DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

Imitation Rain

先日、カラオケでジャニーズの曲を久しぶりに人前で歌う機会がありました。この時はKinKi KidsSexy Zoneの曲を歌って楽しみました。その時に「キンプリとかストーンズも歌えますか」と聞かれて、「それは歌えません」と答えたんですが、SixTONESストーンズ)のデビュー曲「Imitation Rain」は宣伝で聴こえた曲のフレーズが何となく気になっていました。それでその翌日から、DAM★ともでこの曲を練習することにしました。

この作品は2020年1月22日にSixTONESのデビューシングルとして発売されました。作詞・作曲・編曲はX  JAPANのYOSHIKIさんが作られました。既に作品を聴かれた方はおわかりでしょうが、メロディーやピアノのアレンジがYOSHIKIさんの世界が広がっている感じです。曲名からして、X  JAPANの「ENDRESS RAIN」を彷彿させる「Imitation Rain」、歌詞には「紅に染まるまで 雨に打たれて」という一節が何度も出てきます。

ジャニーズのアーティストのデビュー曲の依頼というのは、オファーされたアーティストには大ヒットすることが命題であったりして、相当なプレッシャーだそうです。作詞家の松本隆さんはKinKi Kidsの2人に会って話をして、「硝子の少年」の作詞を着想されたそうですが、YOSHIKIさんもおそらくSixTONESの6人の映像をご覧になられて、「Imitation Rain」というテーマを決めたのではないかと思えるのです。歌詞を読んだ時に、これは6人の心情を読み取って書いているのかなと感じたからです。

彼ら6人は2012年に「私立バカレア高校」というドラマで共演しますが、ドラマの終了後はバラバラに活動します。ジャニーズJr.の中には多くのグループが結成と消滅を繰り返しています。デビュー前の競争が熾烈なわけです。松村北斗さんと高地優吾さんはB.I.Shadowというグループにいましたが、ここにいた中島健人さんと菊池風磨さんがSexy Zoneとしてデビューしたため、このグループは実質解散する悲哀を味わいました。その後、ジャニー喜多川さんに直訴して、この6人でのジャニーズJr.コンサートを開催しました。それがきっかけで、2015年に6人はSixTONESとして結成されました。最大の危機は2018年に、彼らよりも若いメンバーによるグループ「King&Prince」のCDデビューが発表された時に、ジャニーさんが「事務所のグループが多すぎるので、もうこれ以上CDデビューはさせない」主旨の発言をしたとされたときでした。下積みを続けている彼らにとっては本当に心が折れる思いだったと思います。しかしその1年後、ジャニーさんは倒れる直前に、SixTONESのデビューを決断し、彼らはやっとデビューを掴むことができたわけです。

そういう紆余曲折の中で葛藤しながらも健気に活動している彼らを、YOSHIKIさんは雨の中で儚さと憂いを持った情熱の花に見立てたのかもしれません。この作品のラストのサビで京本大我さんが歌うハイトーンボイスは彼らの叫びと誓いのようにも聴こえました。

YOSHIKIさんは作詞について、抽象的な表現のようで、実は核心に突き刺さっている詞が好きで、ポジティブなエネルギーはネガティブなエネルギーを引き出すことによって引き立つという考えだそうです。どんな逆境があっても、6人で生きていく覚悟を決めた以上、雨に打たれても夢の世界へ進んでいけるポジティブなエネルギーでしょうか。

日頃の6人は仲の良さを感じるグループで、何となくそういうチームワークはSMAPの初期の頃を思い起こさせてくれます。それにしても京本さん、歌がむちゃくちゃ上手くなったなあって思います。ぼくにはラストのハイトーンは到底出せませんけど、歌詞やメロディーに込めた思いは何とか歌えたらいいなあと考えています。


SixTONES - Imitation Rain (Music Video) [YouTube Ver.]