DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

きっとできない じっとしない

ここのところ1990年代~2000年代の音楽を聴いている中で、YouTubeの中を泳いでいたら、米倉利紀さんの「きっとできない じっとしない」という曲に出会いました。

米倉さんは「堂本兄弟」でお姿を拝見したことが多かったですけど、米倉さんの楽曲はダンサブルで、今から思うとR&Bやファンクを取り入れてたのかもしれませんが、米倉さん自身も長身のロン毛のイケメンないでたちで踊りながら歌っていたので、かっこいいなあという印象が残っていました。

いま米倉さんはどのような活動をされているのかと思って、公式サイトを拝見したら、毎年アルバムを出されていて、コンサートも開催されているのがわかりました。5月25日の米倉さんのmessageには「27年前の今日、デビューアルバム「bella donna」がリリースされました。27年かぁ、感慨深い」とありました。

米倉さんは1992年4月25日にシングル「未完のアンドロイド」で19才でデビューしました。「きっとできない じっとしない」は1993年9月25日に5枚目のシングルとして発売されました。作詞は松井五郎さん、作曲は羽田一郎さんです。この曲もセールスとしてはヒットしてないんですけど、どこかで印象に残っていて、今回初めてしっかりとこの作品を聴いてみて、表現力の上手さを感じました。本当は難しいメロディーも、ステージではさらっと歌って見せるのはその1つかなと思います。

今年は最新アルバム『analog』を掲げ“analogな心”をコンセプトに全国18都市25公演を行うとのことで、3月にライブへの思いを語る米倉さんのインタビュー記事を拝読しましたが、デビュー前から一貫して音楽に正面から向き合っている方なんだというのをすごく感じました。“生かされていることを無駄にしない”という信念が根底にあるようで、「その時間をどう生かしていくのかというのが、僕の『ライブ感』なのかな」と語っています。そして、歌でもダンスでもビジュアルでも入口はどこからでもいいから、ライブが終わったところで、米倉利紀の思いにたどり着いてくれればいいというのが、何とも心の広いコメントであり、自分の信念は曲げないところが窺えました。こういう姿勢であるからこそ、音楽業界の人たちに愛されているような気がしました。米倉さんのデビュー25周年に際し、多くの方がコメントを寄せているんですが、結構愛に溢れたコメントが多かったです。松井五郎さんも次のようなコメントを寄せていました。

米倉利紀25th Anniversary

 1993年「きっとできない じっとしない」で出逢ってから24年。
当時はまだ16ビートのリズムに日本語を乗せられるグルーヴを持ったシンガーは少なかった。
そんな中で、米倉利紀はかなり難解な言葉の乗せ方も想像以上に表現してくれた。
スタジオへ行くのが楽しかったのを覚えてる。
もちろん歌詞には意味が必要だ。
しかし、それだけでなく、音或いはグルーヴとしての快感もなくてはならない。
 紙上の言葉に体温を与える力を、米倉利紀は持っている。」


米倉利紀 きっとできないじっとしない