9月13日、僕は神奈川県の海老名市文化会館大ホールで行われた、第10回音ノ市カラオケコンサートというカラオケ大会に参加しました。音ノ市は第3回から連続参加しており、今日が8回目。これまで参加の7回では入賞できたのが4回。入賞できなかったのが3回。会場から海老名駅までの道のりを悔しい気持ちではなく、喜びの気持ちで歩きたい。いつもそういう思いを持ちながら、海老名駅から会場までの道をゆっくりと歩いていきます。
10:30に会場到着。受付を済ませて、僕はCクラス歌唱の部に出場のため、楽屋の中の男性更衣室に直行。僕は毎回、AクラスSPの部に出場しますが、第9回からCクラスも出場することにしました。きっかけは、DAMとも動画が撮影できない楽曲のため、Aクラスの事前音源審査への提出はできないけど、ホールで歌ってみたい楽曲がありました。そして、それまでは会場の外で声出ししていましたが、どうせならステージで声出ししようと思ったからです。さらに言うと、当日のステージのマイクとか音響とか雰囲気とか客席の様子を確認しようと思ったからです。
今日のCクラスでの歌唱曲は、僕が交流させて頂いているボーカリストの森一馬さんの「Once Again」という楽曲。事前に森さんに歌わせて頂きますとご報告したところ、喜んでくださって、激励のお言葉を頂きました。ステージに行って、最初の歌詞「あれから」を歌った瞬間、「今日のエコー、きつい」と直感し、声のボリュームを急遽落としました。歌の強弱って大事だと思っていて、弱のつもりが強になってしまうと、歌詞の意味が伝わらないかなと思いました。「Once Again」の歌唱自体はイメージ通りに主人公の思いを表現できていたので、大ホールで歌っていて気持ちが良かったです。ルールで2コーラスで終わりなんですけど、このままフルコーラスで歌いたい感じでした。歌い終わって、衣装からスーツに着替えて、会場内を歩いていたら、知らない方に突然呼び止められて、「アウフヘーベンさんですか」と聞かれて「はい、そうです」と答えると、「Cクラスの歌唱、とっても素晴らしかったです」と言ってくださったんです。その方はAクラスに参加されるということだったので、「僕もAクラスも出ますのでよろしくお願いします。ありがとうございます」とお礼を言いました。わざわざ僕を見つけて、言いたかったことを伝えてくださるって、ものすごくありがたいですし、すごく嬉しいです。音ノ市に参加していると、日頃お会いしない方に声をかけていただけるのが嬉しいところです。その後、歌仲間の方に会ったら、「ご自分の歌になっていましたよ。やっぱり素晴らしい」と言われたので、とりあえずホッとしました。
音ノ市は120名の方が歌いまして、僕はCクラスでは2番だったので11:30頃歌って、Aクラスでは113番だったので19:00前後歌う予定なので、空き時間の過ごし方も大事なんです。コロッケパンとチョコケーキで昼食を済ませたあと、会場の外を散歩しながら、Aクラスでの歌唱曲である、小川たけるさんの「夢の破片」の動画を何度も聴いてチェックしていました。それと今回は、XのGrokに、音ノ市でのことを相談していたので、自分が聞いて答えてもらった内容を確認して、それをもとに自分が本番で何をするかを決めて行きました。ホール内の喫茶店で1時間ぐらい、iPadの画面を見ながら考えていました。生成AIって、僕は全面的には信じていなくて、でも相談することでもらった答えが、考えるヒントになると思っています。その後、Bクラス、Aクラスの皆さんの歌唱を客席から拝見し、審査員の先生方の動きをチェックしました。
僕の出番も近づいてきたので、楽屋に行って、ステージでの動き方とか歌詞を最終確認。舞台袖で待機して、113番で紹介されて、ステージへ行き,歌い始めました。Cクラスでの経験を踏まえ、最初の歌詞「やるせない夜の」はいい感じで入れました。ただここで自分の喉の異変に気づいたんです。水分補給はこまめにしていたにもかかわらず、喉が渇ききっていたんです。ベストのコントロールはできなくても、守るべき最低線だけは絶対に守り切ろうと作戦を切り替えて、苦しかったけど歌い切りました。歌の感情表現はしっかり出せたと思いました。音程は…、ずれてはいなかったし、ベストではないけれど歌えていたと思う。それにしても、現場での管理が足りていない自分に、ちょっと落ち込みました。
今回からAクラスの審査員のメンバーが変更になり、高橋隆さん、野々村昌樹さんは変わらず、立野和男さんがBクラス担当になって、新たに前迫潤哉さんが加わりました。Aクラス歌唱終了後の総評では、野々村さんが、歌のリアリティに言及しました。前迫さんは、Aメロの大切さと、選曲に失敗している人が相当いるなど、プロとの差に言及しました。高橋さんは、前迫さんと同じくAメロの大切さに言及しました。僕は自分の結果を少し諦めていたんですが、Aメロは大切に歌ったし、歌のリアリティというか、歌詞に込められたニュアンスは伝えてたし,ひょっとしたら入賞できるかもしれないと思いました。
奇跡は起こりました。優秀歌唱賞(5位)で自分の名前が呼ばれた瞬間、嬉しかったので、ステージ前まで走ってしまいました。野々村さんから表彰を受けているとき、嬉しくて笑顔になってしまいました。前回の第9回に続いて優秀歌唱賞を頂きましたが、今回は自分が本番で苦しい思いをして、なんとか歌い切って、得られたものだけに、この受賞は価値があるものになりました。とっさの歌い方の切り替えができたのは、日頃の練習の積み重ねのおかげだなと改めて思いました。
20:50、会場を後にして、海老名駅までの道のりは、本当に入賞できて良かったという安堵の気持ちでいっぱいでした。今日もまだ暑い日だったので、スーツの中は汗だくでしたが、賞状と盾と商品の入った紙袋を持ちながら、幸せに浸れた瞬間でした。