DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

君に薔薇薔薇…という感じ

DAM★ともで最近歌っている曲が、力を入れて歌うようなバラード曲が多めだったので、ファンキーな曲も歌いたかったところ、思い出したのが田原俊彦さんの「君に薔薇薔薇…という感じ」という曲です。

この作品は1982年1月27日に田原さんの8枚目のシングルとして発売されました。作詞は三浦徳子さん、作曲は筒美京平さんです。筒美さんはこの作品で初めて田原さんに楽曲を提供した後、「原宿キッス」「ラブ・シュプール」「シャワーな気分」のヒット曲を提供します。三浦さんは「ラブ・シュプール」「シャワーな気分」の歌詞を書いています。三浦さんと筒美さんのコンビは、早見優さんの「夏色のナンシー」など、当時の女性アイドル歌手への作品でも見ることができます。

1970年代後半は歌手・作詞家・作曲家はチームで作品を作っていくスタイルがありましたから、ピンク・レディー阿久悠さんと都倉俊一さん、山口百恵さんは阿木燿子さんと宇崎竜童さん、沢田研二さんは阿久悠さんと大野克夫さん、野口五郎さんは作曲で佐藤寛さんと筒美京平さんという感じで、ライバルの歌手同士の仕事は受けないようにしていた傾向が見られます。それが1980年代に入るとライバル双方の作品を提供するようになってきます。筒美さんは、近藤真彦さんも田原俊彦さんも、野口五郎さんも郷ひろみさんも、売れてる歌手の仕事は引き受けるという感じでした。三浦さんも同様で、の松田聖子さんのデビュー曲「裸足の季節」と、河合奈保子さんのデビュー曲「大きな森の小さなお家」を同時期に提供しているのはどういう事情だったのかなと思います。

さて、筒美さんが田原さんに感じたインスピレーションは、ちょっと可愛らしく、コケティッシュで、ファンキーな要素も織り交ぜてというものだった気がします。この辺りは、宮下智さんの作品の影響があると思います。田原さんは踊りながら歌うスタイルでしたから、躍動する息づかいとか囁くような声質も曲に考慮している感じがします。この作品を歌って見ると、最初のフレーズの所は低音で歌い続けないといけないので、割に難しいです。田原さんも低音は苦手そうで、高音は伸びがあったと思いますので、サビに「薔薇薔薇」という言葉を叫ぶように歌うのは割と歌いやすいです。最後のリフレインの前の「君の魅力に 僕はAH AH AH AH 感電して Fall in love…」はいかにも俊ちゃんらしいところですが、ウィスパー・ボイスの後で高音へ伸ばしていく感じのところがぼくもお気に入りのところです。


君に薔薇薔薇… という感じ 田原俊彦 夜ヒット