先週のカラオケ大会も終わって、歌う曲の練習にほぼ専念していたので、今週は気分を変えてカラオケに行って、DAM★ともでいろいろな曲を歌ってきました。
大会のゲスト歌唱の方が歌われていた曲とか、来週の歌会で歌おうと思っている曲とか、来月の大会で歌ってみようと考えている曲とか、まずは予定が決まっている曲を歌っていきます。
歌っていくうちに、「この曲歌ってみようかな」とか舞い降りて来る曲があって、そういう1曲が、ポルノグラフィティの「この胸を、愛を射よ」という曲でした。
この作品は2009年9月9日に彼らの28枚目のシングルとして発売されました。作詞・作曲は新藤晴一さん、編曲はak.hommaさんとPorno Graffittiです。
発売日は彼らがメジャーデビューシングル「アポロ」を発売した1999年9月8日から10年の翌日ということで、この作品は10周年記念の意味合いもあったようで、当初作った原曲は「one way ticket」という題名で、ロイヤルストレートフラッシュと題したツアーの追加公演で新曲として披露したそうです。
ところがその後、札幌でのコンサートを見に来ていたお客さんがその1週間後に亡くなられたという話をポルノグラフィティの2人は聞かされて、心が大きく動かされたそうです。
岡野「そのことがあって、ファンの方はみんなそういう強い思いでライブに来てくれている、僕らの音楽を聴いてくれているんだなっていうことにあらためて気づかされたんですよね。そこで、自分たちのやってることの意味をもう1回、思い返したというか。10周年を迎え、11年目に行くっていうこのタイミングでもう一度、曲を作るとか歌を歌うとか歌詞を書くとか、自分たちの活動を、簡単な言い方をすれば、もっともっと一生懸命やろうみたいな気持ちになれたと思うんですよ。で、そこからでき上がってきた曲だったので、僕としては、晴一が書くことをどれだけ歌で表現できるんだろうっていうことをもう1回頑張ってみたというか。」
新藤「歌詞に関しても、そのことをどう消化すればいいのかっていうのはかなり迷ったけど、それ自体を書くのではなく、そこでもらった力でどう書くかということだと思ったんですよ。なので、真摯に向き合うってことがいちばん大切なのかなと思って書きました。」
それで原曲を変えてできたのが「この胸を、愛を射よ」でした。
ぼくはこういうエピソードは知らなくて、この作品が新曲で出た当時、「いつもと雰囲気が違うなあ」と感じました。ポルノグラフィティの曲はぼくは結構好きで、多くの曲を聴いてきましたけど、いい意味でロックサウンドにこだわっていないというか、自分たちが求めるサウンドを作っているのが好きなので、この作品もそうなんだろうなと思いました。でも、当時歌ってみたときはすごく難しくて、歌い方も歌詞の意味もわかりませんでした。「切り立ったビルに 僕が登って その的になろう」という歌詞がただ印象的でした。
久しぶりに「この胸を、愛を射よ」を歌ってみたら、昔歌った時とはまるで感触が違いました。イントロからメロディーが耳にスッと入ってきましたし、歌詞の言葉の意味も、メロディーに乗せていくようにその思いがかみしめられました。
「言葉になど出来ない 涙だってあるさ そんな日は何も聞かず 君のそばにいる」
「ほんの少し勇気が必要な時には いつだって君のほんの少しになろう」
寄り添う優しさっていうのか、そんな気持ちがわかるようになっただけ、ぼく自身も少しは大人になれたのかなって感じました。また向き合ってみたい1曲です。