DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

砂漠のような東京で

先週から東京は酷暑が続いてます。暑いのは好きなんですけど、朝も夜もちょっと暑すぎな感じです。「涼しい歌」って検索したんですが、うまく見つからず、ちょっと乾いた歌をということで思い出したのが、いしだあゆみさんの「砂漠のような東京で」という曲です。

この作品は1971年5月10日にシングルとして発売されました。作詞は橋本淳さん、作曲は中村泰士さんです。オリコン3位となる大ヒット曲となり、1971年のNHK紅白歌合戦ではこの作品を歌唱しています。

「東京」と「砂漠」の入った作品というと、内山田洋とクールファイブの「東京砂漠」(1976年5月10日発売)や、黒沢年男(現在は黒沢年雄)さんが叶和貴子さんとデュエットした「東京砂漠のかたすみで」(1984年1月21日)がありますが、これらよりも早くリリースし、この3曲の中では最も売れたのは「砂漠のような東京で」です。

いしだあゆみさんは1970年代の個性的な歌謡曲・ポップスの時代を支えた歌手であり、とかく「ブルー・ライト・ヨコハマ」ばかりが取り上げられますが、他にも「太陽は泣いている」や「あなたならどうする」など、いい作品がいくつもあると思います。

歌詞は、一人の男性にどこまでも尽くしていくと決めた女性の心情なんですが、「砂漠のような東京で 貴方一人のしもべとなって」「夜も寝ないで 女の真心 私は 私は 尽くすのよ」「花になるのよ 枯れはてるまで 私は 私は つくすのよ」という決心と覚悟を表す言葉が、歌の世界観を際立たせていると思いました。

中村さんというと、ちあきなおみさんの「喝采」や細川たかしさんの「北酒場」のように、振り幅の広いメロディの印象がありましたけど、この作品は歌詞を踏まえてだと思いますが、淡々としたメロディで進んでいきますが、それが女性の内に秘めた心をうまく引き出していると思いました。

ぼくもこの作品はYoutubeでもたまに聴くことがありますが、1人の女性の気持ちを歌っているだけなのに、砂漠のような東京を包み込んでいるというか、凌駕してしまうようなスケールの大きさを何となく感じます。


Tokyo. 砂漠のような東京で