DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

青春アミーゴ

DAM★ともでユーザーさんの公開曲を聴いていると、どうしても最新の公開曲を聴くことが多いんですが、たまにユーザーさんが長いこと公開している曲をチェックすると、自分でもその曲の当時を思い出すことがあります。最近チェックした1曲が、修二と彰の「青春アミーゴ」です。

この作品は、2005年10月~12月に日本テレビで放送された「野ブタ。をプロデュース」に主演した、桐谷修二役の亀梨和也さんと、草野彰役の山下智久さんによる期間限定ユニット「修二と彰」のシングルとして、2005年11月2日に発売されました。

作詞は、山下智久さんの「抱いてセニョリータ」を提供したzoppさん、作曲・編曲は元cannaShusuiさんがスウェーデンの作家チームと共作となっています。

ドラマの視聴率が好調だったこともあり、オリコン初登場1位となっただけでなく、11月発売にもかかわらず、2005年のオリコン年間シングルランキング1位を獲得しました。また、翌年2006年のオリコン年間シングルランキングも3位となりました。2年連続のTOP3は、1972年・1973年の宮史郎とぴんからトリオの「女のみち」(日本のシングル歴代2位の曲)以来という快挙で、162万枚のミリオンセラーとなりました。

スウェーデンの作家さんたちが関わったとは思えないほど、サウンドや歌詞は1980年代のジャニーズの歌謡曲の雰囲気を醸し出していて、そこに当時20歳前後だった亀梨さんと山下さんのユニットという新鮮さがうまく融合し、歌いやすい曲として幅広く浸透したのではないかと思います。

亀梨さんは2001年からKAT-TUNのメンバーですが、KAT-TUNのシングルデビューは2006年3月の「Real Face」なので、この作品はデビュー前ということになります。山下さんは2003年からNEWSのメンバーでしたが、この作品の大ヒット後、2006年5月には「抱いてセニョリータ」でソロデビューし大ヒットとなりました。

久しぶりにこの曲を聴いて思ったのは、修二と彰を続けたら良かったとまでは言いませんけど、亀梨さんも山下さんもグループではなくソロ活動の道に最初から進んだ方が良かったかもって思うんです。KAT-TUNとNEWSについては、ファンの方には申し訳ないですけど、ジャニーズのプロデュースの失敗例だと思ってます。ジャニーズジュニア黄金世代の頃からの彼らの個々の才能をうまく融合しきれなかったなあと思うし、メンバーのグルーピングを間違えたなあという思いは今もあります。多くの男性アイドルを抱える事務所の中で、「青春アミーゴ」のような路線を歌うグループがあっても良かったのかなと今さらですが思います。こういう曲ならミリオンセラーが取れたんですから。


青春アミーゴ 修二と彰

 

砂漠のような東京で

先週から東京は酷暑が続いてます。暑いのは好きなんですけど、朝も夜もちょっと暑すぎな感じです。「涼しい歌」って検索したんですが、うまく見つからず、ちょっと乾いた歌をということで思い出したのが、いしだあゆみさんの「砂漠のような東京で」という曲です。

この作品は1971年5月10日にシングルとして発売されました。作詞は橋本淳さん、作曲は中村泰士さんです。オリコン3位となる大ヒット曲となり、1971年のNHK紅白歌合戦ではこの作品を歌唱しています。

「東京」と「砂漠」の入った作品というと、内山田洋とクールファイブの「東京砂漠」(1976年5月10日発売)や、黒沢年男(現在は黒沢年雄)さんが叶和貴子さんとデュエットした「東京砂漠のかたすみで」(1984年1月21日)がありますが、これらよりも早くリリースし、この3曲の中では最も売れたのは「砂漠のような東京で」です。

いしだあゆみさんは1970年代の個性的な歌謡曲・ポップスの時代を支えた歌手であり、とかく「ブルー・ライト・ヨコハマ」ばかりが取り上げられますが、他にも「太陽は泣いている」や「あなたならどうする」など、いい作品がいくつもあると思います。

歌詞は、一人の男性にどこまでも尽くしていくと決めた女性の心情なんですが、「砂漠のような東京で 貴方一人のしもべとなって」「夜も寝ないで 女の真心 私は 私は 尽くすのよ」「花になるのよ 枯れはてるまで 私は 私は つくすのよ」という決心と覚悟を表す言葉が、歌の世界観を際立たせていると思いました。

中村さんというと、ちあきなおみさんの「喝采」や細川たかしさんの「北酒場」のように、振り幅の広いメロディの印象がありましたけど、この作品は歌詞を踏まえてだと思いますが、淡々としたメロディで進んでいきますが、それが女性の内に秘めた心をうまく引き出していると思いました。

ぼくもこの作品はYoutubeでもたまに聴くことがありますが、1人の女性の気持ちを歌っているだけなのに、砂漠のような東京を包み込んでいるというか、凌駕してしまうようなスケールの大きさを何となく感じます。


Tokyo. 砂漠のような東京で

Heaven Only Knows

ぼくがDAM★ともでお気に入りにしているアーティストのCHEMISTRY。2017年2月28日に東京国際フォーラムのワンマンライブで活動を再開し、2017年11月15日に再始動シングル「Windy」を発売しました。そして2018年6月20日に再始動第2弾シングル「Heaven Only Knows」を発売しました。作詞は松尾潔さん、作曲は川口大輔さんという、CHEMISTRYの作品には欠かせない方たちですが、このコンビでのシングルは意外に初めてではないかと思います。

「Heaven Only Knows」を聴いたとき、CHEMISTRYらしい曲だなあとすぐに思いました。歌詞は別れてしまった恋人との日々を振り返り、あのときどうすればよかったのだろうと答えを今も探し続けているという、切ない言葉が最初から最後まで続きます。

CHEMISTRYは歌の世界をものすごく感情を込めて歌うタイプではありませんけど、堂珍さんの透明な声質は歌詞の切なさや儚げさを醸し出していると思いますし、川畑さんの強靭な声質は歌詞の中の葛藤や情熱を表現しているように思います。この2人がハーモニーを奏でると、その声の混じりあいが歌の世界観を広げているように思います。

2人ともソロの6年間でますます歌唱力に磨きがかかってます。逆にいうと、素人がカラオケで歌うにはものすごく難曲化しているんですよね。堂珍さんパートの「いくつかの恋の真似事 通りすぎたけど」は、高音で伸びを効かせて「とお~り すぎ~た け~どお~お~」なんていう技は、堂珍さんにしかできません。リフレイン前の「back in the day」も凄すぎて真似できないです。でも、雰囲気だけでも出したいなあと思って、ほぼ毎日カラオケで練習中です。


180626 UTACON

夏の終りのハーモニー

ぼくもカラオケで色々なアーティストの作品を歌っている割には、好き嫌いがあって、「食わず嫌いな曲」というのも結構あります。その1曲が、井上陽水さんと安全地帯のデュエットによる「夏の終りのハーモニー」という曲でした。

この作品は1986年9月25日に安全地帯の12枚目のシングルとして発売されました。作詞は井上陽水さん、作曲は玉置浩二さん、編曲は星勝さん、安全地帯、中西康晴さんの共作になります。

たぶんこの作品をカラオケで初めて聴いた時の印象が悪かったんだと思います。陽水さんや玉置さんはぼくより一回り以上も上の方だし、この作品をカラオケで歌っている素人さんたちも同じ世代の方が多くて、だからなんだと思いますけど、その時のぼくから見てると、何か古臭くて、ハーモニーを押しつけられているような印象があったんです。それ以降、あまり聴きたくない曲で、ぼくも歌わない曲でした。

そんな考えが変わったのは最近のことで、CHEMISTRYNHKの番組で、カバー曲を歌う番組だったと思いますが、「夏の終りのハーモニー」を歌っているのを見ました。彼らの歌を聴いて、プロだなと思うのは、オリジナルの歌手の歌い方に引きずられず、自分の歌を歌っているんですね。そして、ハーモニーも押しつけがましくなかったです。

この作品って、歌うのが難しい曲だと思いました。だから、ぼくは歌うのを避けていたのかもしれない。自分を試してみようと思って、カラオケで初めて「夏の終りのハーモニー」を歌ってみたら、1フレーズづつ歌っていくうちに、今まで嫌いだった曲が、意外にも自分に合っているのかも…と思ってしまいました。3回目ぐらいの歌をDAM★ともの公開曲に申請してみました。


ケミストリー 夏の終わりのハーモニー

Another Orion

東京カラオケまつり新宿大会を観覧して、111名の方の歌を聴いて、ぼくも自分で歌ってみようと思った曲がいくつもあって、その1曲が藤井フミヤさんの「Another Orion」という曲でした。

この作品は1996年8月7日に藤井さんの10枚目のシングルとして発売されました。作詞は藤井さん、作曲は増本直樹さん、編曲は富田素弘さんです。増本さんはこの作品で有名になられた記憶があります。藤井さんが主演を務めたドラマ「硝子のかけらたち」の主題歌にも起用され、オリコン1位となる大ヒット曲となりました。この年の紅白歌合戦でも歌唱されました。当時、この作品を聴いたときから「すごく感情が入ったバラードだなあ」と思い、いい歌だなあとすぐに思いました。ぼくが初めて買ったCDシングルはこの「Another Orion」なんです。

好きだなあと思ったのはBメロのところで、1番の「さあ 立ち上がり 繋いだ手を放そう ここからは ひとりでも 帰れるだろう」、2番の「さあ もう行こう 振り向かずに走ろう 一度だけ あの場所で 手を振るから」っていう歌詞もグッときますし、メロディーのAメロからの展開がいいと感じています。

チェッカーズの作品もフミヤさんの曲も歌うととかくフミヤさん的な歌い方になりがちなんですけど、フミヤさんがこの作品について、「ぼくもこの曲は変に飾りを付けずに、素直に歌ってみようと思った」と話されていたのが印象に残っていて、DAM★ともで公開しましたけど、フミヤさんにならないように意識して歌ってみました。

この当時のフミヤさんはポップス歌手としては最強だったと思います。


Another Orion..

恋衣

DAM★ともで公開曲を出していたユーザーさんや、カラオケ大会によく出場されている方が、その後メジャーデビューをするパターンは結構あります。カラオケ世界大会でチャンピオンになった海蔵亮太(かいぞう りょうた)さんは、6月27日に「愛のカタチ」でメジャーデビューしましたし、初代DAM★ともマスコットを務めた岡本幸太さんも1月10日に「雪の日の再会」でメジャーデビューしました。2016年2月24日に「あいたい」でメジャーデビューした林部智史さんも、THEカラオケ★バトルへの出演がきっかけのようです。林部さんの新曲を最近Youtubeで見て、味わいのあるいい曲だなあと思ったのが「恋衣(こいごろも)」という曲でした。

この作品は6月20日に林部さんの4枚目のシングルとして発売されました。オリコンの週間シングルチャートでは初登場10位を記録しました。作詞は阿木燿子さん、作曲は来生たかおさん、編曲は安部潤さんです。安部さんのお名前は、Kinki Kidsの「Anniversary」のc/wにある同曲の20th.memorial versionや、CHEMISTRYの「TWO」という曲(カラオケでは歌うのは超難しい曲です)でお見かけしたことがありますが、FIELD OF VIEWのキーボードをされていた印象が強いです。

林部さんはぼくの中では、DAM★ともの企画であった川畑要さんと一緒に歌を歌える企画で優勝した方というイメージなので、メジャーデビューされてからの路線が「泣き歌の貴公子」という異名があるほどのいわゆる歌謡曲路線を走っているのがちょっと意外ではあります。「恋衣」の冒頭の「ふと目を窓にやれば 花水木の葉が揺れてる」を聴いただけで、来生さんのメロディーの世界だなあと感じました。同時に、来生さんはこの作品をどういう感じでセルフカバーするのかなあという興味が湧いてきました。結構提供した歌手への対抗心がありありで一味違ったセルフカバーに仕立てるのは、「夢の途中」でも「シルエット・ロマンス」でも実証済みなところです。林部さんと阿木さん・来生さんにあまり親和性は感じていないんですけど、歌えば歌うほど味わいが出てくる「スルメ曲」だと思いました。10年後に林部さんが「恋衣」を歌ったときに、もっといい歌になっている気がします。

歌手として生き残るのは大変なことで、林部さんも演歌・歌謡曲系の番組でお見かけすることがあります。本当はCHEMISTRYみたいな曲を歌いたいんだろうなあとは思いつつ、歌手としてのキャラクターを確立する必要もあるんだろうなって。

こういう疑問は若手から中堅の演歌歌手の人たちにもあって、もともとはポップスをカラオケ大会で歌っていた人たちが、歌手デビューに当たって演歌に一時的に衣替えしているのと同じなんですよね。好きな歌も歌ったほうがもっと売れるんじゃない?と思うのは素人考えなんでしょうけど。


林部智史 / 恋衣 (Music Video) ~ショート・バージョン~

今週は東京も真夏日が続き、もうすぐ夏がやってきそうな感じです。カラオケも夏歌が合う季節になってきましたが、夏歌のイメージがある1曲が、福山雅治さんの「虹」という曲です。

この作品は2003年8月27日に福山さんの18枚目のシングルとして発売されました。福山さんの作品はほとんど井上鑑さんが編曲をされますが、「虹」は作詞・作曲・編曲を福山さんがすべて行っています。テレビドラマ「WATER BOYS」の主題歌にも起用されました。このシングルのC/Wの1曲は、2002年に前川清さんに提供した「ひまわり」を福山さんがセルフカバーしています。もう1曲は「それがすべてさ」という曲で、当時のポカリスエットのCMソングに起用されました。この3曲のバランスがよくて、ぼくの中ではお買い得なシングルでしたが、福山さんの歴代シングルの中では、「桜坂」、「HELLO」、「IT'S ONLY LOVE」に次ぐ4位の売上で、2003年度オリコン年間シングルチャート2位の大ヒットとなっています。ただこの頃の福山さんは、紅白歌合戦への出場を実質拒否してた頃なんですよね。

DAM★ともでぼくがお気に入りアーティストに入れている福山さんの曲は、低音で歌えるので歌いやすいというのもありますが、思っているほど歌うのが易しいわけではないと思います。冒頭の「聞いて欲しい歌があるよ」というのも、ただ歌っているとのっぺりした感じになるのと、音程が今ひとつ安定しないんです。だからぼくは「聞いて/欲しい/歌が/あるよ」みたいに、3音ずつ切っていくような感じで歌ってました。AメロとBメロはこんな感じで続きます。サビの「ただ地図を広げて ただ風を待ってたんだ 答えもなく」と「いま僕は行くのさ イメージの向こう側へ 僕の向こうへと」は、福山さんの声質が生かされている部分です。井上鑑さんが福山さんの歌の強みについて「彼の声質は楽器のようである」とコメントしていたのを見ましたが、低音で響きのある福山さんの声質は、顔もイケメンですけど、声もイケメン、イケボだなと思います。「答えもなく」と「僕の向こうへと」のところで、低音に力を入れて歌うと、歌にメリハリが出ているように感じます。ぼくもそういう福山さんの歌い方を参考に歌ってます。「虹」は、キラキラした夏空と照りつける太陽を感じさせてくれます。


【PV】虹~Original Version~《歌詞付き》- 福山雅治《Video Clip》