今年1月23日に歌手の坂本スミ子さんが亡くなられました。1960年代に日本でブームとなったラテン音楽の曲をカバーし、「ラテンの女王」として活躍されました。ラテン音楽といっても一言では言えませんが、坂本さんは1959年に、来日したアメリカのラテン音楽グループのトリオ・ザ・パンチョス(Trio los Panchos)の前座公演に出演されていて、彼らはメキシコの音楽の影響を受けていました。
坂本さんの歌はYouTubeの動画で聴くことがありました。1965年の紅白歌合戦で歌唱された「グラナダ(Granada)」は、1932年にメキシコ人のアグスティン・ララ(Agstin Lara)が作詞と作曲をした、スペイン南部のアンダルシア地方の古都であるグラナダの町を賛美した曲で、世界のクラシック歌手が好んで歌うラテンのナンバーですが、坂本さんはパワフルな歌唱力と独自の解釈で見事なステージを披露されていました。また、1996年の映像で歌われている、エル・クンパンチェロ(El Cumbanchero)はプエルトリコの作曲家ラファエル・エルナンデス(Rafael Hernandez)が1943年に発表した作品で、今の日本では高校野球の応援でよく使われる曲ですが、当時60才にしてこのパワフルな魅せるステージの迫力が凄いと思いました。
エル・クンバンチェロ 坂本スミ子 1996' 25 UPG-0418
ぼくがDAM★ともで歌っている坂本さんの曲は「夜が明けて」という曲でした。ラテン風なサウンドって割と心地よい感じで、例えばKinKi Kidsの「ボクの背中には羽根がある」は、フォルクローレ(folclore)という、アンデス地方の民族音楽をベースにスペインの音楽が融合した感じの音楽がベースに感じられます。ポルノグラフィティの「アゲハ蝶」もフォルクローレのアップテンポなサウンドかなと思います。そういう曲を歌ってた頃に「夜が明けて」を聴いたとき、これってフォルクローレだと思い、歌い始めた記憶があります。この作品は1971年10月21日に発売されたシングルで、作詞はなかにし礼さん、作曲と編曲は筒美京平さんです。日本で知られているフォルクローレの曲というと、サイモン&ガーファンクルがカバーした「コンドルは飛んでいく(El Condor Pasa)」ですが、筒美さんもフォルクローレで使われるケーナ(quena。縦笛)やチャランゴ(charango。弦楽器)を使って、なかにしさんが書いた女性の哀しい感情の歌詞に合うようなサウンドを作られた感じです。
坂本さんが1977年頃に、川崎市高津区の「カラオケとダンス ムーンライト」というお店でライブをされた音源を見つけました。「夜が明けて」は2曲目で歌っています。坂本さんの歌や音楽を楽しむ姿勢が一貫して感じられました。歌をお客さまに聴いて頂く姿勢や見せる姿勢も勉強になることがありました。
この2週間、ブログを書く気にはならず、SNSで呟く気にはならず、歌を投稿する気にはならずでした。カラオケではいつもどおり歌っていました。いろいろな曲を歌って、自分の答えを見つけていくことは変わらないです。