DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

名付け合う旅路

ぼくが最近よく聴いているアーティストさんのシキドロップさん。2017年12月に結成されたボーカルの宇野悠人さんとピアノの平牧仁さんの2人からなるユニットです。

ぼくが彼らのことを知ったのはたぶん2019年頃で、Twitterのフォロワーさんが「好きな声の歌い手さんがいる」と紹介されたのがきっかけでした。その時聴いたのは「おぼろ桜」という曲でした。


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春夏秋冬をテーマにしたアルバム「シキハメグル」を聴いて、イメージがわかりやすいというのもありましたが、宇野さんの声にも平牧さんのピアノにも、綺麗な歌声や旋律だけではなくて、人生の苦さとかやりきれなさみたいなものが表現されていて、いいなと思いました。

DAM★ともで当時は「さくら紅葉」と「ホタル花火」が配信されていて、ぼくも何十回も歌いましたけど、メロディーの音程がうまく当たらなかったり、宇野さんのキーがぼくには高いので、キーを3つ下げて歌っていたので細かい音をトレースするのがわかりにくくて、作品は好きだけど、公開するほどのレベルには達してませんでした。

2022年に入って、シキドロップさんが4枚目のミニアルバム「名付け合う旅路」をリリースしたのをきっかけに、彼らの曲を聴くようになって、久しぶりに「さくら紅葉」と「ホタル花火」を歌ってみたら、以前よりも軽くスッキリと歌えるようになったのに気付きました。たぶん、何回も彼らの曲を聴くことによって、歌い方の緩急みたいなところを身につけられた感じがしました。採点もやっと95点を超えることができるようになって、これなら人前で歌っても大丈夫かなと思えるようになりました。

さて「名付け合う旅路」はアルバムのタイトル曲でもありますが、変わった言葉だと思いました。そのあたりを作詞・作曲した平牧さんが、インタビュー記事で答えていました。「みんな名前を持たずに生まれてきて、誰かに名付けてもらう。そこでいろんな物か決まるというか。やっていることに対して誰かに名前をつけてもらってアーティストになるのかもしれない。それは自分ではできないことじゃないですか、自称になっちゃいますから。だから、コロナ禍で、名付けてもらうことってすごく大事なことだったんだなと気づいたんです」そして、「自分自身、ライブができなくなった時に「俺って何者なんだろう」って考えたんですよね。音楽ができなくなった時に「自分って本当に何も持ってないんだな」、「なんで生きているんだろう」って思ったこともある。その時に「名付けて欲しい。自分の名前とか価値って何だろう」って思いました。そういう思いを同じように抱えている人がいるのであれば、このうたが一個のお守りというか、自分に対して良しと思えるものを見つけてもらえたらいいなと。」

価値のない人なんていないと思います。ただ、予期せぬ渦に巻き込まれる中で、自分を見失ってしまうことはあるかもしれません。それでも、今を乗り越えて、自分の生きる道を再び見据えていこうと、この世に生きる人たちそれぞれが心の中に秘めていると思います。明日の自分を作るのは自分自身なんですから。そういう、今を歌う歌にぼくは共感することが多いです。


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