6月8日、ぼくは香川県高松市の高松国分寺ホールで開催された「高松国分寺ホールカラオケ大会」に参加しました。ぼくがこの大会に参加するのは4年連続4回目になります。
大会を主催しているPräparatのEMIさんと Satomiさんには、ぼくがこうやって歌を続けられているきっかけを作ってくださった感謝の気持ちがあります。1つはオンラインカラオケ大会に参加するきっかけを作ってくれたことです。ぼくはDAM★ともで自分の歌の録音を公開することは多くやってきていましたが、自分の歌の動画を公開する勇気がありませんでした。2020年にコロナ騒動が始まり、リアルのカラオケ大会が開催中止となる中、Präparatが主催する「ぷれぱcup」というオンラインカラオケ大会では、ぼくが好きな歌手の林部智史さんの楽曲提供に関わった山本加津彦さんとやまだ麻実さんが審査員をされるのを見ました。「このお2人に自分の歌を聴いて貰えるのなら」と、自分の歌の動画を公開する一歩を踏み出すことができました。もう1つは、2021年に、まだリアルのカラオケ大会がなかなか開催されない中、当時の香川県は比較的コロナ感染者が少なかったこともあり、この「高松国分寺ホールカラオケ大会」を開催してくれたことでした。ぼくも東京から遠征して参加しましたが、ここで全国各地から参加した方々と出会えたことが価値あるものになりました。ぼくは以前から、歌の上手い人は全国にいるわけだから、東京だけとか特定のエリアでの大会にこだわらず、カラオケ大会も大阪や九州に遠征していましたけど、オンライン大会や地方の大会に参加することで、全国の歌仲間と知り合えたことが自分の人生にとっても大きなものとなりました。
さて、今回の「高松国分寺ホールカラオケ大会」は、北海道から九州までの全国大会での優勝経験者など強豪な歌い手が集結する異例の陣容となりました。ぼくがこの大会を選んで参加していたのは、地元の方も参加されて、県外から参加するぼくたちみたいな大会に出る人たちの中でも、勝ち負けよりはゆったりと楽しむタイプの方がちらほら参加するぐらいで、まったりといい感じの大会だからというのもありましたが、優勝や入賞を狙いに来たのが明らかな人たちが集結したのは予想が外れました。
ぼくは2つの部門に参加しました。1つは、大会の審査員長でもある歌手の中村つよしさんの指定された楽曲を歌う「中村つよし部門」。ぼくは、「たとえば今僕が消えていなくなって」という曲を歌いました。いつもはこのホールで歌って緊張することはないんですが、中村つよしさんが審査員席からじっと見てるのがわかって、いつになくめちゃめちゃ緊張しながら歌ったので、1箇所高音がひっくり返ってしまいましたが、歌い終わった後は「気持ちが入っててとっても良かった」と言ってもらえました。もう1つは、入賞経験者が出場する「アドバンス部門」。今回、事前の連絡で、ぼくはアドバンス部門のトップバッターで歌うことが決まっていました。トップバッターというのはカラオケ大会では大会の点数の基準にされてしまうことが多く、入賞には不利とされるポジションでした。そういうこともあり、ぼくはそれなら、アドバンス部門のトップバッターとして少しは盛り上げられたらいいなと考え方を変えることにしました。歌う曲は小川たけるさんの「陽炎〜KAGEROW〜」という曲で、振付も入れながら歌う曲でした。過去3回とは全くイメージが異なる曲を選んだので、それが吉と出るか凶と出るかわからないけど、やってみようと決めました。1曲目のド緊張とは全く気分も違って、トップバッターって緊張するものだと思っていたら、落ち着いて出番を迎えることができましたし、歌っている時も冷静に振付を入れながら、1フレーズづつしっかりと歌うことができましたので、予想外に楽しむことができました。
そして審査結果。全国大会の優勝者や上位入賞者が居並ぶ中で、中村つよし課題曲部門でもアドバンス部門でも入賞の名前は呼ばれませんでした。手ぶらかなと思ったその時、追加での入賞発表があり、ぼくはアドバンス部門で「ぐっときたで賞」を頂き、中村つよしさんからステージで賞状を頂くことができました。
大会の中でも残酷な瞬間というか、ステージに上がれるか上がれないかは天と地の差がありますから、入賞の末席であってもステージに上がれてホッとしましたし、入賞者の写真撮影にも入れてもらえたことは本当に嬉しかったです。
でも、ぼくの歌って本来の入賞に選ばれないほど酷くはないような感触もありましたので、沸々と悔しさが滲んできたのも正直な気持ちでした。確かに優勝や入賞の方々の歌唱力は認めますけど、ああいう感じの歌が好まれるのかなと素朴な疑問も湧きました。というのも、今回のぼくが選んだ2曲は、歌の主人公の感情の機微みたいなところを伝えていかないと歌の世界が聴いている方に中身が伝わらないから、そういう発声とか表現に重きを置いて歌ってみました。高音が出てパワフルさがあって技術力が高くてという歌よりは、芸術力な歌を目指しました。表彰式が終わって、歌った曲の審査表を見たら、1年前よりも歌の評価が高くなっていました。だから決してよくない歌ではなかった。でも上には上がいたというところ、それも僅差だったのだと感じました。だからこそ、急遽追加で「ぐっときたで賞」を作ってくださって、表彰して頂けたのだということをひしひしと感じました。次回はリベンジすると心に誓いました。