DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

ビロードの闇

音楽の好みって人それぞれあると思いますけど、ぼくが聴いている曲を振り返ってみると、民族音楽っぽい雰囲気で郷愁とか哀愁とか漂わせている曲が好きなんだなって、改めて感じました。

民族音楽とか民俗音楽という言葉で、日本人がイメージするのは中南米フォルクローレ(folclore)のようです。ただ、フォルクローレといっても古来からある音楽ではなくて、スペインが中南米を植民地としていた時代に、スペイン系の音楽と先住民の音楽が融合する形で大衆音楽が生まれていったそうです。日本で知られるようになったフォルクローレといえば、サイモン&ガーファンクルにカバーされた、「コンドルは飛んで行く(El Condor Pasa)」だと思います。

ぼくがフォルクローレっぽさを感じるアーティストの曲は、KinKi Kidsの「ボクの背中には羽根がある」とポルノグラフィティの「アゲハ蝶」です。アンデスっぽさを感じます。彼らの他の曲で、他にそういう曲あるのかなって聴いたときに、これもそうかなって思ったのが、KinKi Kidsの「ビロードの闇」という曲でした。

この作品は2005年6月15日に彼らの21枚目のシングルとして発売されました。作詞はSatomiさん、作曲は林田健司さん、編曲はCHOKKAKUさんです。イントロのアコーディオンから入る演奏から、民俗音楽っぽい雰囲気と哀愁感を漂わせています。


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ぼくも好きな曲なんですけど、歌ってみると難しくて、KinKi Kidsの曲はよく歌いますけど、ついつい他の曲を歌ってしまって、避けてしまっていました。

それが今年に入って、林田健司さんの「ビロードの闇」のカバーを見つけて聴いているうちに、歌ってみようかなという気持ちに変わりました。


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林田さんのカバーの編曲は清水信之さんがされています。2009年7月1日に林田さんが初のセルフカバーアルバム「WORKS」を発売して、この曲も収録されました。

アレンジによって作品の魅力の出し方が変わってくる好例だと思いました。 対象とするアーティストによっても、それは異なってくるのだと思います。KinKi Kidsも当時、アイドルの曲とは思えないこの曲に挑戦したと思いますけど、彼らが持つ哀愁とか刹那とか、2人の個性をトータルの演奏で支えて引き出したのがCHOKKAKUさんのアレンジだったのかなと思います。清水さんのアレンジは、いろいろな意味で焦点を絞っていると感じました。それは林田さんの声に焦点を当てつつ、演奏の1つ1つの音の切れ味が良くて、その音は華やぎを感じると共に、移ろいも感じるというか、一歩踏み込んだカバーに仕上げた印象を持ちました。

林田さんのカバーもDAM★ともにあったので歌ってみましたが、やはり難しかったです。ただ、久しぶりに聴いてみて、以前よりも歌詞の言葉の意味とか、メロディーの付け方とか、作った方の意図を感じられるようにはなったと思いました。音程とかリズムとか技術的に身につけるものはありますけど、歌のニュアンスを作る源は、その曲を好きだとか愛するとかいう気持ちなのかなと思います。