DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

ラピスラズリの涙

シンガーソングライターの小椋佳さんが今年いっぱいで歌手活動を引退されます。小椋佳さんというと、ぼくのイメージは、「銀行員の仕事もバリバリやりながら、音楽活動も印象に残る作品を発表される方」でした。まさに「二足のわらじ」を地で行く、ある種の憧れを感じるところがありました。カラオケに行くようになってから、布施明さんの「シクラメンのかほり」や中村雅俊さんの「俺たちの旅」が小椋さんの作品だと知りましたし、DAM★ともでお互いに聴き合うユーザーさんが小椋さんの曲をよく歌われていたので、その方の歌で小椋さんの作品を覚えていました。

ぼくが小椋さんの作品で初めていいなと思ったのは、研ナオコさんの「泣かせて」という曲でした。


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さて、小椋さんは、自身の最後のアルバム「もういいかい」を制作すると同時に、林部智史さんのアルバム「まあだだよ」に8曲の作品を書き下ろし提供しました。この8曲の中の1曲が「ラピスラズリの涙」という曲でした。

2人の出会いは長野でのコンサートだったそうで、小椋さんが林部さんの歌声を聴いて、「ぼくが30才の頃に歌っていた声と同じだった」と思ったそうです。林部さんの高音の繊細な響きに、小椋さんは「こういう声を出せる人が現れたことに、希望を持った」そうです。林部さんは、コンサートでも小椋さんの曲を歌っていたそうです。ぼくもコンサートで聴きましたが、それは五木ひろしさんの「山河」だと思います。小椋さんは「創作意欲も衰えたので、新作は書かない」と思っていたそうですが、林部さんとの出会いに触発されたそうです。

ラピスラズリって何なのかをぼくは知らなくて、調べてみたら、青金石(ラズライト)を主成分とした半貴石のことで、和名は「瑠璃(るり)」となっていて、仏教の七宝の1つとされました。

小椋さんは、「ラピスラズリの涙」の歌詞を作るに当たり、作家の芥川龍之介の恋人の心境を題材にしたそうです。愛する人に突然先立たれ、孤独に苛まれながらも、前向きに生きていこうとする心情を歌った作品となっています。

この作品のメロディーは3拍子です。ピアノ曲でもメヌエットやワルツでは弾いたことがありましたが、最近の曲にはあまりなくて、DAM★ともで歌い始めた時は、音程やリズムをどう取るのかがしっくりきませんでした。何回も歌っていくうちに、リズムをベースにして、メロディーを歌っていくことで、音程もあってきたように思います。

小椋さんは自分の歌を引き継げる人として、林部さんを選ばれたのだと思います。小椋さんは林部さんに、「自分で歌を選んで、自分の思いに本当に合致する歌を表現していってほしいと思います」と今後へのアドバイスを贈られました。2人とも、流行を追わず、独自の創作をする点は共通しているように思います。それはきっと、「自分軸」を信じて進む意志が大切なんだなと思いました。


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