DAM★ともでそろそろ秋の曲を出そうと思っていた9月の頃はまだ酷暑の名残があったのに、ここ数週間の吹く風は秋晴れなんですけど、僅かに冬の気配を感じてきました。ぼくも秋の曲を出し損ねている、そんな「季節の変わり目」に思い出したのが「秋冬」(しゅうとう)という曲でした。
この作品は多くの歌手が歌っていますが、テレビでよく見た高田みづえさんの「秋冬」は1984年1月1日に発売されました。同年のNHK紅白歌合戦で、高田さんはこの作品を感極まって歌唱したシーンは今でも記憶に残っています。当時、大関の若嶋津関と交際していて、結婚する話も出ていた高田さんにとっては、歌手の引退を既に決意し、これが最後の紅白出場になるとの思いがあったのだと思います。
「秋冬」の作詞は中山丈二さん、作曲は堀江童子さんですが、オリジナルは、1980年に亡くなられた中山さんが遺したデモテープの中に入っていました。中山さんと親交のあった関口宏さん、峰岸徹さん、カルーセル真紀さんの協力により、同年に自主制作盤としてシングルが発売されました。YouTubeに中山さんの歌声がありました。
1983年に橘美喜さんという歌手が「秋冬」を歌ったのをきっかけに、「秋冬」の競作ブームが起こり、高田みづえさんをはじめ、原大輔さん、三ツ木清隆さんの「秋冬」もヒットしました。ぼくが印象深かったのは三ツ木さんの「秋冬」で、テレビ番組でみる穏やかな表情とは一味違う歌声に驚いたものでした。
原大輔さんの「秋冬」も当時はじっくりと聴いてませんでしたが、原さんっていい声質をお持ちで、この歌には、ヨーロッパの秋冬も思い浮かべさせてくれる感じもあり、枯葉が舞う季節が思い起こされるものを感じました。
同じ作品を歌っても、歌手によってこんなに違うんだということを改めて感じました。どの歌が好きというのは人それぞれだと思います。
ぼくの素人カラオケはとりあえず歌いたいと思った曲を好きに歌ってるだけだったんですが、カラオケ大会に出てから、自分なりの歌のスタイルを決めて歌った方がいいのかなって思い始めてます。あんまり型をはめて歌うのは好きではないんですけど、歌の世界観を表現するためにはそういう面もあるのだろうと言い聞かせてます。