DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

強い気持ち・強い愛

DAM★ともでぼくがよく聴いているユーザーさんが先日、小沢健二さんの曲を公開していました。小沢さんは昨年、久しぶりにミュージックステーションで歌を披露し音楽活動を再開されましたが、1994年頃から1996年頃までの「オザケン」は個性的な活躍をされていました。小沢さんの作品の中で記憶に残っている曲の1つが「強い気持ち・強い愛」という曲でした。

この作品は1995年2月28日に小沢さんの7枚目のシングルとして発売されました。作詞は小沢さん、作曲は筒美京平さん、編曲は小沢さんと筒美さんの共作となっています。オザケンの音楽の作風というと、ヒップホップグループのスチャダラパーとのコラボで発売した「今夜はブギ―バック」とか、あるいは「ラブリー」や「痛快ウキウキ通り」のような、自然体で伸び伸びと好きに歌っている小沢さんの歌う姿だったりするわけですが、「強い気持ち・強い愛」のサウンドはどこか毛色が違う仕事ぶりと思っていたら筒美先生だったんですね。サウンドは売れる曲を目指してカチッと作ってますし。歌詞は都会の中で刹那に生きている若い男女が夜を彷徨っているなかで、「強い気持ち 強い愛 心をギュッとつなぐ 幾つの悲しみも残らず捧げあう 今のこの気持ちほんとだよね」とお互いの気持ちを確かめあうみたいな内容で、「渋谷系」といわれたとおり、当時の渋谷の夜の賑わいはこんな感じだったかなあと振り返っています。この作品のカップリング曲となった「それはちょっと」も筒美さんの作曲で、当初は「それはちょっと」をタイトル曲にする予定だったのが、小沢さん自身が次第に「強い気持ち・強い愛」への思いが高まって、タイトル曲になったそうです。

小沢さんの当時の映像を見ると、結構声量があって、マイクを割と離して歌ってたんですね。アイドルでもなく、大手の芸能事務所にいたわけでもないので、自由にファンキーにはじけて歌っているというのが、今となっては新鮮に映ります。「渋谷系音楽」っていうのは特にそういう音楽があったわけではなく、ちょっと知的で、ファッションセンスが高いアーティストたちが、都会の生活をテーマにした音楽を歌っていたのを、雰囲気として総称していたのかなと思います。ニュー・ミュージックの系譜を継いだ音楽なのかなとも思います。


強い気持ち 強い愛 小沢健二