DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

愛のかたまり

DAM★ともでぼくがよく歌っているアーティストのKinki Kids。公開曲を出しているユーザーさんも多くて、シングルの大ヒット曲の他にも、あまり一般には知られていない曲も公開されています。カラオケの世界では有名なKinKi Kidsのナンバーが「愛のかたまり」という曲です。

この作品は2001年11月14日に発売された彼らの13枚目のシングル「Hey!みんな元気かい?」のカップリング曲として発表されました。作詞は堂本剛さん、作曲は堂本光一さん、編曲は吉田建さんが担当されました。Kinki Kidsの特異な点は、剛さんも光一さんも作詞・作曲ができて、シングルやアルバムでも相当の作品を発表していることにあると思います。やはりその原点はフジテレビの「LOVE LOVE あいしてる」で吉田拓郎さんや坂崎幸之助さんと出会い、彼らから直接ギターの指導を受けたことで自らの作詞・作曲という方向につながったし、吉田さんや坂崎さんを通じて色々なミュージシャンとの交流があったことが、彼らの音楽にも影響を及ぼしたと思います。

歌詞は女性目線で男女の恋愛関係が描かれています。剛さんの繊細でピュアな心が歌詞に感じられます。サビの歌詞が「思い切り抱き寄せられると心 あなたでよかったと歌うの X'masなんていらないぐらい 日々が愛のかたまり 明日の朝も愛し合うよね」なので、意味は違うんですけど、ちょうど今頃に歌いたくなります。

一方、曲のメロディはAメローAメロ-Bメローサビなんですけど、光一さんは歌詞の世界をうまく段々と盛り上げていく構成に作っていて、歌っていても気分が段々と盛り上がってくる感じがします。

「愛のかたまり」はKinki Kidsのファンからも非常に愛されて、2007年に発売された彼らの3枚目のベストアルバム「39」では、ファン投票第1位の楽曲として収録されました。

DAM★ともでもKinKi Kidsの曲を他のユーザーさんの音源にコラボさせていただいたことはありますが、この曲はまだなかったと思います。相性のいいコラボ音源があったら乗っかろうと思います。

Youtubeでよく見るKinKi Kidsの歌い手さんです。(ぼくではありません。)


KinKi Kids 愛のかたまり

季節風

ぼくがDAM★ともでお気に入りにしているアーティストの野口五郎さん。野口さんの作品をよく歌うようになったのが3年前ぐらいからで、J-POPに馴れすぎてしまった耳には、歌謡曲が作りだす歌の世界が改めて新鮮に感じるようになったからです。野口さんの作品を開拓すべく、出会ったのが「季節風」という曲でした。

この作品は1977年7月21日に野口さんの24枚目のシングルとして発売されました。当時のアイドル歌手は3か月毎にシングルをリリースすることが多く、野口さんも1977年は1月に「むさし野詩人」、4月に「沈黙」、7月に「季節風」、10月に「風の駅」と4作品を出しています。「季節風」の作詞は有馬三恵子さん、作曲・編曲は筒美京平さんです。有馬さんというと金井克子さんの「他人の関係」や布施明さんの「積木の部屋」のイメージが強くて、筒美さんとのコンビは意外と思っていたんですが、実はCBSソニー南沙織さんを筒美さんと共にプロデュースしてきたという実績があったんですね。有馬さんが書く詞の世界は、大人の男と女の機微を描いているようで、そこは当時の野口さんの歌の世界の「悲恋」とリンクするものがあったと思います。「並んで歩けば人の目には たぶん恋人にも見える 二人は別れを告げるために こんな街角にいる」なんて切ないです。サビの「なぜ出逢ったのだろう もの言わぬ過去の傷にひかれたみたいに なぜ暮す世界が違う二人して 名乗りあったのか」も、運命の悪戯を悔やむかのような思いを描いています。こういう歌詞に応じるように、筒美さんが作られたメロディーは、序盤のAメロでは抑えたサウンドですが、中盤のサビでは揺れ動く心のイメージを出すためか、高音で張り上げるようなサウンドにしています。ぼくも歌ってみましたが、音の力を入れる箇所が多くて、息継ぎが大変です。その後、最後のCメロが「過ぎゆく風 泣いてる日がある」と、ここも高音で語るようにフッと歌っていく部分で、難度を極めています。

カラオケではJ-POPも歌謡曲もランダムで歌いますけど、J-POPは5分から6分ぐらいの時間で言いたいことや思いをすべて出しつくすような感じで、歌謡曲は限られた言葉とメロディで歌の世界を無駄なく表現している感じです。野口さんの作品は彼の歌声も相俟って、3分間の短編の小品(しょうひん)の世界を想像させてくれます。


季節風 / 野口五郎

サボテン

クリスマスの時期になると、山下達郎さんの「クリスマス・イブ」のようなクリスマス定番曲をよく聴くようになります。ただ、ぼくはこういう曲を聴いても、あまりクリスマスという感じはしなくて、むしろ、12月にリリースしたアーティストの曲を聴くと、歌詞に冬は特に感じなくても、12月のイメージを思い出します。そういう1曲がポルノグラフィティの「サボテン」です。

この作品は2000年12月6日に彼らの5枚目のシングルとして発売されました。作詞はハルイチ新藤晴一)さん、作曲は当時メンバーだったシラタマ(現在Tama)さん、編曲はak.homma本間昭光)さんです。

ぼくが初めてこの曲を聴いたのは、当時の人気音楽番組「HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP」のクリスマス特番で、ポルノグラフィティが屋外の中継で歌ってました。その寒空に、「サボテン」の歌詞も曲もしっくりと合っていたように思ったんです。

デビュー曲の「アポロ」からどちらかというと派手めな作品が続いていたので、ここで「サボテン」を聴いて、「こういう作品も作るんだ」と思いましたが、元々「サボテン」はインディーズ時代からあった曲で、デビュー曲の候補にもなっていたそうです。ただ、そのときは「この曲はみんなが聴いてくれる一番良い時期に出そう」ということになったため、「アポロ」がデビュー曲になりました。そして、「サウダージ」が大ヒットして、紅白歌合戦への初出場が決まった2000年12月に、「サボテン」が発売されました。そして、オリコンでも初登場1位を初めて取ることができました。

歌詞はハルイチさんが彼女の部屋で書いたときに、窓際にサボテンが置いてあったことがモチーフになっています。主人公は恋人という関係に馴れあいになってしまい、彼女が側にいてくれることも、惜しみない愛にも、顧みることもなくなっていて、彼女は雨の中どこかに行ってしまいます。彼女が水をあげていたサボテン。触れてみると指先にやわらかいトゲが刺さって、彼女が見せたささやかなサインが今頃わかります。ただ面白いのは失恋ソングのままでは終わらず、歌詞の最後は「僕の気持ちみつかった 僕らきっとうまくやれるはず ほら、薄日もさしてきた 小さな花を咲かそう」と、関係をやり直そうと前向きな気持ちで終わらせているところで、こういうところが共感を呼んだのかなと思います。喧嘩のあとでそのまま別れるか、やり直せるかはそれまでの2人の関係の中身が問われるものなんですよね。


【ANN】サボテン【生歌】

 

心の友

日本の女性シンガー・ソング・ライターのパイオニアである五輪真弓さん。五輪さんは1972年のデビュー以来、日本よりも外国で評価されることが多い、日本の歌手では珍しいアーティストといえます。五輪さんはデビュー・アルバムのレコーディングをアメリカのロサンゼルスのスタジオで行いましたが、彼女のデモテープを聴いた現地のアーティストが感銘し、レコーディングに参加します。その1人がポップス歌手のキャロル・キングCarole King)でした。キャロル・キングは当時のロック全盛のアメリカの音楽界の中で、1971年に発売したソロ・アルバム「Tapestry」が全米チャートで15週連続1位という快挙を成し遂げました。その傍らで、五輪さんのアルバム制作のサポートを1974年まで続けました。

五輪さんは1980年の「恋人よ」の大ヒットによって、日本での知名度も上がりましたが、同時に東アジアでの人気も上昇し、今でも根強い人気を保っています。特筆すべきは、インドネシアでの五輪さんの浸透ぶりは物凄いレベルで、そのきっかけとなったのが「心の友」という曲でした。

この作品は元々、1982年に発売された五輪さんのアルバム「潮騒」に収録された1曲でした。インドネシアのラジオ関係者が日本で五輪さんのコンサートに行き、その時にこのアルバムを買って、インドネシアのラジオで「心の友」を流したところ、インドネシアの人たちに人気となりましたが、そのレベルが「第二の国歌」というほどの超大ヒットになったそうです。だから、インドネシアの人で「心の友」を知らない人はいないとまで言われるほどで、日本人を歓迎する行事では必ず歌われているようですが、当の日本人がこの曲を知らないので、インドネシア人は「何でだろう?」と思っているそうです。インドネシアはぼくは行ったことがないのでよく知りませんが、人口は2015年現在で2億5,000万人を超えているそうです。

五輪さんは当時お子さんを出産し活動を休まれていたそうで、「この地味な曲がどうしてインドネシアでヒットしたのか」戸惑いを覚えたそうです。ジャカルタに行かれたときも、街でも税関でも「コッコロノトモ」と呼びかけられたそうです。そして、「日本語の歌がインドネシアで受け入れられたのは、人々が歌詞ではなく、その曲が表現する本当の気持ちや感情を理解してくれたからでしょう」と語っています。

我々日本人が洋楽を聴く時と同じだと思いますが、言葉の意味はわからなくても、心の琴線に触れるような共感を覚えるというのはあるわけで、それはアーティストの声であったり、メロディーであったり、演奏であったりするわけです。

五輪さんは1987年の紅白歌合戦で「心の友」を歌唱しました。当時の紅白であればその年の曲を歌うわけですが、インドネシアでの大ヒットに対する五輪さんからの感謝の気持ちを表現するため、「心の友」が選ばれたのだと思います。

 


五輪真弓 心の友 歌詞

ジャカルタ日本祭りでも「心の友」が合唱されていました。これって凄いと思います。


ジャカルタ日本祭り JAK-JAPAN MATSURI 2011 Acara Finale / "Kokoro No Tomo -Kemesraan"

最近、「心の友」を歌っていた外国人の方をテレビで瞬間見たんですが、たぶんこの人だったかな。インドネシアの歌手のカバーよりもいいと思いました。


心の友 イルハミー・ルシディ・アハマド

Adore You~キミヲ想フ声

ぼくはDAM★ともで歌う前に、歌詞と曲と歌の雰囲気を覚えるため、Youtubeでオリジナルの歌手の方が歌っている動画を見たり、オリジナルがshort.verだったりするときは、Youtuberさんの「歌ってみた」動画を見たりしています。

さて、Youtuberさんたちの中で気になっているのが、VAMBI(ヴァンビ)さん。「V!A!M!B!I!どうも!VANBIです!」と挨拶するその独特の高くて綺麗な声と、肺活量の多そうな喋りを見て、この人歌手なのかなと何となく思っていたら、以前はヴィジュアル系バンドのLOG「ログ」でボーカルをやっていたんですね。

Youtubeで見つけたのがこの「Adore You~キミヲ想フ声」のMV。2015年に発売されたそうです。今の雰囲気とは違って、ゴリゴリなメイクでがっちりとヴィジュアル系ボーカルやってます。いい声持ってるなあって思います。


LOG-ログ- 「Adore you~キミヲ想フ声~」MUSIC VIDEO

デビューはしたけれど、ブレイクするのは大変だし、バンド活動を続けていくのも大変ですよね。アニメの主題歌や挿入歌に選ばれるのも激戦でしょうし。2016年3月にLOGを解散して、VANBIさんはYoutuberへ転身し、アニメの料理実写化動画で有名になったそうです。

ぼくがVANBIさんを見たのはこの動画だったんです。


ヴァンビ君をヘアセット【YouTuberをヘアセット】

こちらもYoutuberの中では注目の髪西さん。2016年にヘアセット動画を投稿して有名になりました。そのイケメンぶりも凄いんですが、今年のジュノンボーイコンテストに出場し、敗者復活ながらもベスト15にまで上り詰めた、なかなかのツワモノです。

2人の会話がさらっと聞こえたんですが、今はYoutube知名度を上げるためのツールで、有名になりたいという思いが強いんですね。この2人に共通しているのは、自分の得意な分野を意識していること、そしてそれは自分が好きなものであることです。何をやるにも、好きだという気持ちがないとなかなか続けられません。

VANBIさんはヴィジュアル系よりも、ストレートなJ-POPの方が合いそうな気もしますが、有名になったところで、再び歌手として歌ったらいいんじゃないかなと思います。

それにしても、VANBIさんも髪西さんも、どこか芸能人っぽいんですよね。

winter fall

12月は忘年会が多くなる時期ですが、カラオケにグループで行くのも多くなります。いつもはヒトカラに慣れてますので、ちょっとモードを変えて、選曲もみんなで盛り上がれる曲を選ぶ感じになります。今度行くカラオケでは、「L 'Arc~en~Cielの曲を歌って欲しい」なんてリクエストを受けてるんですが、歌える曲は数曲しかなくて、何を歌おうか迷っていたところ、やっぱり冬にはこの曲でしょと思ったのが「winter fall」です。

この作品は1998年1月28日に彼らの8枚目のシングルとして発売されました。1997年は2月にメンバーのドラマーが逮捕され、活動休止の期間を経て、10月に前作の「虹」で活動再開をしましたが、「虹」はhydeさん、kenさん、tetsuyaさんの3人のL'Arc~en~Cielとして発表されましたが、サポートドラマーとしてyukihiroさんが参加しています。1998年1月1日にyukihiroさんが正式なL 'Arc~en~Cielのメンバーとなり、現在の4人として初めての作品が「winter fall」でした。

「winter fall」は作詞のhydeさんによる造語で、「The curtain falls(=幕が下りる)」と「恋の終わり」を掛けたそうです。歌詞は、冬に出逢って恋をした彼女が、新しい春の訪れとともに自分のもとから消えていくという失恋の歌に見えますが、言葉の背景には彼らの活動休止と活動再開で揺れ動いた思いがあるのかなとも感じます。多くの方がこの作詞については解釈をされていますが、ぼくは「真白な時は風にさらわれて 新しい季節を運ぶ こぼれだした手の平の雪は はかなくきらめいて」とか、「色づきはじめた街 気付けば乗り遅れたみたい 目を閉じた僕は冬の冷たさを 今でも暖かく感じている」という冒頭の歌詞の一節に、活動再開して新しい自分たちの音楽を作って行こうという前向きさと、でも苦しかったこの1年のことは忘れないという誓いと、やはり脱退することになってしまったsakuraさんへの思いがどことなく感じられる気がしました。

この「winter fall」で、L 'Arc~en~Cielは初のオリコン1位を獲得しました。そして、その後の作品でのミリオンセラーが続き、それまで地道に活動していたバンドは大ブレイクし、1998年の紅白歌合戦に「HONEY」で初出場を果たすことになりました。


L'Arc en Ciel Winter Fall LIVE 2014

彼岸花の咲く頃

今年の1月18日に「青いダイヤモンド」でデビューした中澤卓也さん。爽やかな感じでまっすぐないい声に魅かれ、ぼくもDAM★ともで歌って公開しました。そして、今日は中澤さんの2枚目のシングル「彼岸花の咲く頃」が発売となりました。

ぼくは中澤さんのオフィシャルブログ「ダイヤモンドダイアリー」をよく読んでいますが、ステージで歌を歌う仕事も忙しいし、おそらくその後も色々と仕事の続きがあると思いますけど、毎日ブログを更新しているのが素晴らしいと思います。ブログでは、今日はこの場所でこういう歌を歌って、お客さまと一緒に写真撮影をした話を書いていますが、歌を聴いていただくための地道な努力を感じます。演歌歌手の強みは、営業をするのに地元のレコード店とかカラオケ喫茶とか、細かく活動を行えるネットワークを持っていることなんですね。ポップスの歌手でこういったネットワークがないと、イオンの特設ステージとか、ライブハウスになるんでしょうね。演歌の営業活動は、選挙運動と似たものを感じます。それと今はインターネットは芸能活動に欠かせないわけで、中澤さんもブログの他にtwitterFacebookInstagramを併行するのも、ある意味常套手段ですね。

さきほど初めて「彼岸花の咲く頃」をYoutubeで聴きました。中澤さんご本人の解説によると、「彼岸花の咲く頃」を通して、昔好きだったあの人と話した会話、風景などが目の前に広がったりあの人はいまどうしているんだろう、そんなことを感じていただいたりそこに切なさや哀愁が感じられる新曲です♪とのことです。「青いダイヤモンド」は爽やかなデビュー曲なのでわかりやすい曲でしたが、「彼岸花の咲く頃」は最初はとっつきにくいわかりにくさを感じました。22才の中澤さんが歌うには余りにも高齢者のお客さまを対象にしたテーマだったかなと思います。でも中澤さんは歌の上手い方なのでよくまとめていると思いました。この作品を聴いて、思い出したのが岩崎宏美さんの「すみれ色の涙」でした。ド演歌ではなく、J-POPでもなく、少しフォークの匂いがしました。昭和40年代~昭和50年代の歌謡曲をフューチャーするのであれば、そのうち野口五郎さんが歌われるような作品を、中澤さんには歌って欲しいと思っています。

彼岸花って、曼珠沙華とも呼ばれる、つまり同じ花なんですね。「曼珠沙華の咲く頃」じゃNGだったのかなあ。


2017.11.27 中澤卓也 「彼岸花の咲く頃」