DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

初めてのボーカルレッスン

ぼくは今まで誰かにボーカルレッスンというものを受けたことがありませんでした。定期的にレッスンを受ける時間の余裕もお金の余裕もないのが第一の理由でしたが、ボーカルレッスンを受けて、自分の良いところが消えてしまうのではないかという疑問もありました。

それでも長年の悩みである高音のことを、どこかで向き合って解決していきたいという思いはいつも心の中で燻っていました。

ある日、Twitterのフォロワーさんのツイートで、元劇団四季のボイストレーナーである馬場明成さんのことを知りました。馬場さんのツイートを拝見したところ、高音の悩みを解決していく動画が生徒さんのレッスンの様子を見せていて、言葉で考え方も合わせて説明されていたので、非常にわかりやすいと思いました。

馬場さんが運営されているBABA Vocal studioのホームページを見たところ、ミュージカルのオーディションを目指すボーカルトレーニングを専門的に行っているようでした。ホームページの他のところを見ると、「体験レッスン」というのがあり、申し込めるようになっていました。ぼくはミュージカルではないし、新規の生徒さんも多いようだし、受けてもらえるのか半信半疑で申し込んだところ、馬場さんから日程をいつにするかの返信が来たので、選べる時間の中から、11月12日(土)18:30からレッスンを受けることになりました。

ということで、数時間前に初めてのボーカルレッスンを受けてきました。事前にぼくのTwitterも見て、歌の動画を聴いてもらったということでした。自分の高音の悩みを伝えたところで、「何か自分のこれは一番という曲を歌って」と言われたので、林部智史さんの「晴れた日に、空を見上げて」を1コーラス歌いました。「歌は上手いです。意味わかって発声もしてますし。高音が苦しいというのもわかりました」と先生の感想。そして「中低音がしっかりあるのに対して、高音が存在感がないんですね」と、ぼくが他の方から言われたことをズバリ言い当てました。ぼくの発声を聞いて「一般の人よりも喉が細く締まっているので、歌っていると疲れます」と教えて頂けました。ぼくってそういうタイプだと知りませんでした。全般的に体が硬直しているらしく、顔の筋肉をほぐして、口も横に広がっているのを縦にするように言われました。そして「高音を出すには、今までの長年の歌い方の概念を変えないといけない」とサラリと一言言われたのが、今書いている自分の中では心に残っています。長年の癖が付いているんだなということは納得しました。いろいろな音階で発声練習を繰り返してやる中で、指摘を受けたのが1音目で注意して喉を開く発声にしても、2音目から元の締めた発声に戻ってしまうことでした。これが全部開いた発声にできたときに気づいたのが、声を出している場所がいつもより高い場所なのかなとその違いを感じられたことでした。それと高音を出すところではお尻を引き締めるなど、体の姿勢も整える必要があることでした。口を横に開く癖があったので、縦に開くように何度も注意を受けました。「ポップスというのは外国からきたものだから、ウという音も、カタカナのウよりは英語のu」と言われたのも、わかりました。

あくびをするようにして、泣きべそをかくような表情で歌うようにというのが、自分ではその意味もわからなくて、なかなかうまくできませんでしたが、目指す声が、高音の裏声の存在感を強化させることと、張り上げる地声ではなく、透明な声、素人ぽさを消した発声なんだなと思いました。キーを下げて出来ることからトレーニングを始めて、目標のキーでもできるように繰り返していくことが必要なのだと理解しました。レッスンでの指摘を受けてから、「晴れた日に、空を見上げて」の各フレーズについても、「無理にの「に」は弱く」とか「かえろーおーよ」の歌い方についても細かく指摘をしてもらいました。レッスンの最初では、喉仏を上下に動かす訓練も有効だと教えて頂きました。そして、驚いたのはぼくが「本来は高音の歌い手さんです」と言われたことでした。カラオケを福山雅治さんの曲から始めたぼくとしては「今まで全く逆だと思っていました」と答えると、「それは歌い方ですよ」と先生から言われました。そして、「エの母音が苦手なようですね」と指摘もありました。ぼくの発声を聞いていくごとに馬場先生は、ぼくの中にある症状を他にも次々と説明してくれました。

1時間弱のレッスンは終わりましたが、いろいろと指摘を受けたことを、いかにして自分のものに身につけていくのかがもっと大切だと思いました。「これできたら、優勝できますよ」と言われたし、「聞く人が求めている透明な声を出して」というニュアンスも伝わりました。正直なところ、今の歌い方でも歌や声は誉められているので、今の歌い方の中に僕が持つよいところもあるのだと思っています。でも、変えなきゃならないことがあるのもわかっているから、折り合いをつけてどちらもいいとこ取りしたいなと思います。自分が良くなれるきっかけをいくつも頂けた貴重な時間で頂けた言葉を、自分の手で実にしてこそ、歌の価値も向上できると信じています。