DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

初優勝と悔しさと

6月4日、ぼくは高松国分寺ホールで開催された令和4年度高松国分寺ホールカラオケ大会に行って、歌ってきました。この大会は、主催者のPräparatさんの作品である「讃岐国分寺」を歌う「讃岐国分寺部門」、DAMのAiで採点を競う「採点部門」、カラオケ大会での入賞者が争う「入賞者部門」の3つから構成されています。ぼくは1年前もこの大会の「入賞者部門」に参加して、「雨ニモマケズ」という曲を歌って「高松国分寺ホール賞」を頂きましたので、今回も「入賞者部門」に申し込みました。その後、「讃岐国分寺部門」にまだ空きがあると聞いたので、追加で申し込みました。

1つの大会で2部門の2曲をオンライン大会でエントリーしたことはありましたが、現地で歌うリアル大会では初めてでした。昨年のこの大会の出場者はどの部門も歌の上手い方が参加していましたし、今回は更に全国レベルの上手い方が何人も出場される話を聞いていました。ぼくの今回の目標は「2つの部門とも入賞できること」でした。「二兎を追うものは一兎をも得ず」という諺が何回も頭の中をよぎりましたけど、チャレンジャーの気持ちでやってみようと決断しました。

讃岐国分寺」という曲は、Präparatさんが主催したオンライン大会でこの曲が課題曲だったときに参加して入賞したことがありました。久しぶりに歌ってみたら、当時よりも肩の力を抜いた感じで歌えるようにはなりましたが、DAMの採点をやってみると、表現力が低くて、点数も95点前後という感じでした。

「入賞者部門」でぼくが選んだ曲は、佐良直美さんの「いのちの木陰」という曲でした。この曲もDAMの採点で94点〜95点ぐらいでしたが、他のオンライン大会で歌ってみたら入賞することができたのと、参加者の方からも高い評価を頂けたこともあって、リアル大会で通用するか試してみようと思いました。

2曲とももう少し点数を上げたいと思って、何十回も練習していくと、その日のゴールでは97点を超えられるんですけど、数日空けてまた歌ってみると93点〜96点を行ったり来たりで、なかなか安定した歌唱が続きませんでした。

それと、これは思惑が半ば外れたんですが、入賞者部門は2コーラスのルールで、昨年歌った「雨ニモマケズ」は元々2コーラスの曲なのでフルで歌うことができました。今回の「いのちの木陰」も2コーラスの曲で、2番の後に間奏なしでサビが繰り返されるので、他の大会での経験もあるので、フルで歌えるだろうと思い込んでいました。ところが、DAMの「2コーラス予約」で試してみたら、2番が終わったらカットされることがわかりました。これが開催1週間前のことでした。ラストのサビの盛り上がりなしでこの曲をどう伝えようか考えているうちに、開催前日の練習で煮詰まってしまうメンタルに陥ってしまいました。

歌唱力の問題というよりも、心の拠り所が掴めなくてバランスを崩して悩んでしまった感じでした。そんなぼくの心に希望を与えてくれたのは「リズム」というキーワードでした。「讃岐国分寺」は3拍子だった…なんて前提みたいなことに気づいたら、表現力も点数も嘘みたいに上がっていきました。「いのちの木陰」は「リズム」を2拍子のところを、8拍子で細かく刻んでいくことによって、ロングトーンをしっかり出すところに意識が向けられて、こちらも表現力や点数が同じように上がり、突き落とされた気持ちは安堵に変わりました。

そして開催当日。最初に「讃岐国分寺部門」から始まり、10人の参加者でぼくは7番目に歌いました。ステージでは緊張してないつもりでも、声は練習の時よりも緊張していました。それでも歌い終わった後に色々な方から「良かった」と言われたので、入賞への感触が持てました。次に「入賞者部門」が始まり、33人の参加者でぼくは25番目に歌いました。緊張はあまりなくて、あまり知られていない「いのちの木陰」という曲を客席の皆さんに伝えたいという気持ちで、強く訴えるように歌いました。こちらも歌い終わった後に同じように「良かった」と言われたので、ひょっとして入賞できるのかなと期待しました。

結果は予想外でした。「讃岐国分寺部門」はまさかの優勝でした。「入賞者部門」や「採点部門」に比べれば人数も少ないし、レベルも低いかもしれない。それでもカラオケ大会に出るようになって4年目で、やっと初めて優勝できたことがとても嬉しかったです。自分には縁がないと思ってました。後で審査員の方やMCの方に「断トツでしたよ」と言われ、そういうものなのかなと思いました。一方、「入賞者部門」では入賞できませんでした。後で審査員の方に言われたのが「あの歌い方は大ホールの歌い方なんです。ここは中ホールなんだから、少し抑えて歌えば良かった」ということでした。特別審査員の方にも「熱さは感じた」と言われました。そうか、中ホールに合った歌い方とか今まで考えたこともありませんでした。でもこれって前提みたいなことで、そういうことに気づけてなかった自分に悔しさを感じました。振り返ると、優勝した方や入賞した方は歌のコントロールができていると思いました。そして単にその曲が上手く歌えているというだけではなくて、さらに上質のいい味がありました。ぼくの歌にはそれがなかったわけじゃないんだろうな。いいと褒めてくれたのも嘘ではないと思うし。でも何かが足りなかった。ホールに合った歌とか、そのホールで聴く方に合った歌とか、配慮しなきゃいけないことをやれてこそ、伝わる歌になるんだろうな。まだまだだけど、引き続き頑張ります。