DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

カラオケユーザーから見たカラオケ事業

5月30日にシダックス株式会社が、レストランカラオケ事業の相互発展に向け、株式会社B&V(=カラオケ店舗の「カラオケ館」を運営している企業です。)と資本業務提携の締結を決定し、シダックス株式会社の連結子会社であるシダックス・コミュニティ株式会社(=「レストランカラオケシダックス」を運営している企業です。)の持分81%及び、シダックス株式会社が保有するシダックス・コミュニティ株式会社の債権を株式会社B&Vに譲渡することになったことを発表しました。

ぼくはブログに「DAM★とも」と題しているとおり、カラオケ店舗の「ビッグエコー」を利用していて、他のカラオケ店舗も、「まねきねこ」や「カラオケBanBan」や「カラオケ館」は利用したことがありますが、「シダックス」は利用したことがありません。自分の生活の近くに「シダックス」の店舗がないからです。

シダックスはもともと、学校や企業の食堂での給食事業を行っている企業です。カラオケ事業に進出したきっかけは、当初立ちあげたレストラン事業がうまくいかず、その土地リース代を捻出すべく想起されたと言われていますが、「自宅の近くでカラオケと食事を楽しめる」ことをセールスポイントに、郊外立地戦略が成功し、一時は業界1位になったこともありました。最近でも売上高は「ビッグエコー」を運営している株式会社第一興商に次ぎ業界2位と言われていましたが、採算が合わない状況が続いたため、今回の株式持分譲渡と債権譲渡を行ったものと思います。

今回のシダックスの発表については、カラオケ評論家の唯野奈津実さんも見解を発表されています。

プロの方のように難しいことは書けませんが、お客さまのカラオケの利用方法が歴史的に変遷していると思います。思えば初めてカラオケを歌ったのはママさんがいるスナックで、みんなの前で順番に歌ったわけです。その後、カラオケボックスができて、「二次会はカラオケ」というのが当たり前の時代があり、学生でも社会人でも大人数でカラオケを楽しむようになりました。そして、今から15年ぐらい前から、一人カラオケヒトカラ)を楽しむユーザーが増えてきました。ぼくもヒトカラーの走りみたいなもので、最初は1名様での来店は珍しい感じでしたが、カラオケ店の店員さんも1人客が使った部屋の片づけは楽ですし、今では1人客の方が多いかもしれませんね。

カラオケ産業に限らないんですが、集客に当たって、郊外やロードサイドの立地戦略よりは、駅前立地戦略の方が今は有利かもしれません。ぼくは都心での店舗利用者なんですが、「シダックス」は郊外への店舗投資や、1人客ではない4人程度のファミリーや4人以上のグループ客を前提としている運営を、おそらく変えられなかったのかもしれません。でも、日本全国のどこにでも1人客はいるわけで、全国世帯の3分の1が1人世帯ともいわれています。「まねきねこ」は1人カラオケ専門店舗を次々とオープンして、「ヒトカラ」のニーズに応えているわけで、経営資源を活かした効率的な運営を、81%のカラオケ館と、19%のシダックスで知恵を絞って行くのかもしれません。

ぼくはカラオケの部屋っていうのは色々なニーズを持っていると思います。もちろん、歌うために来ているんですけど、隣の部屋で楽器を練習していた人もいましたし、お芝居の練習をしている人もいましたし。ストレスの多いこの世の中で、カラオケの部屋で「バカヤロー」と叫んでもいいと思うんですね。喫茶店での狭い席で、仕事や勉強をするぐらいなら、カラオケの部屋で仕事や勉強をした方がはかどるかもしれません。たまに歌えますし。ちょっとお金は喫茶店よりはかかりますけど。そして、子供から高齢者の方まで楽しむことができるカラオケは、潜在的なビジネスチャンスは大いにあると思います。