DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

夜明け

DAM★ともを始めてから、いろいろなアーティストのいろいろな曲を歌ってきたと思います。それでもぼくの選曲には偏りがあるわけで、他のユーザーさんが歌っているのに、ぼくは歌ったことがないアーティストっていうのは、いくらでもあるわけです。2019年の秋頃からぼくのカラオケの中の裏テーマができまして、それは「歌ったことがないアーティストの曲を歌えるようになろう」というものでした。

どんな作品でも、歌詞やメロディーを1回で覚えられるはずはなくて、何十回も歌っていくなかで、ある1カ所のフレーズから音が当たるようになって、それをきっかけに2カ所、3カ所と歌の雰囲気が掴めるようになって、まず1回フルコーラスで歌えるようになってくるというプロセスは面白いものです。歌ったことがないアーティストの曲を1曲歌えるようになると、自分の引き出しが新たにできた感じがします。

歌ったことがないアーティストの曲というのは、ぼくの場合はもう1パターンありまして、それは多少その曲を知っていても、カラオケで選曲して歌おうとは思わなかったというパターンです。その1つが松山千春さんの曲でした。松山さんはテレビ番組でも「歌が上手いのは俺と美空さんぐらいだろ」と自負するほど歌が上手い方で、高音の伸びやかで強いボーカルが魅力的な歌手であります。今の日本の歌謡界で歌が上手い歌手として挙げられるのが玉置浩二さんで、玉置さんの歌の上手さというのはいくつもの声色を使い分ける表現力の広さにあると思います。一方、松山さんはフォークソングの歌手ということもあり、書かれる作品もストレートで熱い思いを込めたものが多いとぼくは思っているんですが、松山さんの歌唱力は天性の歌唱力だと思っていて、何を歌っても歌が上手い方だと思います。

ぼくは自分が熱い思いを歌えるわけではないので、松山さんの曲は「季節の中で」も「長い夜」も「恋」も知っていても、自分で歌おうとは思いませんでした。ただ、数多くの松山さんの作品の中で、「人生(たび)の空から」みたいな雰囲気の、どちらかというと淡々とギター1本で歌うような歌なら、自分の相性に合うかなとは思っていました。そういう感じの曲で、ぼくが気になっていた曲が「夜明け」という曲でした。この作品は1979年8月に7枚目のシングルとして発売されました。作詞と作曲は松山さんで、編曲は青木望さんです。青木さんはフォークソングの編曲も提供していて、松山さんの「大空と大地の中で」や雅夢の「愛はかげろう」が知られています。たしかNHKのドラマの主題歌になっていた記憶があり、子供の頃にこの曲を聴いた時に、誰の歌なんだろうとテレビを見ていたら、テロップに松山千春さんのお名前と「夜明け」の曲名が出ました。

おぼろげに覚えていた曲でしたが、初めてDAM★ともで歌ってみたら、すんなりと歌えました。松山さんの曲の中では高音が少ない方でしたぢ、でも静かに語るような曲でも、メッセージとして歌を歌わないと、歌が映えない難しさを感じ、フォークソングってこういうものなんだなあということを改めて感じました。

自分の中にある食わず嫌いとか敬遠とかいう気持ちをいったん封印して、1度歌ってみたら、自分の歌も広がりを見せてくれるんじゃないのかなあと思いますし、それをきっかけに意外な歌との出会いがあったら嬉しいなと思います。


松山千春 夜明け