ぼくが2018年6月にTwitterを始めてから6年と3か月。「出会いほど、自分を変えるきっかけを与えてくれるものはない」というのは、「クールドジ男子」の五十嵐先生の言葉でしたが、ぼくもTwitterがきっかけで、歌手の方やボーカリストの方とお見知りさせて頂くことができまして、その出会いが自分の歌への向き合い方への大きな刺激になって、成長させてくれていると確信しています。
そのお1人であるボーカリストの紺野豊さんとは、2021年3月のスナック藤のオフ会で初めてお会いしました。ぼくは2020年2月頃からスナック藤に行くようになり、紺野さんがスナック藤に来られているのをTwitterで拝見して、どういう曲を歌われているのかなってYouTubeをチェックしたことを覚えています。2019年には1st mini album「MEMORY」を発売され、そのポスターは今もスナック藤の店内に貼ってあります。紺野さんがその後、YouTubeに出されたいくつかの楽曲は聴いていましたが、「MEMORY」に収録されている楽曲はフルで聴いたことがないままでした。紺野さんが、「MEMORY」を一緒に制作された作曲家・編曲家のICHIDAIさんと、このアルバムについて対談した動画も繰り返し見ていました。最近、他のボーカリストの方のCDを聴く機会が増えたなか、「そういえば、MEMORYをまだ入手していなかった」ことに気づき、やっと紺野さんご本人から待望のCDを手に取ることができました。さっそく何回か繰り返し聴いてみましたので、ネタバレになるかもしれませんが、感想を残しておこうと思います。
アルバムのコンセプトが「夏」とか「海」のようで、CDの歌詞カードの写真も紺野さんが海沿いの場所で撮影されています。ぼくが「MEMORY」の楽曲を聴いて思い浮かべた景色は、江ノ電の鎌倉高校前駅付近から江ノ島が見える海の風景でした。
アルバムのイントロダクションは、波の音が聞こえる中にラジオの音声が聞こえて、番組のDJが、次の曲はということで、アルバムの1曲目を紹介していくという、おしゃれな展開だなと思いました。そして、1曲目の「心に君が溢れたら」。君に出会って、閉ざしていた心が扉を開けて、君に心惹かれ、そして君を守っていくと変わっていく自分の気持ちを表しているアップテンポなチューン。爽やかでかっこいい方が歌うから合うんだろうなとか、低音から高音まで使ってる音域広いなとか心の中で呟きながら、歌詞の言葉にも、メロディーやアレンジにも、夏も海も恋もドラマが感じられていいなと思いました。2曲目の「夢の跡」。ICHIDAIさんの話によると、「熱血なロックのイメージの紺野さんではなく、大人のイメージの紺野さんを出したい」というコンセプトとのことで作られたそうです。おそらく、「MEMORY」というタイトルが、大人になった自分が思い出を振り返るという趣旨の話を紺野さんもしていたので、アルバムの全体的なトーンはアップテンポな曲が多いのかと思っていたら、意外とミディアムテンポな感じでまとめているのかなと思いました。「夢の跡」は夏の恋の出会いと別れを描いたミディアムテンポなチューン。こういう楽曲のルーツはやっぱり荒井由実の楽曲かなと感じたところ。3曲目の「時が過ぎても」。ICHIDAIさんの話ではサビの所が10年に1度の名曲と自負されていて、紺野さんの歌詞が情景が浮かびやすかったそうです。ぼくがアルバムを5曲聴いた中で、自分が最初に1曲歌うとしたらこの曲かなと思いました。楽曲の底流にある落ち着きが好きな感じで、冷静に言葉を語れそうで、歌えそうな気がしました。ぼくが好きなところはサビ前の展開でした。結局この歌の2人も別れたのかと最後にしんみり。
4曲めの「証」。君と生きていけることが幸せで、生きた証だと言えるように願う、主人公の強い思いを歌ったバラード曲。こういう歌詞を読んでいると、何となく今の自分の生き方に重ねてしまうというか、振り返って良かったと思える1日を過ごしたい、そういう毎日でありたいと思います。歌を聴いて、歌の世界と自分の世界に関係がなくても、自分を投影してしまうのは、歌を歌ってばかりいるからなのかも。5曲目の「明日へ」。一転して、アニソンっぽい感じであり,前向きに歩んでいく気持ちの熱いアップテンポなチューン。応援ソングって感じもあり、これが熱い紺野さんのイメージなんだろうなと想像。
この5曲のオフボーカルもついているので、歌ってみて楽しもうと思います。