曲との出会いはいろいろなきっかけがあります。Twitterでフォロワーさんがいいねを付けた方が、ぼくが聴いたことのない曲の一節を歌われていたようでした。
「水平線が光る朝に あなたの希望が崩れ落ちて 風に飛ばされる欠片に 誰かが綺麗と呟いてる 悲しい声で歌いながら いつしか海に流れ着いて 光って あなたはそれを見るでしょう」
ぼくは歌っていた方の心地良い歌声がとてもいいと思ったんですが、何という曲なのかを調べてみたら、それはback numberの「水平線」という曲でした。
back numberはボーカルの清水依与吏さん、ベースの小島和也さん、ドラムスの栗原寿さんの3人からなるバンドで、2014年にメジャーデビューしてからシングルもアルバムも常にヒットしているアーティストです。ぼくはback numberのことは知っていましたが、歌ってみようという興味はありませんでした。
「水平線」という作品は2020年8月18日、未発売の楽曲ということでゲリラ発表されました。YouTubeで音源が公開されましたが、現時点でCDの発売や配信の予定はありません。この作品を作ったことについて、清水さんがコメントをされています。
「費やし重ねてきたものを発揮する場所を失くす事は、仕方ないから、とか、悲しいのは自分だけじゃないから、などの言葉で到底納得出来るものではありません。選手達と運営の生徒達に向け、何か出来る事はないかと相談を受けた時、長い時間自分達の中にあるモヤモヤの正体と、これから何をすべきなのかが分かった気がしました。先人としてなのか大人としてなのか野暮な台詞を探してしまいますが、僕たちはバンドマンなので慰めでも励ましでも無く音楽をここに置いておきます。清水依与吏(back number)」
「新型コロナウイルス感染拡大は私たちの生活に大きな影響を与え、back numberとしても心苦しい選択を強いられて来ました。そんな中、インターハイ(全国高等学校総合体育大会)が史上初めての中止、という決定が下され、それまで開催に向けて尽力してきた運営を担当する高校生たちからback numberに手紙が届きました。学生時代に自身も陸上競技でインターハイを目指していた清水依与吏は、今年のインターハイの開催県が地元・群馬県であったこと、開会式で「SISTER」が演奏される予定だったことを知り、何か彼らや彼女たちのために出来ないか考え、急遽制作し、完成した楽曲が『水平線』です。本来、インターハイの開会式が行われるはずだった、本日8月18日に公開致します。
「水平線」はDAM★ともでも歌うことができますので、何回か歌ってみました。画面に映るこの曲のPVでは、女子高校生が歩きながら身につけている物を道に捨てていき、学校の前も通り過ぎて、たどり着いた海に向かって叫ぶシーンへと流れていきます。テロップに出される歌詞は今の世の中を冷静に見ているような気がしました。
あらかじめ答えが用意されてないことが多いのが我々の生活ですけど、どんな環境にあろうとも、自分で悩んで、考え抜いて、自分の答えを見つけることが、自分を生かす道なのだろうと思います。最初は出来ないかもしれないと思うことでも、何が出来ないのだろうと考え抜くことで、逆にこれなら出来るかもという可能性を見つけ出せるかもしれません。
納得のいく、説得力のある説明もなく、日本の中だけでもどれだけのことについて機会を失わせているのだろうかと考えさせられます。たとえ機会を奪われたとしても、新たな機会を見つけて実行しようという気持ちは常に持っていたいと思います。