DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

to Heart

ぼくがDAM★ともでよく歌ってきたのがKinKi Kidsの曲です。ジャニーズのタレントの曲はたくさんありますけど、音楽的にジャニーズ的アイドルサウンドとは一線を画しているのが、SMAPKinKi Kidsだと感じています。Kinki の曲はソロで歌っても歌いやすいところがあり、でも簡単ではないというのが、カラオケで歌いがいがあるところです。もちろん、2人でのコラボもしやすくて、DAM★ともで長年お互いの曲を聴きあっているユーザーさんがKinKi好きということもあって、その方とは何曲もコラボ録音させて頂きました。

KinKiの曲はアップテンポの作品も多いですけど、バラードの名曲も数多くあります。彼らのデビュー20周年を記念して、2017年1月7日に「Ballad Selection」というバラードだけを集めたベスト・アルバムを発売しました。その中に収録されている1曲が「to Heart」という曲です。

この作品は1999年10月6日に発売された彼らの8枚目のシングル「雨のMelody」の両A面シングルとして発売されました。堂本剛さんが主演したドラマ「to Heart ~恋して死にたい~」の主題歌にもなりました。作詞は久保田洋司さんとE.komatsuさんの共作、作曲は宮崎歩さん、編曲はCHOKKAKUさんです。久保田さんはトラジ・ハイジの「ファンタスティポ」を作った方です。E.komatsuさんはドラマの脚本を手掛けた小松江里子さんですが、脚本家の方が作詞を手掛けるというのはたまに見かけます。宮崎さんは存じ上げなかったんですが、デジモンシリーズの楽曲を中心に活動されている歌手の方で、ジャニーズのタレントへの作品提供も数多くされています。

ぼくもKinKiの曲はアルバム曲も含めて多く歌ってきたつもりでいたんですけど、「to Heart」は今まで歌ったことがなくて、曲を聴いて、こういう曲あったなあと思い出したところです。KinKiの曲は剛さんと光一さんの声質とか、作品の傾向から見ると、どこか哀愁を帯びていて、ちょっとカーブを混ぜたような感じの印象が強いんですけど、「to Heart」は直球ストレートな感じで、「君」へのまっすぐな愛を伝える作品です。

「ケータイでつないだ運命 広い宇宙(そら)の片隅で どんな遠く離れていても 届くはずさ my Heart」が当時の時代を映しています。今ならスマホやLINEなんでしょうけど、固定電話の時代から、携帯電話が普及するようになって、人々の交流も大きく変わったと思いますし、「君」とのつながっている感みたいなものが強くなったように思います。

曲の最後にある「せつなさのすべてをかけて 僕は信じる Heartは届くと」という歌詞がいいなと思いました。歌も演奏もそうなんですけど、客席にいる全員のためではなくて、誰かのために歌ったり演奏している感じの方が、感情や表現が強く出るらしいです。ぼくも歌っているときは、聴いてくださっている方の中でも、じっと聴いてくださっている方や音楽に乗ってくださっている方がいるとすごく嬉しいんですけど、自分の歌にせつなさがあると、もっといいのかなと思ったりします。人に思いを伝えるには、ある程度の熱量は必要ですね。

本人の動画はありませんので、「to Heart」を歌われている方の動画を見て、練習しようと思います。(ぼくではありません)


Kinki kids to heart [カラオケ]

代表選考会

人間はある意味精密機械のようでもあるので、歌もその日によって調子が良い日もあれば、調子が悪いわけではないんですけど、何だかすっきりしない日もあったりします。

ぼくの歌の調子は、7月~8月は、練習していた曲が精密採点で97点台や98点台が取れるようになり、点数抜きに歌そのものを聴いてみても、別に何か下手になっているところはないと思うのに、音源審査を出してみても、思わしくない結果が続きました。

自分で考えてもいいアイデアが浮かばないので、他のカラオケ大会に出てみようと思い、昨年も応募した日本カラオケボックス大賞のことを思い出しました。8月の初めにTwitterで情報を見つけて、東京カラオケボックス防犯協力会にエントリー用紙を送って頂き、自分が「これでいい」と思った音源を入れたCDを送りました。東京地区代表選考会定員の10名に選ばれるつもりは全くなくて、今の自分の実力が知りたかっただけでした。

9月の初めに東京地区代表選考会出場の書類が届いたときは、出場できることも嬉しかったんですけど、自分が練習してきたことは別に間違ってはいなかったんだというか、もやもやしていた気持ちが晴れたのが心の底から嬉しかったです。そして今日は、東京地区代表選考会に行ってきました。

昨年もこの選考会に出て、その時は10名でしたが、今日はぼくも含め19名の方が出場されました。昨年同様、超歌うまさんとして有名な方が何人もいらっしゃいました。会場も去年と同じでしたが、出場者や関係者が前年の倍の人数でしたので、やや圧迫感があり、歌うステージはあったんですけど、すぐそばに何人も座って見ている中で歌うというのは、ホールで歌うときとは別の緊張感がありました。

昨年は未成年の出場者が多かったですけど、今年は年齢層も幅広く、歌う曲目も演歌、ポップス、ロックと幅広くて、それぞれのジャンルでも傾向の違う曲が歌われましたし、歌う方のレベルもやはり非常に高かったので、聴いているぼくとしては歌のいろいろなバリエーションを楽しめる時間を過ごすことができました。

ぼくは今日は、あさみちゆきさんの「聖橋で」という曲を歌いました。もし東京都の代表に選ばれるのであれば、東京の歌を歌って選ばれたいという思いがありました。大会の出場者の面々を見れば、ぼくが東京都代表に選ばれる確率はほぼ0%ではあるんですけど、そんな妄想を描いていました。

審査結果は「非常に難航した」そうですが、1位から3位までが全員女性の出場者の方でした。男性の出場者の方も「すごくいい歌だなあ」と思った方が何人もいらっしゃったので、ちょっと意外な感じもしました。今日の大会を振り返って、入賞した方の歌には何が良かったのかなと考えていたんですが、敢えてというなら、その楽曲の表現がしっかりと確立されていて、それが聴いている側にも他の出場者よりも強く伝わった印象を受けた、というところなのかなあと思います。本当に僅差であったと感じています。

大会の帰り道は、ぼくのルーティンの反省会カラオケ。超歌うまな方のようなものすごい声は出せませんけど、歌う曲の歌詞やメロディーやトータルの世界といったところをもっともっと、聴いてくださる方に強く伝えられるよう、ぼくも歌をもっと練習しなきゃと改めて感じた1日でした。乗り越えるハードルはまだまだ続きます。

アシタヘカエル

ぼくがDAM★ともでお気に入りにしているアーティストのCHEMISTRY。彼らが2001年に「PIECES OF A DREAM」でデビューして大ヒットしたとき、カラオケでも歌おうとしたけれど、どういうふうに歌ったらいいのか、最初はよくわかりませんでした。でもこの当時、平井堅さんがブレイクし、EXILEがデビューするなかで、日本のR&B的サウンドのヒット曲が何曲も登場するようになって、聴く耳も慣れてきて、彼らの曲を歌えるようになったような気がします。

初期のCHEMISTRYの作品は松尾潔さんがプロデュースされていたこともあって、R&Bテイストの濃い作品が続きました。これらの作品を歌っていた堂珍さんと川畑さんも結構必死な感じで歌ってましたけど、素人が歌うとなるともっと必死で、メロディーを追いかけて、慣れぬフェイクも真似てみてという感じでトライしてました。

そのうち、CHEMISTRYの作品の中にも、肩に力を入れなくても歌えそうな作品が出てくるようになりました。ぼくのなかでは「ホッとするCHEMISTRY」というカテゴリーを作ってますが、その1曲が「アシタヘカエル」という曲です。

この作品は2003年8月6日に彼らの8枚目のシングルとして発売されました。作詞は麻生哲朗さん、作曲はハマモトヒロユキさん、編曲は河野伸さんです。この作品から松尾さんのプロデュースを離れて、セルフプロデュースを開始することになりました。とはいっても、麻生さんは「PIECES OF A DREAM」の作詞を提供していて松尾さんとの作業もされてきたので、ハマモトさんも松尾さんがプロデュースしていたKさんの作品を提供していますし、それほど大きく変わった印象はありませんでした。編曲の河野さんは幅広いアーティストへの作品提供をされていますけど、後年川畑さんがソロ活動のときのカバーアルバム「ON THE WAY HOME」の中の「やさしいキスをして」や「三日月」等のアレンジをされています。それと劇伴のオリジナル・サウンドトラックの作品も多数手掛けられていて、最近ではドラマ「おっさんずラブ」も担当されました。

さて、「アシタヘカエル」のMVでは、子供が都心の町中から家に歩いて帰るシーンを描いてますけど、「アシタへ歩きながら帰ろう」っていう息遣いが感じられます。「こうしていけば いつかはちゃんと部屋に辿り着いているんだろうなあ…」っていう歌詞には、「歩いて答えを見つけていこう」という姿勢が感じられて、それはセルフプロデュースを始めたCHEMISTRYへのメッセージだったのかもしれません。「隠れていた灯りが 向こうでいま輝いたように ずっとボクが 歩けば景色だって変わってく」っていうのも好きな歌詞で、何か動いていればある時新しいことへの気づきがあって、それで人は何かを掴んで、また新しい一歩を踏み出せる、そんな気がするんです。ぼくはCHEMISTRYの作品には、日常の生活の中の悩みや葛藤といった思いを歌にしているものが多いと思っていて、それは堂珍さんや川畑さんの等身大の姿を描いていたのかもしれませんけど、聴く者にとっては共感することが多いなあと思っています。

この作品をソロで歌うときも、何か歌に技巧をつけて歌うというよりは、飾らず素直に歌った方が良さそうなんですが、同時に歌唱力が問われてしまう曲でもあって、音程や音符を正しく歌えるのが前提になりそうな気がします。それでいて、曲が奏でる優しい雰囲気も醸し出すと、ぼくが「ホッとする」と感じる歌になるんだろうなと思います。


【カラオケ】アシタヘカエル/CHEMISTRY

指輪

カラオケ大会の楽しみの1つは、自分が歌わない多くの曲を、出場者の方の歌で聴くことができることです。昨日もそういう多くの曲に出会えて、いい曲だなと思った曲が何曲もありましたが、その1曲が、navy&ivoryの「指輪」という曲でした。

navy&ivoryは、ボーカル担当の下地正晃さんと、キーボード・コーラス担当の吾郷水木生さんの2名による、2000年に結成された音楽ユニットです。2005年にメジャーデビューしたシングル「指輪」は大ヒットし、その年の日本有線大賞を受賞されました。

「指輪」は吾郷さんが作詞・作曲をされています。吾郷さんのインタビュー記事を読みましたが、この曲は、まだデビューも決まっていない時にアルバイト先の社員さんが吾郷さんに「結婚パーティーでオリジナルで何か作って歌ってくれ」って言われたのがきっかけだそうです。吾郷さんはシンガーソングライターになりたいと思った中高生の頃から、ラブソングにこだわって作ってきたそうで、人生の歌とか、あんまり大きい歌のテーマが書けないそうです。でも、この「指輪」の歌詞って、すごく人生を語った歌詞だなあと思いました。最初、この歌詞の冒頭が「約束します 君を残して 僕は死ねません」から始まったので、結婚式当日の歌とはわかりながらも、この新郎さんって重い病気で余命いくばくもないストーリーなのかな、と考えてしまいました。

「白いドレスも 綺麗なメイクも 今日限りだけれど」「明日からは またアパートで”いつもの毎日”です」「だけどそこには リニューアルした”愛”があるのです」っていう歌詞がいいなと思いました。

下地さんのインタビュー記事を読みましたが、「指輪」を歌ってからの反響について、「そうですね。一人歩きというか本当に楽曲のパワーで、僕らの知らないいろんな所で『指輪』が流れていて。もちろん結婚式の歌なので結婚式でかけましたってご夫婦の方がたくさんいらっしゃるんですけど、大好きな人のお葬式でかけましたとか、癌と闘っている方が病室で「大好きな人を残して自分は病気に負けて死にたくない」って思いで最期までこの曲を励みに頑張ったって方もいらっしゃって。最初はウェディングソングっていうラブラブな印象があったんですけど、広がりをみせるうちにこれは究極のラブソングだなって思うようになって、大切に歌っていかなきゃいけない曲だなって意識的にもものすごく変わりましたし、一番歌っている曲なんですけど実はいまだに一番緊張する曲ですね」と語られていたのが印象的でした。

まさに歌の力を持った曲というのは、リリースして長い年月が経っても、色あせない力を持っていると思います。この「指輪」は2005年リリース後も、2008年には着うたチャートで1位を獲得したり、2012年には加藤茶さんが自身の披露宴の演出で「指輪」を使ったエピソードを披露した直後に、レコチョクデイリーランキング(ダウンロードシングル)で初登場1位、iTunesシングルチャートでも7月31日16時現在で3位にランクインしたり、同じく2012年にはシンガーソングライターの沢井美空さんが「指輪」へのアンサーソングとして、オリジナルの歌詞を女性目線に変えて、「指輪~あたし、今日、結婚します。~」をリリースしました。

navy&ivoryは2013年から無期限活動休止となっていて、現在は下地さんと吾郷さんはソロでの音楽活動を続けられています。1回、再結成の意味あいで、テレビで歌ったら、「指輪」はまた新たな反響を呼ぶのではないかと思います。


【PV】指輪 navy&ivory

THE KARAOKE

今日はカラオケ大会に行ってきました。「THE KARAOKE 第4回東京大会」というカラオケ大会で、文京シビックセンターの小ホールで開催されました。

カラオケ大会って全国の各地のどこかで、ほぼ毎週のように行われていて、毎週とか隔週とか毎月とか、カラオケ大会に参加される方って結構いらっしゃいます。ぼくはそういう時間もないですし、参加費用のお金もないですし、カラオケ大会に出るようになって1年経ちましたが、1年目で出場したのは6回だけでした。2年目に入って、6月にカラオケ大会に出ましたけど、次に出られるカラオケ大会はないかなと思ってインターネットで見つけたのが、「THE KARAOKE」という大会でした。

過去6回の出場ではホールで歌ったのは1回だけだったので、次はホールで歌いたいなあと思ってました。文京シビックセンターの小ホールといっても300人程度の収容力はあるホールでしたので、これにしようと思って申し込みました。

カラオケ大会当日のぼくのルーティンとしては、大会会場に行く前にカラオケ店に行って声出しをするというのがあります。午前中営業しているカラオケ店は少ないので、今朝はチェックしていた飯田橋のカラオケ店に行ったところ、店員さんが「ご予約されてますか?」と一言。「してませんけど」と答えると、「ご予約のお客さまで満室でして…」との返しが!土曜日の朝からカラオケする人って多いんですね!すぐに飯田橋から神保町に移動し、チェックしていた神保町のカラオケ店に。運よく空いてましたので1時間声出しをしてましたが、今日は久々に夏の暑さが戻っていたので、汗ダラダラになり、汗を拭いながら歌の練習をする感じでした。

その後、会場の受付にやってきました。歌う順番のくじをひいたら27番。受付の人が「トリですね」と言った瞬間、頭真っ白になりましたが、「あ、トリ前ですね」と言い直され、若干回復したものの、そういう歌の順番は初めてだったので、ちょっとドギマギしました。

つまり28名の参加だったんですが、主催者側から「1コーラスの予定だったんですが、今日は2コーラスに変更します」との衝撃の連絡が!ぼくも1コーラスの大会は1回しか出たことがなくて、1コーラスに絞って何十回も練習してましたので、突然のルール変更に動揺しまくりました。慌てて今日歌う曲の歌詞を見直して、2番まで歌うイメージを作っていきました。

今日の大会は1人が歌い終わると、審査員の先生からコメントがあるという形式でした。この形式も初めてだったので、1番の方から順に審査員の先生のコメントを聞いていると、歌の上手い出場者に対しても何気に厳しめなコメントもあったりしたので、「何言われるのかなあ」と段々心配になってきました。

ぼくが今日歌った曲は、林部智史さんの「この街」という曲でしたが、今回は申し込めば自由に曲が選べる大会でしたので、歌ってみたい!というだけで選びました。でもこの曲は、DAM★ともでフルコーラスで歌っていても、95点を超えることが少ない曲でした。点数だけではなく、歌の中身についても、声が安定しないとか、音程が安定しないとか、リズムがタメすぎとか、表現力が低いとか、課題だらけでした。1コーラスで切るという練習をやってみても、最初は80点台前半ぐらいしか出なくて、これは修正しなければと思い、1回のカラオケで10回は練習してました。精密採点DX-Gの採点アナライザーを見たら、どうやら直近200曲歌った中で、127回歌ってたみたいです。精密採点DXの部屋の時もありましたから、150回ぐらいは歌ったと思います。おかげで点数も上がって、音程とリズムは随分高いレベルになりました。

歌はフルコーラスで歌うのが当たり前と思ってたんですが、この数ヶ月ぐらい、自分としてこういう歌でいいのではないかと思ったことが上手くいかないことがあって、成長するための方法を考えあぐねていたことがありました。そこで次に考えたのは、敢えて点数の低い曲に挑戦して、どうやって伸ばしていこうかということでした。

カラオケではいろいろなタイプの曲を歌うようにしています。その中で、ある曲の歌い方が、点数の低い曲のここに活かせるんじゃないかなという気付きがあったりするんですね。同じ曲だけを歌い続けても飽きてしまうタイプなのと、同じ曲を繰り返すと喉の使い方も同じになるので、歌そのものが疲れてしまう感じだったので、喉を痛めないようには注意してました。

さて、本番まであと3人となったので、楽屋に移動しました。前の3人の方がいずれも個性的ですごく上手な方だったので、だんだん緊張してしまいました。自分のステージになったので歌いましたが、声出しで歌いすぎたのか、声が裏返ってしまった箇所が数箇所ありましたし、音の強弱をつけようとしていたところが上手くコントロールできなくて、一本調子になってしまいました。それでも、今日の関係者のほぼすべての皆さんは、ぼくが歌う曲がどんな曲なのかを全く知らないだろうと思いましたので、こういう歌詞で、こういうメロディーの曲なんですよということは歌って伝えたかったと思っていました。歌い終わって、審査員の先生から何を言われるのかなと不安でしたが、いくつもお褒めの言葉を頂けたのが驚きでした。そして、予想どおり一本調子な点を指摘されたのは納得でした。ステージから降りて、主催の皆さんにもお褒めの言葉を頂けたのが嬉しかったです。

今日の大会は超歌うまな方が何人も参加されるのは知っていましたので、もともとどんな賞があるのか見てもいませんでした。悩んでいたこともあったので、ただホールで歌いたい、それだけでした。審査発表で審査員特別賞に自分の名前が呼ばれたときは、本当にびっくりしました。賞を頂けるなんて本当に思ってもいなかったです。そして、これからも「この街」を歌っていくことについて、少し自信が持てたのが嬉しかったです。練習したことは無駄にはならないんだとつくづく思いました。

ハタラクワタシへ

9月に入りました。ヨーロッパは6月から8月までが「バカンス」の時期で、9月に入るとバカンスから戻った人々は、仕事に学校にと「日常の生活」へ戻っていきます。日本も子供たちの夏休みが終わって、やや空いていた通勤の電車やバスにも、学生さんたちが徐々に戻ってくる頃です。学生にとっても、通学ってお仕事みたいなものですよね。久しぶりに行く学校に、ちょっと気持ちが緊張している子たちもいるかもしれません。大人もそういう気持ちは同じで、日曜日の夜はちょっと憂鬱な気分があって、月曜日の朝になれば、通勤へと向かっていくわけで、また1週間が始まる感じです。

先日、テレビから聞こえるコンサートのCMで、アーティストが「おつかれさま」って歌うのでふと画面を見たら、三浦祐太朗さんが映っていました。三浦さんは、母である山口百恵さんの曲をカバーしたアルバム「I'm HOME」が2017年にヒットして、このアルバムは同年の日本レコード大賞企画賞を受賞しました。祐太朗さんは2008年に、同級生で結成したバンド「Peaky SALT」でメジャーデビューし、現在はソロ活動を行っていますが、バンド時代の曲は正直印象には残っていませんでした。何かの歌番組で百恵さんの「さよならの向う側」を歌う祐太朗さんを見て、すごく歌と気持ちが一体となっているなあと感じましたし、他人には真似できないというか、DNAの遺伝子を継承している歌声には味があるなあと思いました。


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祐太朗さんは2019年は47の全都道府県でのツアーを実施されていて、ぼくが見たCMもその宣伝だったようで、百恵さんのカバー曲を歌うシーンもあったんですけど、ぼくが気になったのは「おつかれさま」って歌っていた曲の方で、調べてみたらその曲は、「ハタラクワタシへ」という曲でした。この曲は2018年4月18日に祐太朗さんの配信シングルとして発売されました。ユニクロのwebCMにも使われたようです。作詞は山上陽介さん、有元沙矢香さん、福岡万里子さんの共作、作曲は前山田健一さん、つまりヒャダインさんが提供されました。


ハタラクワタシへ*三浦祐太朗

この曲を初めて聴いたときに、ヒャダインさんってこういうしっとりした曲も書くんだと意外感もありつつ、祐太朗さんの歌は歌詞をしっかりと伝える姿勢が出ているなあと感心しました。ユニクロとのコラボ企画ということもあるので、30代のビジネスパーソンがテーマのようで、ヒャダインさんもこの曲は「がんばれって励ます応援歌ではなくて、リスナーと同じ目線で「一緒にがんばろうね」っていう歌」だと説明していました。そういう場面って、日常でも割にあるというか、今は「努力だ」「根性だ」「やる気があればできる」と鼓舞するだけでは、日本人は動かないんですよね。隣に座って、悩んでいる同僚の話をしっかりと聞いて、「その気持ちわかるよ」って寄り添ってあげて、気持ちを切り替えてあげられるっていうか、仲間の繊細な感情を大事にしていく姿勢が求められているのかなって思います。でも、そういう自分に同じようにしてくれる人は誰もいなかったりする。芸能界もそういう世界のようで、祐太朗さんもヒャダインさんも30代になって「褒められる」ことは全くないそうです。だからこそ、自分を一番わかっている自分が褒めてあげることは恥ずかしいことではなくて、むしろやった方がいいと思うそうです。

ラソン有森裕子さんが、アトランタ五輪で銅メダルを取ったときの「自分で自分をほめたい」という名言を聞いていたこともあり、ぼくは自分で自分を褒めてあげるっていうのは時々やってます。誰も褒めてくれませんから。亡くなられた樹木希林さんも、「自分を俯瞰して見るって大事よ。そして、自分で自分の頭をなでてやるの」って話されていたことがありました。今の世の中って、昔ほど安穏ではいられない空気があって、人々の考え方も多様になった分、違う考え方への寛容さが薄れているというか、そういうのは日常の仕事や生活の中でも、小さな対立や軋轢を生みがちになっていると思います。だからこそ、優しく語りかける、人に寄り添うっていうのは価値があると思いますし、盛り上がる歌とは別に、自然体で歌う歌もまた必要だと思うのです。

楽園都市

ぼくがこの1年ぐらいお気に入りなアーティストに入っているオーイシマサヨシ大石昌良)さん。8月21日にオーイシさんのニューシングル「楽園都市」が発売になりました。9月2日付けのオリコン週間シングルランキングでは初登場28位となっています。

ぼくが大石さんの歌を初めて聴いたのは2018年3月頃、深夜の音楽番組で「パラレルワールド」という曲をギター1本で歌っている大石さんを見て、「この人かっこいいな」と印象に残ったのがきっかけでした。


「パラレルワールド」大石昌良  D:川崎亮

その大石昌良さんが、アニメ・ゲーム系の歌を歌っている「アニソン界のおしゃべりクソメガネ」こと「オーイシマサヨシ」さんと同じ方であると気づいたのはしばらく後になってからでした。また、大石さんが、Sound Scheduleというバンドのボーカルの人だったと気づいたのもしばらく後でした。大石さんって、サウスケの時より若く見えるのは気のせいかもしれません。

さて、オーイシマサヨシの名前を高めたのは「ようこそジャパリパークへ」の作詞・作曲・編曲の提供で、星野源さんや平井堅さんが絶賛したというコメントも見ました。ぼくは、「ようこそジャパリパークへ」はそれほど聴いてなくて、むしろ2018年5月に発売された「オトモダチフィルム」の方がお気に入りな曲で、DAM★ともでもよく歌っています。オーイシさんはMVで踊りながら歌っていて、「星野源みたいだな」と思っていたら、オーイシさんが「星野さんの「恋」を意識した曲を作ってみた」と話しているコメントを見て、合点がいきましたね。

何となく、オーイシさんの作る曲ってポップスの王道がベースになっているのかな、とうっすら感じていたところに、今回発売となった「楽園都市」を聴いたら、歌謡曲テイストが十分染み込んだサウンドで、ちょっとジャジーなおしゃれ感も含んでいて、いっぺんで好きな曲になってしまいました。

イメージでいうと、筒美京平さんが作りそうな感じでもあり、郷ひろみさんが歌っていた曲(「マイ・レディー」「セクシー・ユー」「お嫁サンバ」的な)の雰囲気もあり、一方でポルノグラフィティの曲っぽい雰囲気(「ネオメロドラマティック」「Love,too,Death,too」)との共通感も感じました。でも似て非なるサウンドなんですよね。ある意味、昭和も平成も令和も感じられる作品って、時代を越えたかっこいい歌だと思いますし、こういう感じの曲がもっともっと世に出て欲しいと思います。

この「楽園都市」って、歌ってみたら、むちゃくちゃ難しい。Aメロ冒頭の「100万ドルを望むシティライツ」から、短い音符で、音階がコロコロ変わるので、音程が安定しづらくて、さらっと歌って、力を入れて歌うところに繋げないといけないから、声のコントロールがまだうまくいってないです。

DAM★ともで歌詞を見ながら歌っていると、その歌詞を見て思うことってどの曲でもあったりしますけど、「街は作って壊して忙しいや」とか「人の欲望のカタチに姿を変えて」って歌詞を見ると、今の東京の都心の町の状況かなって思います。東京五輪のためなのか、今まで穏やかに生活していた街に、急に道路の拡張工事が決まって、お店や住宅が1軒、2軒と消えていって、あちこちで工事が行われている様子に、街が勝手に壊されている気がして、なんだかこの歌詞とシンクロするものがありました。「楽園都市」って、誰かの欲望で鉄のオブジェを作ることじゃないよな、その街に生きている1人1人の存在を認めることだよなって、オーイシさんもそんな思いを感じて言葉に乗せてくれたのかなと思っています。ちなみに、歌詞の最後を締める「パライソ」はポルトガル語のparaisoで、天国・楽園を表すキリシタン用語だそうです。


オーイシマサヨシ「楽園都市」 Official Video