DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

東京

カラオケ大会に出るようになって良かったと思うことは、歌うことが好きな多くの方に出会うことができたことです。そして、そういう方の歌声は、聴いていて自分の心に響くものがあり、歌っている曲の世界も見えてくるように感じます。

要するに、出場される方って、歌が上手いんです。自己紹介のMCを聞いていると、プロとして音楽活動をされている方が何人もいらっしゃいます。また、プロではないにしても、ライブを主催してシンガーとして歌っている方もいらっしゃいますし、カラオケ大会では入賞の常連みたいなツワモノな方も数多くいらっしゃいます。

大会の当日にいつも頭をよぎるのは、自分みたいな素人が、そういう方たちと同じステージで歌ってもいいのかなという気持ちです。大会なので順位が付いて勝ち負けがあるんですけど、競技とか勝負という気持ちは本当に思わなくて、どちらかというと、自分のステージで自分の歌をしっかりと歌わなきゃっていう、責任感みたいな気持ちは持ってます。

先日の大会で7回目の出場になりましたので、ステージに立つ前から緊張することはなくなり、歌もそれなりに歌えるようにはなってきました。でも、歌っているときに気付くんですが、ここをどう動くのか決めてなかったなあというところがあって、それで歌のアクションが場当たり的なところがあったりしますので、それが今の課題かなと思ってます。

大会では、他の出場者の方の歌を聴くのが楽しみです。日頃自分が接しないアーティストの曲を聴くのは新鮮で、新たな発見があります。先日の大会でも初めて聴いた曲が何曲もありました。その1曲が、ヒグチアイさんの「東京」という曲でした。

何の先入観もなく、出場者の方の歌を聴いてましたが、歌詞が東京の生活で壁にぶつかりながらも生きている、そういう主人公の息遣いが肌で感じられましたし、メロディーはそういう言葉を1つ1つ受け止めて、音符に乗せて聴く人たちに届けている感じがしました。東京をテーマにした曲は数多くありますし、この作品みたいなシチュエーションも数多くありますけど、生活のリアルを感じられる歌っていうのは、人の琴線に響くんだろうなって思いました。

ヒグチアイさんは2016年にメジャーデビューをされた女性のアーティストですが、この「東京」という作品は、ヒグチさんがインディーズデビューをされた頃、2014年2月26日に発売されたファーストアルバム「三十万人」に収録された1曲でした。この「東京」はDAM★ともでも歌うことができます。

ヒグチさんのブログを拝読しました。メジャーデビューが決まったときのいろいろな思いが散りばめられていました。その最後の一節です。

「だれにつたえようかと思いました。
二股になった道の片方にはもう進めないことがわかりました。
今まではそれは可能性だという言葉でなんとなく逃げてきたけど、いよいよ選ぶ日が来たのだなあと思いました。
選ばれる、しあわせは、小学生のときのピアノのコンクールのときに知りました。
選ばれない、くやしさも、そのとき知りました。
選ばれないなら、自分で選んでいないことにしたらいいんだと思って、選ばないようにしてきました。
傷つくのは痛かったし、こわかったです。
一つの小さな夢が叶いました。
なにより、父と母が喜んでくれたのが嬉しかったです。
わたしはおばあちゃんのことが大好きで、そのおばあちゃんが誇れるような人間になりたい、と四年前ぐらいに決めたのです。
おばあちゃんはわたしの曲がカラオケに入ったことを喜んでくれました。
メジャーデビューの意味はいまいちわからないかもしれないけど、きっともっとわかりやすく喜んでもらえるような話しをするから、その日まで元気でいて欲しいです。
ヒグチアイの音楽が売れないとおかしい、って言ってくれた人たちに、音楽業界はおかしくないよ、って笑えるぐらい売れたいです。
欲望が溢れます。
スペシャルになりたいです。
誰かのスペシャルになりたいです。
あなたの、スペシャルになりたいです。
11月に3rdアルバムを発売します。
そしてそのアルバムで、メジャーデビューします。
粛々と、がんばります。
やっと、進むよ。
ありがとう。」