DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

シスター

ぼくがDAM★ともを始めてから、よく歌うペースまではいきませんが、割と歌っているアーティストがポルノグラフィティさん。アキヒトさんの歌声も歌い方も好きなんですが、ハルイチさんが書く歌詞の世界観も好きなので、作品の難しさはありますけど、挑戦して歌っています。彼らの作品で、思い出深いのは「シスター」という作品です。

1999年9月8日に「アポロ」でメジャーデビューしたポルノグラフィティが間もなく5年を迎えようとする直前、因島時代から一緒に活動してきたTamaさんが脱退を表明しました。アキヒトさんとハルイチさんの2人組となった彼らが、デビューからちょうど5年後の2004年9月8日に発売したシングルが「シスター」でした。作詞はハルイチさん、作曲はak.hommaこと本間昭光さん。本間さんはデビュー以来ポルノグラフィティの作曲、編曲、プロデュースを全面的にサポートしています。

前作の「ラック」がロックバンドらしい作品だったのに対し、「シスター」はロックではなく、かといってJ-POPとも歌謡曲とも言い切れない、ボーダーレスなサウンドです。第一印象は暗い曲だなと思いました。後日、アキヒトさんとハルイチさんがいくつかのインタビューで「シスター」について、「暗い曲だけど、ぼくたちは前向きな気持ちで出した曲」とか、「ポルノグラフィティを止めようと思ったことが一度だけあったが、もう一度前に進もうと決心したときにリリースした曲」と話していました。結局、Tamaさんの脱退をめぐって、相当の葛藤があったのが窺えます。

いま振り返って「シスター」の歌詞を読むと、「風が便りを運ぶというなら 僕に宛てた風は吹いていない」というのは、「Tamaさんが書いた曲にもう自分(ハルイチさん)は詞を付けることはできない」と推察してしまいます。「あなたのために祈る事なら 今の僕にも許されるでしょう」というのは、「一体あのとき、何があったんですか」と聞きたくなる気持ちになります。「流れ流れて漂う先で 懐かしい日々を思い出してる」というのは、3人で回った全国ツアーの思い出なんだろうなって。「悲しみが友の様に 語りかけてくる 永遠に寄りそって 僕らは生きていく」は、残った2人が葛藤を乗り越えて、前に進む決意表明なのかな。「数えきれない人の涙で 夜明け前の海は今日も蒼い」と、ファンの悲しみの涙も、そして3人での活動を終えることになった涙の日々は結構長く続いたのかな。これで1コーラス終わってしまったんですが、2コーラス以降も、やはり歌詞に託されたハルイチさんとアキヒトさんの正直な気持ちが如実に現れていたんだなと感じます。それで、作品の題名でもある「シスター」って何だったんだろう。たぶん、「美しいシスターの祈り」って、自分たちの音楽がいつまでも多くの人々に届くようにという祈りであったような気がします。「西の海まで 舟は流れて たそがれと一緒に沈めばいい 明日になったら会えるのかな」は、いつかまた3人で音楽を作ろうなっていう気持ちが滲んでいるように感じました。

「シスター」は、ポルノグラフィティの数多くの作品の中でも、ぼくの心にじんときて、自分を見つめさせてくれて、そして励ましてくれるような曲だと思います。

「シスター」を歌ってみたyoutuberさんの映像で、どういう曲か聴いてみてください。(ぼくではありません。)


ポルノグラフィティ シスター 歌ってみた