DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

コメントと寸評

ぼくは「新東京カラオケグランプリ2021(TKGオンライン)」の7月大会に急遽参加することになりました。この大会はカラオケ評論家の唯野奈津実さんが主宰を務めるオンラインカラオケ大会です。2019年までは「東京カラオケまつり」というリアルのカラオケ大会を開催されていましたが、コロナの影響で、今はオンライン大会を実施しているところです。

カラオケ大会って主催者のカラーが色濃く出ますので、出場者にとっては合う合わないといった相性みたいなものがやはりあります。ぼくが初めて出たカラオケ大会は「東京カラオケまつり」でしたが入賞しませんでしたし、その後は音源審査も合格せず出場させてもらえないことか続いたので、「唯野さん主催の大会は相性が悪い」と判断して、以後は特に大会の案内を見ることもありませんでした。

だから、TKGオンラインについても、全く関心がありませんでした。よく行くお店でもこの話題が出ました。「TKGオンラインは出ないんですか」と聞かれ、ぼくは「相性悪いんですよね」と答えたところ、「そうなんですか。でも出てみたらどうですか」と言われました。

7月大会は、7月15日にエントリーの受付が始まってすぐに50人の定員に達し締め切られていました。ところが、7月20日に「追加1名のエントリーを受付する」との発表がありました。今まで何の関心もなかったのに、急に「出てみようかな」と思いました。「でも、相性悪いから、受付してもらえないだろうな」と頭をよぎったものの、ダメ元でエントリーの入力を進めていったら、運良く、受付の仮エントリー完了に辿り着きました。

支払いを終えて正式にエントリーしたものの、動画提出期限は8月2日まで。東京都内のカラオケチェーン店舗は営業しておらず、周辺の県の店舗に行かねばなりませんが、その時間が確保できるのは7月30日の1日だけでした。当日はお店に入って、通された部屋のレイアウトやカメラの位置を確認して、声出しから始めて、何度も歌っては録画を確認して、5時間かけて動画の収録が終わりました。

動画を提出して、8月3日の夜から出場者53組の動画が公開されました。今回の動画はjoysoundうたスキ動画と決められていて、出場者の動画にはコメントを書くことができました。リアルの大会では出場者全員とお互いに会話をするのは困難ですけど、印象の良かった人への投票期限8月8日まで日数もありましたので、ぼく以外の52組の動画を見て、感想をコメントに書くことにしました。ぼくは審査員ではありませんし、同じ出場者ですから、音程やリズムといった技術的なことは書かずに、歌トータルとしてぼくが持った印象を書くことにしました。食レポで「おいしい!」というだけでは何がおいしいのか伝わらないのと同じで、歌のコメントも「上手い!」や「素敵!」では伝わらないので、ぼくがいいと思ったことが伝わるように書きました。なかなかこういう場では、他人の歌の欠点を書くことはできないので、どうしてもコメントが褒め合う感じになってしまいます。それが往々にして、褒めすぎなコメントが飛び交うことになります。「最高です」「感動しました」「聴き入りました」のワードを見ると、それは本当にそう思ったのか疑わしくなるんです。最高とか感動とか聴き入るというのは、よほどの物を聴いた時に使うべきであって、やっためたらに乱発するものではありません。ぼくも自分の歌に対してそういったコメントを頂きましたけど、ぼくは自分の歌の出来を既に判断していて、その出来に対しての飾りのない感想が欲しかったんです。感動するほどのものでないことはわかってますから、本当は何を伝えたかったのかなと解読するのが苦労しました。ぼくは52組の方に対して、美辞麗句は書かずに、その方に対していいなと思ったことを書きました。上手いとか完璧とか書かなかったので不満に思った方もいるだろうと思いましたが、その一方でぼくが書いたことを受け止めてくださった方も多かったので、ホッとしました。

一方で、審査員の先生からは寸評を頂きました。1人の先生からは、総じて曲に歌声がマッチしていたという評価は貰いましたが、歌詞の歌い方について、1文字めをはっきり歌ったり、語尾の2文字をくっつけて歌ったりといった細かい気遣いをすることにより、歌の輪郭がはっきりするという指摘がありました。もう1人の先生からは、歌自体は高評価を頂きましたが、歌う表情をもう少し笑顔で歌ってという指摘を受けました。1日で動画を完成させなきゃという必死さが如実に表情に出てしまったようでした。

入賞はダメなのかなと諦めていたら、期待賞という賞を頂き入賞することができました。

出場者の皆さんが歌が上手いのはわかっていて、本当に知りたいのはその先のことなんですよね。歌が好きな仲間だからこそ、ここをこう歌ったらもっと良くなるというアドバイスを受けることで、歌は向上するのではないかと思います。馴れ合っているだけでは成長しませんから。