DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

俺たちに明日はある

DAM★ともでぼくがお気に入りにしているアーティストのSMAP。今朝、SMAP稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんがジャニーズ事務所との契約を更新せず、退所することが発表されました。昨年1月の解散騒動以降、契約を1年更新した頃から、いずれジャニーズを離れることはわかっていましたので、今回の退所発表も既定路線の1つに過ぎないと思います。

そんな彼らの新たな芸能活動に向けて、思い出した曲が「俺たちに明日はある」です。この作品は1995年11月11日にSMAPの19枚目のシングルとして発売されました。SMAPの作品の中ではワイルドなナンバーです。

「一度きりの人生だから 当たり砕け散ったかけら達 抱きしめ今夜は眠ろう」
「時代遅れのオンボロに乗り込んでいるのさ だけど降りられない 転がるように生きてゆくだけ」
「陽が昇ればやり直せるさ 照れや弱さ全部承知だよ この世にお見舞いしてやれ」

この歌詞のように、デビュー直後なかなか上手くいかなかった活動を、今までのアイドルがやらなかったバラエティーにも挑戦して、徐々に知名度を上げていき、そのうちに単なるアイドルではない、日本を代表するエンターテイナーに成長したSMAP

干されるなんてことは、きっとないと思っています。むしろ、事務所に最大限の貢献をしたタレントを、自分の好き嫌いだけで潰した事務所の経営者の一連の行動は、事務所の経営そのものを揺るがそうとしているように思います。エンターテイメントは一般大衆からの人気なくしては成り立ちません。エンターテイメントを潰すような経営者に従っているタレントの映画やドラマの成績が今一つなのも道理ではないかと思います。


SMAP [俺たちに明日はある](SMAP ベストアルバム『SMAP 25 YEARS』収録曲)[カラオケ練習用メロディ(歌詞付きフル)]

 

むさし野詩人

ぼくがDAM★ともでお気に入りのアーティストにしている野口五郎さん。子供の頃は野口さんの作品には関心がなかったんですが、DAM★ともでいろいろな曲を歌っていく中で、初めてめぐり会った曲もあり、「むさし野詩人」もそんな1曲です。

この作品は1977年1月15日にシングルとして発売されました。作詞は松本隆さん、作曲は野口五郎さんの実兄である佐藤寛さんです。歌のテーマとしては地味なんですが、オリコンでも最高2位となり、1977年の年間チャートでも33位となる大ヒットとなりました。

松本さんが書いた歌詞の世界は、情景が目に浮かんできます。「繁華街から 静かな道へ あなたの涙 たどって行くよ 灯りの浮かぶ 公衆電話 今はあなたの 影も見えない」と、ぼくも「むさし野公園」に歩いて入っていくような錯覚を感じます。でも、たどったのは彼女の涙ではなくて、主人公の涙なんだと思います。電話で長話するときは、公衆電話のある場所に行って、小銭をたくさん用意して、ゆっくり相手と話してたことを思い出しました。今はスマホの時代、こういう歌詞は出てこないでしょうね。

「20才(はたち)の春は はかなくて 生きてる事は 哀しい詩(うた)だ 15行目から 恋をして 20行目で 終ったよ」と、失恋したら凹みますけど、これだけ読むと、15才で恋に落ちて、20才で別れたって、1年は1行分だけなのかと突っ込みたくもなりますが、こういう歌詞はほとんど見たことがありません。

一方、佐藤寛さんのサウンドは、イントロのギターチューンがかっこよく始まって、畳みかけるようなアレンジが、「むさし野詩人」の籠った気持ちをうまく表現しているように思いました。筒美京平さんほど難解なメロディーではありませんけど、サビの部分は結構続けて高音で歌わせるようにしています。野口五郎さんの作品は、歌詞も楽曲もちょっと捻っているところが今聴いてみると新鮮に感じられますし、カラオケで歌うと歌いがいがあるなあと思います。


野口五郎 むさし野詩人 1977

月光花

カラオケに行くとたまに、隣の部屋の人の歌声が何となく聞こえてくることがあります。その曲のアーティストになりきった感じの歌い方だったりすることもあって、大体B'zとかEXILEが多いですが、一時期はJanne Da Arcも多かったです。それで思い出したのがJanne Da Arcの「月光花」という曲です。

この作品は2004年10月から放送されたテレビアニメ「ブラック・ジャック」のオープニング曲として起用され、2005年1月19日に23枚目のシングルとして発売されました。オリコンでの順位もこれまでで最高の2位となり、また25週にわたってチャートにとどまったこともあり、オリコンの2005年度の年間22位となる大ヒットとなり、彼らの代表作の1つとなっています。

Janne Da Arcのシングルの大半はボーカルのyasuさんが作詞・作曲を手掛けています。ロックをベースにしていますけど、作品によってハード・ロックなものからポップ・ロックまで作っている感じがしました。ぼくも「月光花」でJanne Da Arcを初めて知ったくちだったんですが、彼らのパフォーマンスを見て意外に思ったのは、ヴィジュアル系ロックバンドを自称していながら、すでにメイクをしていなかったこと、そしてバンドの演奏が意外にかちっとしていたこと、またyasuさんのボーカルが歌謡曲の歌手のようにしっかりと歌っていたこと、だからJanne Da Arcという派手そうな名前とは違って、地味でクールなバンドだなというのがぼくの印象でした。

そして、「月光花」を聴いて、これは平成の歌謡曲だなと思いました。歌詞は「ブラック・ジャック」を念頭に書かれたんだと思いますが、別れた君を思う主人公の思いを、強い言葉は使わないけど、そのはかなさや悲しさがひしひしと伝わってきます。サウンドは、起承転結できれいにまとまっているので、歌う者としては歌いやすいメロディーになっています。

ただし、「月光花」の世界は、yasuさんの綺麗な声と歌唱力だからこそ、聴く人たちに伝わるのだろうと思います。日本のロックを「歌謡ロック」と揶揄する人たちもいますけど、逆にこれが日本の音楽の持ち味じゃないかなと思います。「月の光」や「花」っていうのは、それこそ万葉集の頃から平安の貴族たちが歌を詠んでいるテーマで、日本人にとっては切り離せないテーマです。そういうテーマを現代の音楽と融合することで、また新しい芸術が生まれていくものだと思います。

ぼくはJanne Da Arcの曲は、キーが高すぎてちょっと歌えません。隣の部屋で「ダイヤモンドヴァージン」を歌ってたジャンヌ君の声、かっこよかったです。


月光花 Janne Da Arc YouTube

カナリヤ

プロフェッショナル・キャリア・カウンセラーとして活躍されている坪田まり子さん。彼女は1979年から1985年頃まで「倉田まり子」の芸名で歌手として活躍されていました。倉田さんは17枚のシングルを発表されましたが、ぼくが印象に残っているのは、1982年3月に11枚目のシングルとして発売された「カナリヤ」という作品です。

作詞・作曲は松宮恭子さんで、高田みづえさんの「涙のジルバ」や河合奈保子さんの「愛をください」など、地味なんだけどよくまとまっている作品、大ヒットまではいかないんですがそこそこヒットする作品を提供されていた方です。編曲は高田弘さんで、歌謡曲やアニメを中心に多くのアーティストの編曲を提供された方で、ちあきなおみさんの「喝采」、西城秀樹さんの「恋する季節」、野口五郎さんの「グッド・ラック」、とんねるずの「雨の西麻布」、柏原芳恵さんの「あの場所から」など多数の作品を手掛けています。

「カナリヤ」は、作品としては歌詞も楽曲もしっかりとまとまっていて、動画を見た方がコメントされていましたが、高田みづえさんや柏原芳恵さんが歌いそうな作品です。倉田さんは持ち味の伸びやかな歌唱力で、きれいにこの作品を歌っていたと思います。残念ながら、ヒットはしませんでしたが、今聴いても、地味だけど心に残るいい作品だと思います。

皆さんもご存じのように彼女は、1985年にあった投資ジャーナル事件に巻き込まれたことを契機に、芸能人をやむなく引退されました。しかし、彼女は聡明な方だったようで、その後はLECの講師として活躍するようになり、独立して現在のプロフェッショナル・キャリア・カウンセラーとして、企業や学生への研修・講演などをされているようです。芸能人が引退して次の人生に進むときに、彼女の「魅せ方・話し方・伝え方」を伝授するという今の仕事は、芸能人としての経験を上手に活かせる職業に就かれたんだなと思いましたし、自らの人生を切り開かれたことに敬意を表したいと思います。

何でこんなことを書くかというと、成宮さん、山本裕典さん、小出さんと、芸能活動を停止してしまう役者が続いているからなんですが、彼らはこの先自分の人生を切り開けるのかなと思ったときに、倉田まり子さんの事を思い出した次第です。


倉田まり子 カナリヤ

DAM★ともでは月曜日から金曜日までの毎日、ユーザーさんが歌った非常に多くの曲が公開されています。録音:動画=13:2ぐらいかなと思います。その中から聴きたいと思った曲を聴いていますが、最近ぼくが聴くことが多かったのがスピッツの「楓」という作品です。

この作品はスピッツの19枚目のシングルとして、1998年7月7日に発売されました。作詞・作曲はボーカルの草野正宗さんがされています。スピッツの作品は好きですけど、ぼくがDAM★ともではあまり歌わないアーティストです。草野さんの高音についていけないというのもありますけど、草野さんの透明感があるけど、どこか乾いていて、少しせつない感じの歌声を聴いていた方が心地よいです。

ぼくのスピッツの音楽のイメージの1つは、ちょうど今の時期、初夏から夏場にかけて、キラキラ光る海の見える道路をドライブしているイメージがあります。「青い車」のイメージですけど、スピッツの描く夏は、サザンオールスターズやTUBEが描くギラギラ感とは違います。松任谷由実さんが自分の描く夏を「リゾート地の夏。決して日焼けはしない」というニュアンスで言われていましたが、ギラギラとリゾートの中間ぐらいがぼくのスピッツのイメージです。そして、もう1つのスピッツの音楽のイメージは、やさしくて、でも切なくて、そして寂しくなって、泣いてしまうというものです。スピッツの歌を聴いていて、聴いた後泣いてしまったというコメントをネットで見たりしますが、草野さんのボーカルが歌詞の主人公の世界を如実に表現されているからなんだろうと思います。歌い方はしつこくはなくて淡々と、でも声の奥に芯の強いところが感じられて、また透明感のある声にやさしさが感じられる、意外に色々な特徴が出ているんだなあと思います。

「楓」の歌詞も実に切ないです。歌詞の解釈は色々あるらしいんですが、付き合っていた女性との思い出、そして別れ、それぞれの道へ歩いていく2人、という感じです。「さよなら 君の声を 抱いて歩いていく ああ 僕のままで どこまで届くだろう」という一節は深く感じられます。色々な人と出会って、色々なことを話して、笑って、泣いて、そのときの言葉を今のぼくはどれだけ思い出せるのかなと思いました。なんか哲学的です。ところで、「楓」の歌詞には、「楓」という言葉が出てきません。「楓」の花言葉を調べてみたら、「大切な思い出」でした。

この作品はセールス的には最高10位と、他の作品に比べてあまり売れなかったんですが、「楓」をカバーするアーティストは非常に多くて、辛島美登里さん、松任谷由実さん、クリス・ハートさんもカバーされています。


スピッツ / 楓

どんな僕でも

テレビを見ていると風景の映像に合わせて、いろいろなアーティストの音楽をBGMに乗せたりするのが深夜とか、あるいは番組と番組の間に放送したりするんですが、結構ここで音楽を聴くのが好きで、知らなかったアーティストさんを知るきっかけにもなっています。今回紹介する、MOLE HiLL(モールヒル)というバンドの作品も、J:COMチャンネルを見ていて、東京の上空からの風景が流れる中で、何曲か流れているのを聴きながら、惹きつけられるものを感じました。

彼らのHPを見てみたら、2002年に結成された京都を本拠にしているバンドですが、活動は全国で行っているそうです。2016年7月20日に、1stフルアルバム「Time」を発売し、ぼくが聴いたのはこのアルバムに収録されている曲だったようです。このアルバムでは阿久津健太郎さんをサウンドプロデューサーに迎えたそうです。阿久津さんというと、妹さんとのデュオ「ZERO」で活躍し、1996年に「ゼロから歩き出そう」がヒットしたのを思い出します。

さて、MOLE HiLLの作品を聴いて思ったのは、ボーカルの新大作さんの歌声が聴いてるぼくの側にも届いてるなあと感じたことです。ぼくはカラオケは好きですけど、カラオケバトルみたいな番組は見たいとは思わないんです。アマチュアの人もプロの歌手も点数を競うゲームなんだと思いますが、そこで「自分は歌が上手いんだ」と思いながら自信たっぷりに歌っている人の歌、ぼくは全然そういう歌に惹かれないんです。音程も確かで綺麗な声で歌っていて、完璧なはずなのに、何かが足りないと感じてしまうんです。

だから、売れる歌手は必ずしも歌唱力があるとは限らないわけですが、その代わりに自分の歌の持ち味を表現しようとする力が優れているのかなと思います。

ぼくはMOLE HiLLの作品の中では「どんな僕でも」という作品が気に入ってます。早くDAM★ともで歌える日が来ればいいなあと思っています。


【LIVE】 MOLE HiLL / モールヒル 「どんな僕でも」@池袋サンシャインシティ噴水広場 [公式]


【全曲試聴】MOLE HiLL/モールヒル 「Time」ダイジェスト【2016/7/20発売】

黄金の月

ぼくがDAM★ともであまり歌わないアーティスト、平井堅さんに続く2人目はスガシカオさんです。スガさんの作品は歌詞も楽曲も好きなものが多いんですが、スガさんのファンクなリズムにはついていけても、高音にはぼくもついていけません。そんなぼくが何とか歌えたのが、1997年5月にスガさんの2枚目のシングルとして発売された「黄金の月」という曲です。

スガさんを初めてテレビで見たのが、当時NHKで放送していた「ポップジャム」という番組で、スガさんの4枚目のシングル「愛について」が「ポップジャム」のエンディングソングになっていました。ちょっとハスキーな声から歌われる、ちょっとチクッとくる言葉や、何となく暗めな曲なのになぜか前向きになっていくサウンド、当時は珍しかったカタカナのアーティスト名とか、ぼくの中では気になる存在になっていきました。初期のアルバム「Clover」や「FAMILY」を聴く中で「黄金の月」に出くわして、その後、DAM★ともでもスガさんの曲を公開しているユーザーさんの歌を聴いて、親しみを持つようになりました。

スガさんの書く歌詞は、詩的というよりは文学的な感じです。「黄金の月」の歌詞の主人公は、大人になって、自分を偽れる力を持ったけど、いざというときに大事な言葉を吐き出せなくて、情熱は今や闇を背負ってしまっている。ぼくが好きな歌詞の一節は次に続く「そのうすあかりの中で 手探りだけで なにもかも うまくやろうとしていた」「君の願いと僕の嘘を合わせて 6月の夜、永遠を誓うキスをしよう」というところです。彼女の願いに僕は向き合ってはいない。でも彼女をいつも頼りにしているのは僕の方で、「そして 夜空に 黄金の月を描こう」と自分が生きていくパワーを求めているんですね。自分にどこか正直になれない僕は、「嘘から出たまこと」によって、本当の愛に向き合えていけたのかもしれません。このあたりが前向きになっていく作品に感じられるのかもしれません。20代から30代にかけてのもどかしさやほろ苦さの表現は秀逸だなと思います。シングルのセールス的にはさほど売れなかった「黄金の月」ですが、多くの人に歌われて、今ではスガさんの代表的な作品の1つになっています。


黄金の月 - スガ シカオ(SUGA SHIKAO)