DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

ビューティフル・サンデー

NHK教育テレビEテレ)で放送されている「おかあさんといっしょ」は子供向けの教育・音楽番組ですが、1959年10月5日の番組放送開始以来、今年で何と60年を迎える「超長寿番組」です。24分という放送時間の中では、たいそうのおにいさん・たいそうのおねえさんがメインの時間もありますが、うたのおにいさん・うたのおねえさんが何曲も歌います。毎回の番組のエンディングでは「べるがなる」を歌います。花田ゆういちろうおにいさんも小野あつこおねえさんも、きっと調子が悪い時もあると思いますけど、同じ歌をいつも笑顔で子供たちに接しながら、立ち位置も考えて歌うのって、結構大変だなあと思いながら、ぼくは週末に見ています。

うたのおにいさんが「おかいつ」に登場したのは1971年11月3日の放送からで、初代のうたのおにいさんになったのが田中星児さんでした。田中さんは1968年の「NHKのど自慢全国大会」(ポピュラーの部)で優勝するなど、歌の大会での優勝や入賞の実績があり、1971年にはNHKの音楽番組「ステージ101」で「ヤング101」のメンバーとしてレギュラーを務めました。「ヤング101」の出身者としては、上條恒彦さん、太田裕美さん、谷山浩子さんもいらっしゃいました。田中さんは「ステージ101」と並行して、「おかいつ」のうたのおにいさんも務めることになりました。

今は「おかいつ」のレギュラーになると、他の番組への出演はおそらく禁止だと思いますが、田中さんは当時色々な番組でも歌っていたようです。1975年9月~1976年9月にTBS系で放送された情報番組「おはよう720」に田中さんも出演していましたが、この番組のテーマ曲に起用されたのが、イギリスのシンガーソングライターであるダニエル・ブーン(Daniel Boone)の「ビューティフル・サンデー(Beautiful Sunday)」でした。この作品は1972年に発売されるとロング・ヒットを続け、全世界での売上が100万枚を超える大ヒットとなりました。日本では1975年の「おはよう720」のテーマ曲起用をきっかけに爆発的な大ヒットとなり、1976年はオリコンの週間シングルランキングで15週にわたり1位を獲得し、年間ランキングでも2位となりました。日本での累計売上は200万枚で歴代28位、外国人アーティストでは今も歴代1位となっています。

さて、田中さんも自身のシングルのB面に「ビューティフル・サンデー」をカバーして発売すると、こちらもオリコンで最高4位となる大ヒットとなり、1976年のNHK紅白歌合戦に初出場しました。また、1997年の「第49回選抜高校野球」の入場行進曲にも選ばれました。

田中さんはA面で収録した「オー・マリヤーナ」という曲に思い入れがあったため、スタッフの勧めで歌った「ビューティフル・サンデー」はあまり好きではなかったそうです。ただ、この曲を歌っていると、お客さんが笑顔になり元気になっていく姿を見てからは、好きになっていったそうです。

田中さんの歌声は第一声の「さわ~や~かなにちよう~」から本当に爽やかですし、ダニエル・ブーン盤よりもポップスの王道的なサウンドになっていると思います。ぼくは年末にYouTubeで久しぶりに「ビューティフル・サンデー」を聴いて、この作品の変わらない新鮮さを改めて感じました。

こちらは、ダニエル・ブーン盤。


DANIEL BOONE - Beautiful sundag.flv

こちらは、大ヒット当時の田中星児さん。


ビューティフル・サンデー 田中星児 (1976)

そして、近年も変わらぬ歌声の田中星児さん。


ビューティフル・サンデー 田中星児

新しい時代になっても歌い続けて欲しい1曲です。