DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

約束

ぼくはカラオケに行くと、演歌も歌謡曲もポップスもロックもジャニーズも脈絡なく歌うことが多いです。カラオケ大会も出るようになってから2年以上が経って、ご一緒する方々が徐々にご自分の方向性を決めているのかなと思うことがある中で、ぼくは一体何系の歌い手なんだろうなと思うことがあります。ベースは歌謡曲だとは思うんですよね。

演歌を歌うとは書きましたけど、ぼくがよく歌うのは、松原健之さん、竹島宏さん、山内惠介さん、中澤卓也さん、新浜レオンさんといった、ポップスのテイストがあって、歌謡曲がベースにある曲を歌われている歌手の方々の曲です。

その中で中澤卓也さんは、NHKのど自慢で優勝されたときに歌われたのは森山直太朗さんの「愛し君へ」ですし、コブクロさんの曲が好きであることからみても、ベースはポップスの方なのだろうと思っています。作曲家の田尾将実さんの指導を受けて演歌歌手として「青いダイヤモンド」でデビューした頃から、ぼくは中澤さんの爽やかだけど中低音がしっかりしている歌い方がいいなと思っていました。DAM★ともでも中澤さんのシングルが発売されるごとに歌うことが多いですけど、ぼくが好きな曲は「冬の蝶」で、アップテンポで盛り上がる感じが気に入ってます。逆に、「彼岸花の咲く頃」や「茜色の空」は歌っていても、ぼくにはまだ歌詞の意味というか、年配になった人情の機微みたいなものがわからなくて、しっくりこないところがありました。「北のたずね人」は聴いたことがなくて、どの歌手の曲でもなんですけど、「北の〜」みたいなタイトルを見ただけで、ぼくは聴く気がしないというか、演歌の心象風景として陳腐さをどうしても感じてしまうんですね。松原さんの「最北シネマ」も同じなんですけど、北とか寒いとか雪とか出せば演歌じゃないでしょう、みたいに思ってしまいます。

中澤さんはBS朝日の「人生、歌がある」で司会を務めるようになって、番組でのトリビュートゲストの曲も見事に歌いこなしている姿を拝見しているので、演歌や青春歌謡にとらわれすぎないオリジナル曲も歌って欲しいなあと思っていました。

1月6日に発売された新曲の「約束」は、前宣伝としてはポップスのバラードというところでした。作詞の石原信一さんは、太川陽介さんの「Lui−Lui」のようなポップスもあるものの、森昌子さんの「越冬つばめ」や市川由紀乃さんの「心かさねて」の印象がありましたし、作曲の田尾さんは一連の中澤さんの作品での印象がありましたし、勝手に森山直太朗さんやコブクロさんのイメージを膨らませていたぼくとしてはそれほど期待していませんでした。

でも、「約束」を初めて聴いたとき、そんな杞憂はどこかに消え去り、シンプルな歌詞とメロディーだけど、しっかりと心に伝わってくるとてもいい曲だと感じました。サビに何度も出てくる「つながっているよ 会えなくっても」という歌詞は、今のコロナに明け暮れる現状での人々の思いを見事に表した言葉であったので、共感できる曲だと思いました。

「歌は世につれ」という言葉があるように、時代や世相を背景に持った歌が生まれて欲しいなあと思います。

中澤さんご本人の動画はNGなので、演歌男子Shinさんの素晴らしい歌唱動画をお届けいたします。


約束 / 中澤卓也 cover by Shin

ぼくもDAM★ともで「約束」を歌ってみたら、意外に点数が良かったので、調子に乗って公開してみました。素人ですので期待はせずに聴いてみて頂ければと思います(笑)

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家族になろうよ

今日はぼくが日頃からお世話になっているカラオケスナックのお店に、新年のご挨拶にお伺いしました。このお店はコロナ対策もしっかりとやっていて、人数も制限して、お店の中でもソーシャルディスタンスを保った環境で歌えるので、安心してカラオケを楽しむことができます。また、このお店に来られるお客さまも、幅広い世代の歌の上手い方ばかりですので、そういう上手い歌を聴くことは、ぼく自身の歌の勉強にもなることが多くて、貴重な場所であると思っています。

今日はご婦人の方と、ものまねタレントをされている男性の方とご一緒しました。ご婦人の方は「上手くないのよ」と言いながらも、秋元順子さんや大月みやこさんの曲をいい雰囲気で歌われていました。「音程が合ってないと言われる」とのことでしたが、違和感を感じるほどの音程ではなく、むしろ歌としてまとまっているようにぼくは感じました。

男性の方は玉置浩二さんや安全地帯の曲を多く歌われ、他にも福山雅治さんや徳永英明さんや藤井フミヤさんのバラードをしっとりと歌われていました。さすがプロの芸能人の方だなと思ったのは、歌われているときの立ち姿が綺麗でしたし、歌に込める姿勢とか気持ちの熱さが聴いていてもわかるものでした。

ぼくが今日1曲めに歌ったのが福山雅治さんの「家族になろうよ」という曲でした。この作品は2011年8月31日に27枚めのシングルとして発売されました。福山さんはこの作品の歌詞を、2011年3月11日に起きた東日本大震災の影響で全国ツアーが中断となっている期間に書かれたそうです。当時福山さんがラジオで「ぼくたち音楽家はこういう状況の中で何ができるのか自問自答した」という話をされていた記憶があるのですが、今思えばその考えたテーマが家族の絆だったのだと思います。

ぼく自身もカラオケをするようになった原点は福山さんの曲なので、福山さんのさまざまな作品には思い入れがあります。「家族になろうよ」のPVは、お父さん役の福山さんが子役のお子さんと自然の中で楽しむシーンが穏やかな温かさが感じられて、好きな映像だったりします。この当時福山さんは独身で、結婚したらこういうパパになるんだろうなと映像を見ながら、よく歌っていたのを思い出しました。

カラオケ大会に出るようになって、福山さんの曲はあまり歌っていなかったので、紅白でこの曲を歌ったというのをきっかけに、久しぶりに「家族になろうよ」を歌ってみたら、理想の家族を描きつつ、一緒に家庭を作ろうという愛の強さが感じられるいい曲だなというのを改めて感じました。

一般的に「福山雅治の曲は易しい」と思われがちなんですが、福山さんのメロディーは1拍目の出だしの低音から2拍目の中音に飛ぶところを安定して歌うのが意外と難しいです。そもそも、「福山さんの最大の武器は、あのイケボな低音の声質にある」と編曲の井上鑑さんも言われていますし、その声質を生かした楽曲が福山さんの歌の世界であり、誰にも真似できない魅力だと思います。

家族になろうよ」の歌詞の一節に「一歩ずつ 与えられる人から 与える人に かわってゆけたなら」というのがあります。ぼくも趣味で始めたカラオケが、周りに触発されて歌が上手くなるように頑張ろうと始めて数年が経ち、何だか趣味というレベルを超えて歌に傾倒している感じになってきています。コロナでカラオケのリアル大会がなかなか開催されない中で、お膳立てされている大会に出ているだけでいいのかな、アマチュアでも自らの手で音楽活動をやる時期に来ているのかなみたいな感覚をジワッと覚えることがあるので、「与えられる人から 与える人に」という言葉が、妙に刺さっている感じがしました。

今日もご一緒した方の歌を拝見して、自分の歌を振り返って、反省して改善しなきゃと思うことがいくつもあったんですが、2021年も前を向いて音楽活動を進めたいと思います。

 

 


福山雅治 - 家族になろうよ (Full ver.)

gravity

2021年が始まりました。年末年始は風邪をひいてしまうことが多いんですが、今回は無事に健康に過ごすことができて良かったです。

さっそく今年の初カラオケということでDAM★ともを楽しんできました。カラオケで歌う曲は、カラオケ大会で歌う予定の曲とか、DAM★ともやKARASTAやnanaに投稿する予定の曲とか、いつも好きで歌っている曲とか、いくつかのグループがあります。1回のカラオケの時間でこれらの曲をすべて歌うことはできませんので、「今日はこの曲とこの曲」みたいに選んで歌ったりしています。

ところが、次々と歌っていくなかで、すっかりぼくの記憶の中で消え去っていた曲が急に蘇って、「この曲久々に歌ってみようかな」と急浮上する曲が出てきたりします。初カラオケで急浮上したそんな1曲が、LUNA SEAの「gravity」という曲でした。

LUNA SEAは1989年に現在のメンバー5人で結成され、1992年にメジャーデビュー。1997年に1年の充電期間として、メンバーが個々に活動をしましたが、ボーカルの河村隆一さんがソロシングルとアルバムを大ヒットさせて、同年のNHK紅白歌合戦に初出場する活躍を見せて、LUNA SEA知名度が一気に上昇しました。1998年に活動再開し、LUNA SEAとして同年のNHK紅白歌合戦に初出場しましたが、2000年12月27日の東京ドームライブを最後に終幕宣言をして活動休止に入りました。そして、2010年から活動を再開しています。

「gravity」は2000年3月29日に彼らの12枚目のシングルとして発売されました。作詞・作曲・編曲はLUNA SEA名義となっています(これは、著作権等からなる印税収入等を公平に分配するため、5人で音楽を作っていることを示すためだそうです。)が、原曲はギターのINORANさんが作詞と作曲を作られ、隆一さんが補作詞をしたそうです。

ぼくもヴィジュアル系ロックバンドの曲を歌うことがありますけど、その中でもLUNA SEAの音楽の底流にあるマイナーなダークな感じが割と好きなので、波長が合う気がしています。その中でも「gravity」って、盛り上がる感じの曲ではないけど、深く静かに心に刻まれていく感じがしてて、歌詞では雨が降っているんですけど、ぼくはなんとなく風が吹き抜けるような情景を思い起こすイメージが好きなんです。ただ、地味な印象があって、人前で歌ったことはまだありません。

LUNA SEAのファン(SLAVEというそうです。)の皆さまたちも、「gravity」への評価が非常に高くて、隆一さんのボーカルの新しい面を引き出したとか、INORANさんの作ったメロディーの質の高さを挙げている方が多いです。ギターのことはよくわかりませんけど、単純なコードだけで、これだけのメロディーの表現力を出しているのは凄いですし、発売してから20年が経つわけですが、メロディーが陳腐化せず色あせないでいるというのが凄いというのは実感できるところです。

高音域がないので、ぼくにとっては歌いやすい曲ですけど、同じメロディーが繰り返される作品って、同じように繰り返し歌っていては味気ないわけで、言葉に合わせて微妙に歌い方を変えていくところに、表現力が試されている感じがします。

LUNA SEAの動画はNGでしたが、INORANさん自らが「gravity」を歌っている動画がありました。作者にしか出せない味というのはあるものだと思います。

今回、久しぶりに歌ってみて、作品の良さを漸く理解できたように思います。これからは人前でも歌ってみようと思います。

 


INORAN - Gravity (Live 2001 The Last Night)

My Gift to You

ぼくがDAM★ともでお気に入りにしているアーティストのCHEMISTRY

カラオケのユーザーさんが「冬ソング祭」という企画をされていて、それがきっかけでぼくも改めて「冬ソングってどういう曲なのかな」と改めて探したりしていました。冬ソングを前面に出していなくても、歌詞を読んでいると、この情景は冬だろうなとかクリスマスだろうなとか、今まで思っていたその作品への新たな見方ができたりします。

CHEMISTRYの冬ソングだと、ぼくは「白の吐息」とか「almost in love」のイメージが強くて歌うことも多いですけど、代表的な冬ソングが「My Gift to You」です。

この作品はもともと2003年1月8日に発売された彼らの2枚目のアルバム「Second  to None」の1曲として作られました。この作品は音楽ユニットのSkoop On Somebady (S.O.S.)が作詞・作曲・編曲を提供していますが、プロデューサーが同じ松尾潔さんだった関係から、CHEMISTRYがS.O.S.のアルバムの1曲「Two of A Kind」参加してくれたお礼として作られました。(この参加した曲の副題として「(S.O.S. meets CHEMISTRY)」が付いています。)作詞の一部は小山内舞さん(松尾さんの作詞家名義)も共作となり、2002年12月18日に10万枚生産限定での7枚目のシングルとして発売されました。シングルでの名義は当然「CHEMISTRY」なんですけど、この作品の名義としては「CHEMISTRY meets S.O.S.」となっています。このシングルは完売となり、CHEMISTRYは2002年のNHK紅白歌合戦でこの作品を歌唱しました。

CHEMISTRYのファンでは冬ソングとしては「My Gift to You」の方が王道らしいです。川畑要さんもそう言われているそうです。ぼくはどちらかというと王道な曲は外して、隠れた名曲の方を好むタイプなので、CDでは一杯聴いていますけど、今まで歌ったことはありませんでした。

改めて歌詞を読むと、「幼い頃の冬といえば」とか「粉雪 街に舞い始める頃」とか、たしかに冬の景色でした。主人公の男性の描き方がかっこいいというか、「いつまでも いつまでも そばにいてあげよう」とか「誰よりも 誰よりも 守りたい気持ちが」というのが、「それが君への 僕の贈り物」と言える凛々しさが、歌っている堂珍さんや川畑さんを彷彿とさせるなあと思いました。そして、この歌詞の世界はとっても寒そうなんですけど、歌を聴いているとどこか温かい気持ちが感じられました。まさに「Hot CHEMISTRY」な感じでした。

最近はYouTubeとか動画で音楽を聴くことが多いですけど、今回初めて「My Gift to You」をぼく自身が初めて歌ってみて、CDで音楽を聴き込んだ地力ってやっぱり残っているんだなあというのを感じたというか、フレーズの終わらせ方とかしっかりと覚えていたり、微妙な音の流れも体で覚えていたり、よく聴いていたことが活かされるのだなと思いました。

だから、新しいアーティストの曲も今どきのメロディーになってはいますけど、同じように聴き込み歌い込み、エッセンスを掴んでいくことは変わらないのかなと。

2020年は今日で終わりですね。ぼく自身年末年始感はまるでありませんが、締めということで、皆さまよいお年をお迎えください。

ご本人の動画はNGみたいなので。SMAPCHEMISTRYが共演している動画で。たぶんスマスマでしょうか。


CHEMISTRY+SMAP My Gift to You

 

北酒場

今週は作詞家・作曲家の中村泰士さん、作詞家のなかにし礼さんの訃報に相次いで接することになりました。

中村さんの作品は、ぼくはちあきなおみさんの「喝采」や「夜間飛行」の印象が強く、ドラマチックなメロディーを作るイメージでした。個人的には、CLUBDAMの歌唱検定の審査をして頂いたことがあって、1回目に「フラット気味になってますよ」と書かれたので、練習し直したら、2回目に「直してきましたね。いいですよ」と書いてくださったことがありました。「歌詞が明瞭ですごくいい」とも書いて貰えたので、そこは今も大事にしているところです。

なかにしさんの作品は、ぼくは西城秀樹さんの「サンタマリアの祈り」やハイ・ファイ・セット「フィーリング」の日本語詞の印象が強く、突飛な言葉を使わずに情景が見える詞を作るイメージでした。

なかにしさんが作詞を書き、中村さんが作曲を書き、生まれた大ヒット曲が細川たかしさんの「北酒場」でした。この曲で、なかにしさんは1968年の黛ジュンさんの「天使の誘惑」に続き、中村さんは1972年のちあきなおみさんの「喝采」に続き、1982年に日本レコード大賞を2回目の受賞作品となりました。

細川さんはデビュー当初は今の面白いキャラクターとは全く違って、真面目そうなサラリーマンが歌っているような印象の方でした。1975年のデビュー曲「心のこり」(作曲は中村泰士さん)が大ヒットして、毎年紅白歌合戦にも出場するものの、次の大ヒット曲が出ない状況でした。ぼくはその頃に細川さんが歌っていた「港夜景」や「ゆきずり」もいい曲だと思いますし、この頃の細川さんの真摯に歌っている姿勢がいいと思いますけど。

そういう細川さんのイメージを打ち破って、「明るいイメージの演歌」を打ち出したのが「北酒場」でした。なかにしさんはザ・ドリフターズの「ドリフのズンドコ節」や北島三郎さんの「まつり」も書いていますし、中村さんもキャラクターとしては明るい方なので、実は意外感はなかったんですね。細川さんは「北酒場」をきっかけに、ヒット歌手から一段上の大物歌手へのステージに上がっていくことになったわけです。細川さんも「北酒場」では従来の歌い方とは違って、軽やかな歌い方で歌ったのも新鮮でした。出会った作品の大きさもさることながら、その出会いを活かす才能もまた大きかったのだと思います。

なかにし礼さん、中村泰士さんと歌謡界を彩られた方々が亡くなられるのは残念です。残された作品を歌っていきたいと思います。 合掌


細川たかし 北酒場(夜ヒット)

 

魔法の絨毯

世の中ではカラオケがいまだに叩かれていますけど、ぼくがよく行く界隈のカラオケ屋さんは意外にお客さんが来ています。家族連れの方とか、カップルの方とかも来ていますけど、ぼくみたいなヒトカラのお客さんが多い印象です。

カラオケの部屋は換気もされてますし、消毒も清掃もきっちりされてますので、この個室で歌ったり休んだりしているフリータイムの状況って、密ではないので、すごく安全な環境だと思っています。ぼくはドリンクバーにしていますので、店員さんも部屋には来ません。ソーシャルディスタンスどころか、人と接触しませんからさらに最強です。

そういう部屋で12月のDAM CHANNELを見ていたら、爽やかな印象の男性が出てきました。川崎鷹也さんという方で、「魔法の絨毯」という曲がいま話題になっている方です。


【川崎鷹也】大人気曲「魔法の絨毯」制作秘話を披露!!【DAM CHANNEL】

ぼくもこの動画を部屋で見ていて、トークの面白い方だなと思いましたし、何曲か歌ってくださったりするサービス精神もあったりして、好感を持ちました。「魔法の絨毯」は川崎さんの奥様がまだ彼女だった頃に作った作品で、歌詞にもあるように「お金もないし力もない、地位も名誉もないけど、君のことを守りたいんだ」と彼女に向けて作った作品でした。

元々は2018年に発売したアルバム「I believe in you」に収録されていましたが、2020年に入ってからTIKTOKで話題となり、注目されるようになりました。SNS発信での音楽の流行というカタチが顕著になったのが、2020年の音楽シーンの特徴かもしれません。


魔法の絨毯

2018年頃に川崎さんの歌に出会っていた会場の人たちは幸運だったかもしれません。最近作られたMVは売れる曲としての見せ方が強調されていますので、この当時の歌声が「魔法の絨毯」の源流なのかなと思います。

川崎さんが「魔法の絨毯」を上手く歌うコツとして、曲の中盤あたりの「君がどんな恋を重ねてさ」の「さ」とか、詞の語尾のところを上手く歌えたら高得点につながるという的確なアドバイスをされていました。

ぼくもDAM★ともで何回か練習していますけど、「さ」を強調することで、歌に強弱がついて引き締まる感じになるのだと思います。それよりも、アコギのメロディーにありがちなんですが、1拍目の音の入りの低音をフレーズごとに違う音階で設定するので、なかばか音が当たりにくいです。サビのメロディーは何回も繰り返されますけど、微妙なところに一音違いを入れていたりするのが、作者の川崎さんのこだわりなのかもしれません。

KARASTAでは多くの方が「魔法の絨毯」を歌われています。ぼくは川崎さんの歌声とか歌い方を聴いているからかもしれませんけど、KARASTAで歌われている方の歌がさらっとして、爽やかすぎる印象があるんですよね。川崎さんの歌い方はエッジが効いている感じで、爽やかというよりはしっかりとした感じなんですよね。星野源さんに歌の雰囲気が似ているというコメントもしばしば見たりします。ぼくはそれほど思いませんけど、わからなくもないです。心の内面の思いを表現したいのが、君を守りたいという主人公の気持ちなんですよね。アラジンやジーニーは例え話のモチーフではあるけれど、メインではないんですよね、とぼくは思いながら、「魔法の絨毯」を聴いています。


川崎鷹也-魔法の絨毯【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

 

 

夜永唄

ぼくが11月にDAM★ともに行って、DAM CHANNELを見て、聴いて見たいなと思ったのが、「神はサイコロを振らない」というアーティストでした。

まるで歌のタイトルにもなりそうなバンド名の由来は、ドイツ生まれの偉大な科学者であるアルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein)の言葉にヒントを得たそうです。自分自身が司る道を自分自身で切り開いていくという意味が込められているとのことです。

アインシュタインの世界観の1つに、「自然法則が神である」というのがあって、「科学、宗教、芸術など様々な活動を動機づけているのは、崇高さの神秘に対する驚きだ」と考えていました。神の擬人化へのアンチテーゼでもありますが、音楽は音階やコードによって作られるものではあっても、その音楽が、歌詞やメロディーが生まれるインスピレーションというのは、その作者の自然の摂理からできているのは納得がいくところです。

そういうバンド名を付けたメンバーの4人は福岡の大学で知り合ったそうで、崇高なバンド名には似つかわしくないほど、気さくで人の良さそうな男子たちという感じです。そういう何気ない会話のDAM CHANNELを見ていて、宣伝に上げていた「目蓋」という曲がドラマチックな曲で、話している彼らとのギャップがありすぎて、興味を持ったわけです。

最初は「目蓋」を歌ってみようと思いましたが、KARASTAでも収録されている「夜永唄」から入ってみることにしました。

彼らは2016年7月6日にミニアルバム「anfang」を発売してインディーズデビューをして、2019年5月22日に発売した3枚目のミニアルバム「ラムダに対する見解」に収録されていた「夜永唄」が、2020年に入ってからTIKTOKを中心に話題となり、名が知られるようになってきました。

2020年の音楽シーンで顕著に現れたのが、SNS発信からアーティストとして有名になることであり、その発信のきっかけを作ったのは、日常的に音楽を楽しんだりSNSで発信している、特にフォロワーが多いわけでもない人たちだと思います。彼らもその一例であり、「香水」が大ブレイクした瑛人さんや、「魔法の絨毯」で有名になった川崎鷹也さんもそういうアーティストだと思います。

さて、「夜永唄」って、ボーカルの柳田周作さんの声質が、切なくて儚げなんですけど芯を突き抜ける鋭さを持っていると思いました。それと高音が良く出るというよりは、中低音の響きにも魅力があるなあと思いました。

歌詞も綺麗な言葉を使っているなあと思いました。「金木犀の香りが薄れていくように 秋が終わり 消えていったあなた」とか、実に文学的だなあと思いました。

ぼくも歌ってみたいなあと思い、この曲を毎日聴いています。何回も聴いていると柳田さんの歌い方とか表現の仕方は段々とわかってきますけど、そのわかったことをDAM★ともで試したりすると、まだ微妙なメロディーのところができなかったりとか、歌ってみないとわからないところもいくつもあります。研究しがいのある作品だと思います。

 


神はサイコロを振らない「夜永唄」【Official Lyric Video】