DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

敦盛2011

今から10年ぐらい前の深夜によく見ていた「戦国鍋TV〜なんとなく歴史が学べる映像〜」というテレビ番組がありました。この番組は2010年4月から2011年9月までの第1期と、2012年4月から2012年9月までの第2期に放送され、独立系の地方テレビ局であるテレビ神奈川チバテレビテレビ埼玉サンテレビの4局が共同制作しました。番組のコンセプトが「戦国時代」をテーマにして、これに現代の要素を加えてバラエティにすることにより、歴史を楽しく学ぼうというものでした。

その1コーナーに「MUSIC TONIGHT」があり、歴史上の人物をモデルにしたアイドルを毎回結成して登場していました。アイドル役で登場していたのは若手の役者さんたちで、番組のプロデューサーは事務所の大小に関係なく、オーディションでキャストを決めていました。

ぼくがこのコーナーで初めて見たのが「ももいろゴタイロー」という男性5人組が歌う「ガギグゲゴタイロー」という曲でした。豊臣秀吉がプロデュースした「五大老」をベースに「ももいろクローバーZ」をモチーフしています。


www.youtube.com

とても番組の1コーナーとは思えないほど、役者さんもガチでアイドルを演じていて、歌詞は歴史に忠実な言葉を入れつつゆるい感じで、メロディーは元ネタを意識しつつも、しっかりとアイドルサウンドに仕上げているのが最初は衝撃で、面白いと思い、それから良く見るようになりました。

いろいろなアイドルが登場した中でも印象に残っていたのが、「信長と蘭丸」が歌った「敦盛2011」という曲でした。歴史上の人物としては織田信長と、信長の小姓として重用された森蘭丸を題材にしています。「敦盛」とは「幸若舞(こうわかまい)」という語りを伴う曲舞の演目で、中世から近世にかけての武士の間で、能と共に好まれて嗜まれました。信長も「敦盛」がお気に入りで、桶狭間の戦いの前夜に敦盛を舞い、「人間五十年 下天のうちをくらぶれば 夢幻のごとくなり」と語った一節が有名です。また、信長は蘭丸を余りに寵愛していたことから、男色(今でいう同性愛説)もあったらしいということで、歌詞には現代のBL要素も含めています。

このコーナーで発表した作品の作詞を書いた安部裕之さんは放送作家の方で、「とんねるずのみなさんのおかげでした」や「トリビアの泉」などの多くの人気番組に関わってこられています。作曲を書いた奥村愛子さんは2004年にメジャーデビューしているシンガーソングライターの方で、テレビアニメへの楽曲提供を多くされています。編曲を書いた安部潤さんは長年にわたり多くのアーティストへの楽曲提供やキーボーディストとして多くのコンサートにも参加されています。ぼくは安部さんのお名前は林部智史さんのアルバムのアレンジとか、ぼくも好きな曲である「恋衣」の編曲で拝見しています。

さて、「信長と蘭丸」で信長役だったのが村井良大さん、蘭丸役だったのが鈴木拡樹さんでした。あれから10年が経ち、お2人とも舞台で主演を務めるなど俳優としても活躍されています。本業は役者さんなのに、これだけ雰囲気を持って歌って踊れるのもすごいなあと思います。


www.youtube.com