DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

僕はここにいる

現代のポピュラー音楽は、日本でいう演歌・歌謡曲・ポップス・ロック・アニソンのいずれも、基本的には1つの作品として仕上げられたフィクションであると思っています。歌手は、作詞家・作曲家・編曲家が作った作品を歌で表現するわけですが、そこに作品が描く世界だけではなく、作品と共有できる自分の思いとか、自分の人生経験を投影してみると、歌の表現力に加えて、説得力が増すような気がします。

思えば、美空ひばりさんは、自分の歌手人生を歌の作品に投影させた作品がいくつかあり、「芸道一代」や「ひとすじの道」は、ひばりさんの人生のテーマソングのような感じさえしました。


芸道一代/美空ひばり


美空ひばり ひとすじの道 (ベスト)

時代は移り、シンガーソングライターが台頭するようになると、彼らは1人で作詞も作曲も、時には編曲も自らで行い、もちろん歌も歌うわけで、その歌のモチーフを作っていく中では、フィクションだけではなく、半ば私小説的に、自分の人生経験を材料にしていくことも多々あると思います。

ぼくが最近お気に入りのアーティストの林部智史さん。林部さんは歌手だけでなく、作詞も作曲もするシンガーソングライターですが、彼の作品の1つである「僕はここにいる」という曲を最近聴きました。その歌詞を読みながら、林部さんの歌声を聴いていると、彼が歌手になるまでに経験したいくつかの挫折のエピソードや、礼文島で「その声で歌手にならないのはもったいない」と背中を押された話や、オーディションを落ちまくって歌手になるのを諦めかけた話とかがオーバーラップしてくる感じがしました。そして、この作品は林部さんにとっては歌手としてのテーマソングなんだなと思いました。

この曲を聴くと涙が出てくるというコメントもいくつか読みました。林部さんはピアノで作曲をしているんだと思いますが、メロディーが職業作家とは違って素直な感じがしますし、歌詞も同様で創作的というよりは心情をそのまま書いている感じで、そういう平易さが聴いている人たちにはわかりやすく、伝わりやすいのかもしれないと思いました。「涙を流すことは 弱さを見せる強さ 今痛みを抱えて ここに生きてる」とか、「明日が見えなくても それでも明日に向かって 思い迷い悩んでも それでいい」とか、苦労した人だからこそ書いた歌詞だなって思います。人それぞれにいろいろな痛みや悩みを抱えている不安な世の中で、歌手である林部さんは「ここにいるから 僕は変わらずにこの声で 君に歌うよ ずっと届けるよ」と歌っています。


癒しの音楽…【 僕はここにいる】林部智史

歌手は、歌で人の心を癒すのが仕事なんだろうなと思います。だから、歌を聴いてくれる人がいて、歌手も成り立っているんですが、きっと日本の路上やインターネットでは、まだ見ぬ誰かに向かって、歌っているプロの歌手の方やアマチュアの歌い手の方がたくさんいるんだろうなって思います。そういうたくさんの歌声で、日本中が癒されたら、ギスギスした世の中の諸問題は起きないのかもしれませんが。

さて、上の「僕はここにいる」は、林部さんのファーストアルバムにも収録されていますが、デビューした後の環境や心境の変化を受けて、林部さんは同じ題名で歌詞もメロディーも違う「僕はここにいる」を作って、コンサートで披露しました。(通称は「僕はここにいる2」とか言われています)「僕はこれから色々と変わっていっても、皆さんへの思いは変わりません。皆さんのために歌っていきます」というメッセージがコンサートで林部さんからあったそうです。こういう歌のプレゼントって、面白いなと思いました。音源化はまだされていないそうです。


『僕はここにいる』~林部智史

ぼくはこの「僕はここにいる」は歌ったことがありません。聴く方としては癒されますけど、人生の痛みや苦しみを歌えるほどの深みを持っていないぼくとしては、こういう歌を歌うのはちょっと躊躇すると思います。

ホタル花火

DAM★ともでも、YouTubeでも、カラオケ大会でも、ライブやコンサートでも、歌を聴く機会って多いんですけど、自分がお気に入りにしているアーティストさんの歌を、どうして好きになっていくのかなと考えてみると、歌の上手さとか、ステージングのかっこよさとかもありますけど、その声質が好きだなあと思うところも多分にあります。

Twitterのフォロワーさんが先月のあるとき、「この人の歌う歌を聞いて覚えている位この人の声が好き」というアーティストさんの紹介をされていて、ぼくも「宇野さんって誰?」と思いながら、その歌声を聴いて見ると、強くてストレートなかっこいい声でありながら、どこか儚げで壊れそうな雰囲気も時に感じました。こういうイケボって女子は惚れるよなあと思いながら、ぼくもこの歌声に興味を持ってしまいました。

歌声の主は宇野悠人さんという方。ぼくは存じ上げなかったんですが、18歳の頃からYouTubeにカバー動画を公開していて、2016年度のカバー動画の年間再生ランキング1位を獲得されています。そして、2017年に、俳優としても活動されているミュージシャンの平牧仁さんと、「シキドロップ」というユニットを結成し、2019年3月21日に1stミニアルバム「シキハメグル」をリリースされています。

アルバムに収録されている曲の中で、DAM★ともで歌えるのは「ホタル花火」と「さくら紅葉」の2曲でした。アルバムのインタビュー記事を読ませて頂きましたが、作品のテーマが「どうしてこんなさようなら」になったのかという思いを、ふくらませて仕上げていったということで、四季の移ろいがあるように、感情も移ろっていく、「ホタル花火」は夏を歌った曲で、「さくら紅葉」は秋を歌った曲です。

ぼくは歌う曲の食わず嫌いが結構偏っているので、歌い方も日頃自分が歌っている曲の歌い方におのずと縛られてしまっているところがありますから、新しいアーティストさんの曲を歌うのは結構苦労します。その作品が独創的であればあるほど、難度は高まっていくっていうか。シキドロップのお2人もいろいろなアーティストさんの音楽に触れてきたことをインタビューで話されていて、「ホタル花火」を初めて聴いて、どこかで聴いたことのある懐かしさを感じると思って、それで何十回も聴いていたら、松任谷由実さんが荒井由実さんだった時代の音楽のテイストを彷彿とさせるものをどこかに感じ取りました。もちろん歌の題材は今がテーマなんですけど、人生の中で成長するなかでいつか出くわすエピソードっていうか、経験みたいなものを描く普遍性っていうのは、時代を超えて共感するものがあるんだなって思いました。

それで、新しい曲への歌い方については、平牧さんが少しヒントをくださっていて、「自分の歌詞は情緒的というか、怨念がすごくこもっている歌詞なので、これを本当に情緒豊かに歌ったら、演歌の世界になっちゃうと思うんですよ。それが悠人というフィルターを通して歌うことで成立して、すごく聴きやすくなっている」ということで、あまり歌詞を深く表現しすぎない歌も1つの歌い方なんだよなあと思いました。

宇野さんは歌詞で歌を聴かないそうで、「歌詞は歌って初めて歌になるから、感じ取るものだと思うので、特に何も考えずに、出て来るものを出しています」と話されています。でもこれって、実は作品をしっかり体に浸透させた上で、魂が発する歌声を出すということでもあり、相当高いレベルの話をしているように感じました。

プロの審査員の先生が言われることの1つに「アマチュアの人は全部歌いすぎる」「歌の中には捨てる部分も作らないといけない」という言葉があって、歌の一節一節をこういうふうに、こういう歌い方で歌ってというのを研究して歌えば、研究した歌の作品はできあがりますけど、その歌が聴く人たちの心を揺さぶるかどうかはまた別物だと思うんですよね。

宇野さんのいう「言霊的な歌」はなかなか歌えませんけど、この詞の情景から発せられるセリフだと思ってぼくも歌ってみたら、初めて歌ったときよりは滑らかに歌えるようになりました。まだまだですけど。

それでも、ぼくも歌うときは、その作品の雰囲気を再現させたいと思うので、原曲キーに拘るところが結構ありますけど、「ホタル花火」も「さくら紅葉」もぼくのキーよりはかなり高いので、キーを下げて歌ってます。雰囲気を壊さないように歌えたかなと思ったら、DAM★ともに公開しようかなと思ってます。彼らの曲を公開しているユーザーさんはまだいないので、今がチャンスかなと。憧れるイケボには遠いけど、そんな雰囲気を少しでも自分の声で出せたらいいなと思います。


シキドロップ - ホタル花火 / shikidrop - Hotaru Hanabi

 

銀の龍の背に乗って

歌の作品のご当地を訪ねてみると、その歌詞の意味が一層よくわかるとか、そのメロディーの意味がしっくりくるとか、改めて理解が深まることがあります。演歌の場合は、ご当地をテーマにした作品が数多くありますので、竜飛岬に行って、石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」の世界を実感した方もいらっしゃると思います。竜飛岬には津軽海峡冬景色の歌碑があり、二番の歌詞が流れます。


竜飛岬で津軽海峡冬景色歌謡碑の曲を流してみた

この連休は沖縄の八重山諸島を旅してきました。沖縄というと、古くから土地に伝わる民謡が根づいていて、現代の歌謡曲・ポップスも盛んな土地柄という印象があります。沖縄のホテルでシンガーのライブを聴くと、必ずといっていいほど八重山民謡である「安里屋ゆんた」は聴きますし、昭和・平成の曲であれば、喜納昌吉&チャンプルーズが発表した「花~すべての人の心に花を~」、BEGINの「島人ぬ宝」、夏川りみさんの「涙そうそう」も、併せて聴くことが多いですけど、東京で聴くときとはまた趣が異なる歌を感じます。

石垣島から飛行機で30分、日本最西端の島である与那国島に降り立ちました。東京からは2,000km以上離れて、晴れた日には台湾の山並みが見える日本国境の島です。


与那国町観光PR動画

島内には3つの集落がありますが、このPR動画には出てこない比川(ひがわ)という集落に、2003年にフジテレビ系で放送されたテレビドラマ「Dr.コトー診療所」の撮影に使われた診療所のセットが残っていて、内部も有料!(島内の路線バスが無料!だっただけに、余計に驚きました)で見学することができます。セットといっても実際は堅牢に建設された建物ですので、4年前には風速80mの台風が島を襲ったそうですが、無事に残っています。


与那国島 Dr.コトー診療所近辺(比川)

このドラマのエンディングの主題歌に起用されたのが、中島みゆきさんの「銀の龍の背に乗って」という曲でした。中島みゆきさんは2002年のNHK紅白歌合戦に初出場し、黒部川第四発電所の地下道からの中継で「地上の星」を披露した影響で、2003年に入ってオリコンで1位を獲得するなどロングヒットが続いていましたが、おそらくドラマ主題歌の企画も同時に行われていたため、ドラマが開始した2003年7月23日に「銀の龍の背に乗って」がシングルとして発売されました。

ぼくもこの作品はもちろん知っていて、PVのイメージで、みゆきさんが青いロングドレスを着ていて、優雅でありながら、力強さを感じる、スケールの大きな歌だなあという印象を持っていました。「Dr.コトー診療所」はそれほど見ていなかったので、ドラマへの思い入れは全くなかったんですが、診療所の建物から目の前の砂浜を見ていて、この比川の集落に立っていると、離島での過酷な医療状況に立ち向かうコトー先生の気持ちが少しはわかってきた気がしました。ドラマ主題歌だから当たり前だったのかもしれませんが、「銀の龍の背に乗って」の歌詞は、離島の厳しい医療の現場に立ち向かう医師のことを描いていたのだと、今さら気づきました。「あの蒼ざめた海の彼方で 今まさに誰かが傷んでいる」この島で、非力を嘆いていた主人公は、震えて待っているだけだった昨日までの気持ちを改めて、龍の足元へ崖を登り、「銀の龍の背に乗って 命の砂漠へ」「運んで行こう 雨雲の渦を」という歌詞ですが、銀の龍って一見、希望をすがる存在のようであって、実は勇気を出して生まれ変わったもう1人の自分の姿なのだろうと解釈しました。厳しい自然環境と対照的にゆったりと流れる島の時間を感じつつ、起こりうる問題に自分が向き合っていくことで、人生は進んでいくものだなということを感じた時間でもありました。「Dr.コトー診療所」のモデルとなった医師は鹿児島県の下甑島の診療所の医師でしたが、ドラマの撮影場所を探して辿りついたのがこの与那国島だったそうです。ドラマのイメージに合っているというだけではなく、その土地が持っている、山や海などの自然がもたらす風景や、そこで生活する人々の生き様もまた、歌の魂を思い起こさせたのだろうと思います。


Dr.コトー診療所 ♪銀の龍の背に乗って(Instrumental)

与那国島にも「与那国小唄」という民謡があります。7月に島内で行われたイベントのようですが、歌が始まると同時に人々がカチャーシーを始めるのも、沖縄ならではの、土地に根づいた風景であると思います。


与那覇歩 in 与那国島 「♪与那国小唄」with 山城篤嗣 & 伊波はづき(4K/UHD)

初ラウンジ

ぼくは今週、初めてカラオケラウンジに行ってきました。カラオケラウンジというのは、ライブハウスに来たお客さんたちがカラオケで歌い放題、飲み放題で楽しむという企画です。もしぼく1人だけがライブハウスに来ていたら、3時間ステージで歌い放題(笑)にはなるのですが、実際には多くのお客さんがいらっしゃいますので、自分はステージで1曲歌って、客席ではドリンクを飲みながら、参加した方のステージを見て聴いて楽しむ時間になります。

カラオケ大会でご一緒した方がカラオケラウンジに行って歌っているのは知っていましたので、どういうものなのか気にはなってました。ぼくは先週の大会に出た後、DAM★ともで歌いながら、先週の自分のステージも振り返ってみて、歌というよりは、自分が歌う曲でステージから客席にどう向き合ったらいいのかなと考えてました。そのとき、「今週、カラオケラウンジあったよね」と思い出したのが、ORPHEUSカラオケラウンジでした。このライブハウスでは昨年の12月に第1回の「ORPHEUSカラオケコンテスト」で歌ったことがありましたので親近感がありましたし、来月のカラオケ大会でも歌いますので、これは行ってみよう!と思い、仕事も終わらせて時間が空きましたので、ORPHEUSカラオケラウンジに行ってきました。

もうすぐハロウィンということもあって、ドラキュラの仮装やコスプレで参加された方も何人もいらっしゃいましたが、こっちは仕事帰りそのままのスーツ姿…ということで、雰囲気を壊さないように、後ろの席で楽しませて頂きました。このライブハウスは都内でも立見で240人入る大きな箱で、他の大会で歌ってきたライブハウスと比べても俄然大きかったです。スタンディングのバースペースがライブハウスの部屋とセパレートになっているのも、ぼくは結構気に入ってます。

カラオケ大会とは違って気楽な気持ちで来たんですが、あれっ、ステージにはカラオケのモニターがない!また、歌詞見ないで歌うのか…と思いきや、ステージから見える場所に大モニターがあってホッとしましたが、歌う曲は来月の大会でも歌うポルノグラフィティの「別れ話をしよう」という曲にしました。

参加した方のステージが始まったんですが、1人目の方から、最早カラオケのレベルではなくて、ライブステージになっていて、2人目以降の方も次々と魅せるステージで歌っていて、これじゃカラオケ大会以上というか、ぼくは先週の大会のことを思い出してました。そして、カラオケラウンジって、歌うまさんが集まる場所だったんだ…とそのとき気づきました。歌が上手いだけじゃなくて、ステージも盛り上げられるようじゃないと、いけないんだなあって。まさに自分に足りないものなんですよね。

カラオケラウンジなので緊張感は全くなくて、運営も今日が第1回ということもあってり手作り感満載でした。ぼくは15番目で歌いましたが、選んだ曲の雰囲気が地味な感じで盛り上がらない曲ではあるし、有名な曲ではないので、歌ってみてどうなるのかなと思いましたが、曲を聴いて思い出してくださっていた方もいて、ぼくの歌にリズムを踏んで乗ってくださっている方もいて、手拍子まで入れてくださる方もいて、歌っているぼくとしては意外なリアクション!も感じつつ、気持ちよかったです。紹介のMCをやってくれた歌うまキッズのかぐらちゃんが、歌っている途中も正面に来て応援してくれて。きっとこの歌詞の意味はわからないのに、無邪気に音楽を楽しんでくれるのを目の前で見て、とっても嬉しかったです。

先週の大会が終わってから、ちょっと心が傷ついてたんですけど、そういう傷も癒してくれた時間でした。ぼくも、盛り上がれるような曲をステージで歌えるようになりたいです。そういう曲もDAM★ともでは歌ってますけど、ステージで歌う勇気はまだ…ありません。曲によっては振付も覚えないといけませんけど、ちょっと無理です。正直なところ、ぼくが客席の人たちに応え切れてはいませんけど、同じ曲を歌ってみて、先週の大会と今週のラウンジ、どちらも歌を聴くのが上手い方たちだと思いました。でも、歌った反応は微妙に違いました。この違いの1つは、自分の心の持ち方にあったのかもしれません。意識を変えれば、訴えるものも変わったのかもしれません。ヒトカラで楽しむのと、ステージで歌うのは違いますから。

ぞわぞわ

ぼくは今日、Singるmatch2019というカラオケ大会に行ってきました。9月にカラオケ大会に出た後、次に出るカラオケ大会を探している中で、この大会が目にとまりました。審査基準を読むと、「歌唱力だけでなく、動きや目線、ボーカリスト・アーティストとしての表現力などを評価。カラオケ大会ではできない、生の魅力を審査致します。」とありました。

以前出たカラオケ大会で審査員の先生から頂いた寸評が頭をよぎりました。その時は歌についてはお褒めの言葉を頂いたものの、「目線が勿体ない!これだけ上手だと、何処を見ているか気になります。」というコメントを頂きました。目線。歌って、目線でも歌うものなんだということを初めて知りました。そして、自分に足りないものをはっきりと確認した方がいいと思い、エントリーしました。

エントリー概要を読むと、《カラオケ機器はありません》とのことで、「エントリー曲のカラオケ音源をCD-Rに入れて持参してください。」とありました。今まで出たカラオケ大会はすべて、カラオケのモニター画面が設置されていました。今回、それがないということは、歌詞を暗記しなければならないということでした。元々、大会でもほとんどモニター画面は見ないで歌っていましたが、歌いながらチラッと見るぐらいはしていたので、何も見れないというのはどうなるのかなと心配しました。

何を歌おうかなと思ったんですが、今までの大会では歌っていないジャンルの曲を歌おうと思いました。DAM★ともでは今までよく歌ってきたポルノグラフィティの曲。でもキーが高い曲が多いので、大会での選曲からは外してました。ポルノの曲は有名なヒット曲も数多くあるんですけど、シングルのカップリング曲もお気に入りな曲が何曲もありました。「アゲハ蝶」のカップリング曲に「別れ話をしよう」という曲があって、東京のバーで男性が女性に別れを切り出す失恋ソングなんですけど、発売当時はカラオケでは配信されていませんでした。今も配信されてないのかなと思いつつ、DAM★ともを検索してみたら、「別れ話をしよう」があったので、歌い始めるようになりました。曲への思い入れがあったからかもしれませんが、今までのポルノの曲よりは高得点が取れたこともあり、この曲でエントリーすることにしました。

ライブハウスでのカラオケ大会は経験がありましたが、歌詞が見れないというのが気になってしまいました。カラオケに行っても、画面と反対の方向を向いて、歌詞を覚えて歌えるかを何十回も練習しました。CD音源を持参するのは初めてでしたが、録音した音源が思ったほど音量が大きくなくて、当日音源が小さくなるのかなと心配していましたが、ライブハウスの方がいい音量に調整してくださったので、心配なく歌えることができました。今日の出場者は19組でしたが、いずれも歌うまな方ばかりで、さらにライブ活動をされている方が何組も出場されていました。だから、歌が上手いだけじゃなくて、魅せるステージもできる出場者の方がほとんどでした。一方まったく音楽活動もしていない、純粋カラオケシンガーのぼくとしては、ものすごくレベルとしては低いんですけど、歌詞を間違えずにはっきりと伝えようとか、音程やリズムをしっかりと歌ってメロディーをはっきり伝えようとか、そういうことを固めた上で、やっと目線とか表現力が出てくるものだろうと思っていました。

「別れ話をしよう」という曲は地味な曲で、歌詞は1番、2番、ラストと別れに向けて刻々と進んでいく構成でしたので、声で別れ話の雰囲気を表現しようと思いましたが、課題であるはずの目線は、正直なところ、どういう目線の動きにしていったらいいかまでは考えがつきませんでした。

出場者の皆さんが客席にいるわけですが、歌が上手い方は、他の方の歌を聴くことも上手いと思っています。ぼくは今日ステージで歌っていても、客席の人たちは歌っているぼくのことをしっかりと見て頂けているのがわかりました。だから、今日は特に緊張することもなく、気負わずいつもの歌が歌えたと思いました。一方、ぼくはというと、目線をどうしたらいいのかが決まってませんでしたから、そういう客席の人たちに応える姿勢が示せなかったなあと思いました。自分は歌の世界を作るための目線とか、手振りとかを作っておけばいいと思っていました。やっぱり何かが欠けてました。自分が設定した目標があまりにも低すぎたんだとわかりました。

入賞した方のパフォーマンスを振り返ると、どの方も思いっきり自分の歌をこれでもか!どうだ!っていうぐらい強烈にアピールしていたと思いました。今回の入賞の基準は、審査員のsumioPさんが「ぞわぞわっと感じた順です」と話していました。優勝の方にはsumioPさんがオリジナルソングを提供してくれるんですが、となると、sumioPさんが「曲を書いてみたい!」と思う方が選ばれるわけですよね。

ぼくの歌には「ぞわぞわ」がなかった。つまらない歌だったのかもしれません。ぼくに足りないのって、自己アピールなんだよな、とつくづく思いました。もっと自由に表現しても誰も何にも文句とか言わないはずなのに、この歌はこういう風に歌わなければいけないんだと、根拠もないのに、自然と制約とか線引きをしているのかもしれないなと思いました。

出場者の歌唱、ゲストの歌手の歌唱はしっかりと目に焼き付けましたので、自分に足りないもの、欠けているものを見つけて、もっと自分の歌を成長させたいと思いました。今日は出て良かったと思いました。でもなあ、ぼくにはシャウトするような盛り上がるような歌はとても歌えません。やっぱり自分の個性とかキャラクターを表現できる歌を歌っていきたくて、そこは変えたくはないんですよね。だからだめなのかな…。

木蘭の涙

林部智史さんのコンサートに行って、林部さんが歌った曲の1曲が「木蘭の涙」という曲でした。

この作品のオリジナルは、スターダスト☆レビューが1993年3月10日に発売したアルバム「SOLA」(ソラ)の1曲目として収録されました。作詞は山田ひろしさん、作曲は柿沼清史さん、編曲は三谷泰弘さんです。その後シングルとしても1993年7月25日に発売されました。スタ☆レビの代表曲の1つにもなっています。作詞の山田さんは林部さんに「迷子のお知らせ」を提供しています。柿沼さんはスタ☆レビのベースの方です。三谷さんは1994年までスタ☆レビに在籍し、キーボード兼ボーカル、作曲、編曲を担当していた方です。

多くのアーティストにカバーされる曲であり、ぼくが聴いたのは2016年5月11日に自身のシングルとして発売した松原健之さんのカバーでした。林部さんも、2016年10月12日発売のデビューシングル「あいたい」(スペシャル盤)と、2018年10月3日発売の「カタリベ1」で、「木蘭の涙」を収録しています。

スタ☆レビの根本要さんの歌をはじめ、DAM★とものユーザーさんの歌とか、カラオケ大会に出られた方の歌とか、「木蘭の涙」を聴く機会は数多くありましたけど、ぼくはこの曲は今まで歌ったことがありませんでした。林部さんのコンサートが終わった後、カラオケに行って、この曲を初めて歌いましたけど、死んでしまった相手を思う主人公の歌なんだとわかりました。2番の冒頭の歌詞にある「木蘭のつぼみが 開くのを見るたびに あふれ出す涙は 夢のあとさきに」というのが、たぶんこの作品の原点なんだと思いました。林部さんが「これから歌う曲は、人生をテーマにした曲を歌います」と話して歌った1曲だったんですが、人生をテーマにした曲を歌うというのは、ぼくにはちょっと重すぎる気がしました。それに「木蘭の涙」はやはり根本さんのイメージが強すぎて、プロの方がカバーしても根本さんには及ばないと感じるのに、素人が歌っても難しいなと思いました。DAM★ともヒトカラで歌っているだけなら何を歌っても気になりませんけど、人前で歌うとき、ものすごく覚悟がいるような気がしました。

YouTubeで根本さんの動画をいくつか見てたんですけど、イントロから2つめのフレーズの「いつまでも いつまでも 側にいると 言ってた あなたは嘘つきだね わたしを 置き去りに」のところをなぜか省略して、Aメロに移ってしまっていて、ここがいいのに何でかなと思いました。


STARDUST REVUE スターダストレビュー 「木蘭の涙」

こちらはプロになる前の林部さんが歌った「木蘭の涙」。MCで「歌は点数ではないし、競うものではないと思う。でも、プロになるために、点数を取りに行きました」と当時の思いを話してくれました。そして、4日前に聴いた林部さんの「木蘭の涙」は、この時よりも遥かに、もっと深くて真摯ないい歌でした。


しべさん・木蘭

 

生しべの一日

今日10月9日、ぼくは林部智史さんのコンサート「林部智史~希望~CONCERT TOUR 2019 秋 in 東京」で、東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホールに行ってきました。

コンサートのチケットをゲットしたのが7月24日でしたから、そこから約2ヶ月半、待ちに待ったこの日でした。

今回のオーチャードホールでの東京公演は2日間で、10月8日は18:30開演、10月9日は14:00開演でした。

久しぶりに渋谷の街を楽しんで、13:20頃、オーチャードホールに到着して驚いたのがお客さんの客層でした。平日の午後の公演ということもありますけど、お客さんの9割以上が女性の方で、それも大半がご年配の女性の方でした。男性はというと、ご年配の女性のご主人が同伴という方がほとんど。ぼくみたいに1人で来ている若い男性は、3階席では他に1人いただけでした。オーチャードホールって、総客席数が2,150席なので、1,900人以上は女性!学生の頃に彼女に無理やり連れて行かれたジャニーズの映画で、同伴の彼氏さん以外は全部女性だったときのことを思わず思い出しました。たぶん10月8日の客層はまた違っていたと思います。

林部さんは「自分のコンサートは聴いていただくコンサートである」という主旨を言われていたように、お客さんたちには親衛隊もいませんし、応援グッズを持った人もいませんでした。公演の演出上、他の歌手ではよくある掛け声などもご遠慮してくださいとの看板もありました。

さて、ぼくの席はというと、3階席4列28番(泣)。発売開始の7月24日にチケットを取ったのに、最後列の前の列だったんです。オーチャードホールは客席の勾配が急で、1階席を平地とすると、3階席はビルの4階くらいの高さで!正面のはるか向こうに林部さんらしい人がいるんですけど、顔はまったくわかりません。歌声を聴いて、「林部さんの声!」ってよくわかりました。演奏の5人の皆さんも同様で、先ほどTwitterを見て、ご尊顔を拝見しました。(笑)

以下は、ネタバレにならないようにしつつも、ぼくが強く感じたことについては、個人の感想ということで書かせていただきます。

14:00過ぎに第一部がスタート。オーチャードホールは映像で風景を映しながら、照明も多彩な使い方ができるのがいいなと思いました。演奏によるアンサンブルの後で、林部さんが4曲を立て続けに歌いました。客席の皆さん、掛け声とか一切なくて、歌のアウトロの最後の最後まで確認して、一斉に拍手ということで、クラシックコンサート並みのお行儀の良さでした。林部さん、MCとかないんだろうなと思ったところで、ご挨拶。しゃべりも綺麗なお声でした。林部さんからは「今回の公演、10月8日も10月9日も完売でしたが、10月9日の方があっという間に完売!でした」と一言。おそるべしおばさまパワー!続けて、「今日は昨日よりも全力で歌えると思います!」と頼もしいお言葉が!その後、6曲を歌って、第一部終了。昨日の公演も全力で歌っていたみたいだったので、最初の2曲あたりは「今日は調子悪い?抑え気味?」と思いましたが、「あいたい」を歌ったぐらいからスイッチが入ったみたいで、第一部のトリの曲も圧巻でした。

ぼくは林部さんのファンというよりは、林部さんの曲をカラオケ大会で歌わせて頂いている1人にすぎなくて、本当に知っている曲は「恋衣」と「この街」だけなので、今日のセトリで聴いた曲はこれから調べようと思ってます。ご婦人の皆さんが林部さんを歌の上手い「泣き歌の貴公子」と見ている見方と、ぼくはちょっと違っていて、林部さんの歌い方や歌の中での力の入れどころはどこなんだろうと思って聴いていました。高いラの音(hiA)を、時にファルセットで、時に力強く、使い分けていたのが印象的でした。

休憩を挟んで、15:20過ぎから第二部。アップテンポな2曲では、珍しく客席から手拍子が。林部さんも「手拍子OK」のサインを出してくれてはいましたけど、やっぱり手拍子はやめておきました。この後で2回目の林部さんのMC。カラオケの番組をきっかけにプロの歌手になれたものの、「歌は本来点数をつけるものではないし、競うものではない。そんな葛藤がありましたが、プロになるために、高い点数を取りに行きました」と思いを語ってくれました。また、プロでデビューしても、最初は「カラオケの人」と言われ、デビュー曲の「あいたい」がヒットすると「泣ける人」に変わったそうです。林部さんとしては、「カラオケの人」から、プロの歌手として、歌を伝える人として、覚えてもらいたかったので、「泣ける人」に変わったことは、とても嬉しかったそうです。そして、オーチャードホールに対しての思いがあったようで、初めてこのホールでコンサートをしたのが3年前のデビューの年の10月だったそうです。そして昨日が2回目、今日が3回目だったそうです。

このMCの後、林部さんの歌声が次第に精魂込めて歌っているように感じてきました。カバー曲も結構難曲なものを選ばれて歌われていました。ぼくが林部さんについて感心することの1つが、オリジナルの作品が持っている原風景をしっかりと読解した上で、ご自身の歌を作りにいっているなあと、どの曲のカバーを聴いても思うことがあります。あくまでも林部智史の歌として披露しているんですよね。そして、最後の曲はもちろん、今回のテーマでもある「希望」でした。CDの音源よりも、気持ちがぐっと入って歌われていたように感じました。その歌前の林部さんのMCで、「プロになる前は、好きな歌を歌いたくて歌っていて、プロになっていろいろな楽曲に出会って、人に寄り添うような歌を歌える歌手になりたいと強く思うようになりました」と言われたのは、グッとくるものがありました。彼は最後に「皆さんにとって、楽しみとか、生きがいとか、心の中に入れる歌い手になりたい」と言ってました。林部さんのこういう真摯な姿勢が好きです。「希望」が歌い終わった後、数分間、拍手は続きました。客席の大半はアンコールを期待したのかもしれません。でも、それは無理だと思いました。特に後半は言葉通り、全力で歌ってましたし、「希望」で締めると決めている林部さんには、それ以上のパフォーマンスをすることはプロとしてやらないと思いました。

コンサートの余韻に浸りつつ、いいなあと思った曲を歌ってみたくて、カラオケに直行しました。「この空を飛べたら」「木蓮の涙」「あいたい」の3曲。ぼくが歌ってみたら、音程は安定しないし、柔らかさは出ない。安定した心地よさを保って歌っている林部さんの歌唱力の凄さを改めて感じました。そして、「生しべ」(林部智史さんの生歌を聴くこと。本人が「生しべ智史です」と紹介したことによる造語)を聴いた思わぬ効果がありました。いつもは低い表現力が、この3曲を歌ったら、なぜか表現力が90点以上取れました。点数も95点以上でした。でもね、林部さんがいうとおりで、歌の良さは点数とは違うんですよね。「あいたい」は本人映像なので、歌いながら3年前の林部さんが画面に現れました。今よりもどこか少年らしさがまだ残っていて、MCでの話を思い出しながら、林部さんのこの3年の努力と成長をまた、じっと感じました。