「平成」も来年の4月で終わりますが、「平成」の大ヒット曲を挙げるときに思い出す1曲が、夏川りみさんの「涙そうそう」(なだそうそう)です。
「涙そうそう」の作詞は森山良子さん、作曲はBEGINによるものですが、この作品が生まれたのは、森山さんがライブで共演したBEGINに曲を依頼したのがきっかけでした。BEGINから森山さんに届いたデモテープには「涙そうそう」というタイトルが付いていました。「涙そうそう」は沖縄の言葉で「涙がぽろぽろこぼれ落ちる」という意味だと聞いた森山さんは、若くして亡くなった森山さんのお兄さんのことを思ってこの曲の歌詞を書いたそうです。
「涙そうそう」は1998年に発売された森山さんのアルバム「TIME IS LONELY」に収録されました。
森山良子(Moriyama Ryoko) - 涙そうそう(nada sousou)
その後、作曲者であるBEGINも2000年にシングルとして「涙そうそう」を発売しました。
2000年7月21日~23日に「沖縄サミット」(第26回主要国首脳会議)が開催された時のテレビ中継で、レセプションか歓迎イベントかはわかりませんが、BEGINは「涙そうそう」を歌いました。このテレビ中継を見た夏川さんは「私もこの曲をカバーしたい」とBEGINに依頼し、2001年3月21日に夏川さんの「涙そうそう」がシングルとして発売されました。
発売と同時に沖縄では週間チャートの1位を獲得し、2001年の年間チャート1位も獲得しましたが、この作品が全国へ浸透するまでは時間がかかったそうです。ぼくも当時を思い出すと、初めて聴いたのはFMだったかと思います。知らない歌手の歌だけど、綺麗な歌声だし、心が洗われるいい曲だなあという第一印象でした。CDショップに買いに行ったんですが、「な」行の所に目立たなく置いてあった「涙そうそう」を買いました。その後、この作品が大ヒットしたのでとても嬉しく思ったものです。
「涙そうそう」が売れてきて、夏川さんの姿をNHKの歌番組で初めて見ました。どこかで見たことのある顔だなあと思っていたら、夏川さんは、1989年から1996年まで「星美里」という芸名で演歌歌手をしていたことがあったそうです。何かの演歌番組で見た覚えがありました。「夏川りみ」としては再デビューだったんですね。
夏川さんは2002年のNHK紅白歌合戦に初出場し、「涙そうそう」を歌唱しました。また、2003年のNHK紅白歌合戦では森山さん、BEGIN、夏川さんで一緒に「涙そうそう」を披露しました。