DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

ぼくが目指す歌の道

ぼくも2018年6月に初めてカラオケ大会に出てから6年半。いろいろな方とお見知り頂き、輝かしい戦歴とまではいえませんけど、最初の頃よりは歌唱力も成長したと思いますし、折に触れ入賞させて頂くことも多くなりました。この界隈は、もともと歌が上手い人たちが、更に上手くなろうと努力する姿勢の方が多く、ぼくもそういう切磋琢磨に感化されたからこぞ、今まで続けてこられたと思います。一つの目標に向かって頑張っている世界っていいなと思っていますし、お互いが良い所を認め合える優しい世界があってもいいなと思っています。

そういう界隈の中で今朝方、非常にスキャンダラスなツイートを読みました。あるカラオケ大会の主催者が、審査員として呼んだA氏が、肉体関係にあった自身の生徒を入賞させる等不公平な審査をした疑いがあり、また自らの経歴に詐称があったことがわかり、大会前に出場者とその歌唱曲のリストを一部の者に見せていたとして、お詫びをしたのです。

ぼくがこの界隈の中でどういう場所にいるのか、自分でも確認しようと思いました。ぼくはA氏が当時社長となっていた会社が主催する「ジェネステ」というカラオケ大会に参加しました。カラオケ大会っていつどこで開催されているのか、始めたばかりのぼくはわからない中、フルコーラスで歌える、ライブハウスで歌えるこの大会を知って、2019年2月、2019年3月、2020年3月に開催された大会に参加して、当時このブログにも書いています。ぼくはこれらの大会で入賞することはありませんでしたが、A氏が話していた「聴き心地の良い歌」を目指していった結果、ぼくの歌は初めて聴く方には「聴き心地がいい」と言って頂けることもあり、その原点はこの大会で研鑽した成果だと思っています。また、この大会で出会った歌仲間と今も交流している方が多く、そのきっかけの場を作ってくださったことには感謝しています。ただ、ぼくの歌のことはあまり評価してもらえてないのかなという感触が、2021年に参加したカラオケ大会での審査員を務めたA氏の寸評や総評からも感じられるようになったこともあり、それ以降のA氏が審査員を務める大会への申し込みはしないようになり、冒頭のツイートのカラオケ大会も申し込みをしませんでした。ただし、A氏がぼくの歌を全く評価していなかったことはなくて、最後にお会いした2023年11月の日本大衆音楽祭でぼくが入賞した祭も、「もっと上の賞かと思いました。やっぱり好きっていうのは強いですね」とお褒めの言葉を頂きました。

A氏はボーカルトレーナーですが、この数年は全国で生徒を増やすとともに、色々なカラオケ大会の審査員も務めるようになりました。生徒が入賞することも多く、指導効果をアピールするツイートも出していました。A氏の生徒さんたちの歌い方を聴いていると、「ああ、Aさんに習っているんだな」というのが感じられるのがいいとは思わなかったので、ぼくはA氏の生徒になろうと思ったことはありませんでした。

今朝方のツイートを読んで思ったのは、常日頃から「公平な審査」を声高に言っていて、項目の細分化や定量化にこだわっていた人が、その前提にも立っていない状況、人から疑われる状況を容認していたのだろうという疑問でした。カラオケ大会の審査員の中には、恣意的でエコ贔屓な審査員もザラにいると思いますが、結局そういう人たちと同じでは意味がないなあと思いました。経歴詐称の件はやっぱりそうだったのかと思いました。今はインターネットやSNSが発達していて、例えばプロの歌手の方のアマチュア時代のことも調べればわかりますので、調べても何も出てこなかったので大したことはやっていなかったんだなあと思っていましたが、ぼく自身は過去のことはさほど気にしていませんでしたが、その詐称した経歴を信じて申し込んだ人にとっては、騙されたという感覚を持つのではないかと思いました。そして、大会開催前にシークレットにしている出場者と歌唱曲のリストを一部の人に漏らしてしまうのは、個人情報漏洩を問われかねない失態だと思います。数日前にライバルがこの曲を歌うことがわかって、自分はどういう対策をとろうかと思う人がいたら、競う大会においては不公平となる懸念があります。

今回のツイートに至る背景としては、カラオケ大会というビジネスを巡る法的トラブルが発生したのではないかと思っています。信用とか信頼は、一旦裏切るような行動をすれば、一瞬にして崩れ去るのは、どういうことでも同じです。人間って不思議なもので、違和感とか疑念とかいう直感って、そこにエビデンスがなくても、まあまあ当たっているのかなと思うことがあります。人に疑問を持たれない立ち振る舞いは大切だと思います。

さて、ぼくはこの界隈でも本当に一匹狼のような立ち位置です。カラオケ大会に出たからといって、主催者から有利にしてもらえることなど何もありません。また、歌仲間のグループに入っているわけでもありませんので、カラオケ大会の当日も1人で行動していますし、群れをなす行動とは真逆の関係にあります。歌って、今までも書いていますけど、歌っている本人の心情まで晒されるわけで、表も裏も隠さず表現していかないと、人間としての自分の持ち味が歌に活かせないのかなと思います。冒頭のカラオケ大会は賞金が出る大会ですが、ぼくは賞金が欲しくてカラオケ大会に出るタイプではなくて、大きなホールで歌えるからカラオケ大会に出ているわけです。お金に興味はないけど、自分の歌は認めてもらいたい。でも、事前に有利になるように設定なんかして欲しくなくて、ガチでいい歌と認めて欲しいんです。審査員の好みがあるのは人間なのだからあると思います。そういう審査員の心をいかにして自分に向けさせるかは、自分の力次第だと思うのです。

どんな世界でも、雑音はありますし、不条理だってありますけど、そういうことを乗り越えたり、サラッとかわしたりしながら、しなやかに歌の道を進みたいと思います。