましたし、何人かの歌の仲間の皆さんともなかなか会えない状況の中、この場所で会うことができたことが嬉しかったです。確かに電子ツールでやり取りはできますし、話もできます。でも実際に顔を合わせて会って話すと、距離感が縮まりますし、親近感が湧くんですよね。ぼくは現場の空気感は大事だと思っていますし、人と人の結びつきを強くするのには欠かせないと考えています。リアル大会で歌うことも同じで、音楽の楽しさや面白さを、そこに集まった皆さんと共有できることがイベントの根幹だと思っていますし、そういうイベントに自ら参加していくことで、今後のリアル大会の復活に向けて微力でもいいからお手伝いしたいと思います。